Bite Maker ~王様のΩ~

Bite Maker ~王様のΩ~のレビュー・評価・感想

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Bite Maker ~王様のΩ~
9

本能的な関係にドキドキ!美しい絵柄がたまらない!

作者の新境地となる作品ということで、他の作品も見てみましたが、確かにこの『Bite Maker~王様のΩ~』は、それまでとは方向性の異なる意欲作であることは間違いなさそうです。
まず、舞台設定は近未来の東京。つまり、SFです。このSFの要素がストーリーをかなり面白くしています。
冒頭からいきなりハレンチなセリフで度肝を抜かれましたが、近未来という設定が、その過激さを違和感のないものにしているのです。
現代の感覚からしたら変態的とまで言えますが、近未来の、特別な能力を持った、選ばれた男だったらサマになります。
しかも、絵柄が綺麗で、かなりの美しいルックスで描かれているので、ゾクゾクさせられました。
また、彼らには、運命で定められた異性がいることが生物学的にわかっているため、その女の子を手に入れるがために、他の女には目もくれません。
そして、ヒロインとはフェロモンのせいで本能的に求め合ってしまう。
ヒロインにだけ野性的に、一途に迫る様子には、かなりドキドキさせられました。
ただ、求め合うのは生殖の目的のため。お互いの気持ちとか、恋心とは別のところにあり、ヒロインは抵抗します。
この辺りの恋愛感情がどうなっていくのかが、見どころです。
とは言え、どうしても生物学的に求め合ってしまうという感じは新鮮で、情熱的に、本能的に感じているのを見て羨ましくなりました。現実では、なんとなく恋愛することに臆病になったり、頭で考えすぎたりするものですが、男と女なんだから、求め合うのは自然なこと、あまり前のことなんだと思わせる説得力がありました。