007/ドクター・ノオ / 007は殺しの番号

007/ドクター・ノオ / 007は殺しの番号のレビュー・評価・感想

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007/ドクター・ノオ / 007は殺しの番号
8

今日的な視点からすればB級落ちするかもしれないけれど、俳優ショーン・コネリーがけなげに頑張る不朽の娯楽作スパイ映画の原点!

この作品は映画化された英国の諜報員007シリーズの記念すべき第1作です。米国の月面探査ロケットの慣性航法装置を妨害電波でジャミングするという科学的な考証がまったく欠落した設定でストーリーを押しまくる「怪作」の類のような気もしますが、娯楽作としての見事な完成度ゆえにB級作品に堕することなく今日まで俳優ショーン・コネリーの重要な主演作と位置付けられています。ところで、作品の舞台はジャマイカ。ほとんどシーンをジャマイカ島のロケーションで済ませていて、後年の世界を駆け巡って活躍するジェームズ・ボンドの姿はまだ見られません。話しをショーン・コネリーに戻すと、コネリーファン垂涎のカッコ良さが映画では強調されています。彼の独特のカッコよさ。渋いデザインのスーツがお似合いで、そのスーツ姿で愛用の銃を出したり引っ込めたりする仕草がまさに絵になっています。独特のマスクのショーン・コネリーですが、役柄的には非情な一面も併せ持っている風に描かれています。あと、女性への手の速さ。食指が反応する女性にはいち早くアタックして自分のモノにしてしまいますが、危険な香りのする女性には絶対に手を出さないという矜持も英国のタフガイ諜報員らしくてカッコいいのかもしれません。