路地恋花

路地恋花のレビュー・評価・感想

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路地恋花
8

「京都の路地小路が舞台のほっこりアーティストたちの人間模様」

京都といえば舞子はんや神社仏閣が代表的だが、数多くのアーティストが多く集まる場所でもある。
芸大があるからと思えばうなずけるが、何かインスピレーションが湧き出そうな雰囲気があるのは確かだ。伝統的なものから前衛的なものまでと幅広い。
この「路地恋花」は、駆け出し中の色々なジャンルのアーティストたちが長屋に住みながら自分の「腕」一つで生活していている。
この路地小路の長屋に住む人たちは、作品をダメ出しされて落ち込んでも、女に振られようが男に振られようが、トラウマがあろうが女子高生に翻弄されようが、それでも前向きに進んでいるアーティストたちの日常が描かれている。
京都弁がほっこりさせるのか、新進気鋭のアーティストたちなのにみんな雰囲気が柔らかく、まさに「はんなり」としている。
この長屋に一度行ってみたくなるし、なんだか「モノづくり」ってこんな感じでいいんだ、とも思わせてくれる。
ただ、京都なのに、ほとんど京都らしい場所は出てこない。どちらかというと、「京都人」のひととなりがあちらこちらにでてくる。
「京都人」の潔さと温かさ、そしてちょっとややこしい、そんな「京都人」にハマるかもしれない。
ただ、アーティストたちは「京都人」ばかりではない。「はんなり」と「淡々」とモノづくりをしているアーティストたちの人間模様のお話である。