クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険

クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険のレビュー・評価・感想

New Review
クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険
9

映画『クレヨンしんちゃん』シリーズで最も素晴らしい隠れた名作

映画『クレヨンしんちゃん』シリーズで名作といえる作品は、誰もが1度は聞いたことがあるのではないだろうか。
草彅剛さんが主演を務め、実写化もされた『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』だ。それを差し置いて、なぜ『ヘンダーランドの大冒険』が隠れた名作なのか、魅力について紹介しよう。

本作はいつものおちゃらけたしんちゃんも健在だが、人のため誰かのために行動できる、芯を持ちしっかりしている5歳児の姿を見ることができるのだ。
幼稚園で群馬県にある「ヘンダーランド」へ遠足に行くところから物語が始まり、しんちゃんだけが他の園児達とはぐれてしまう。そこで人形のトッペママペットと出会い、「ヘンダーランドに悪者がいる、助けて欲しい」と頼まれる。しんちゃんが了承して敵であるス・ノーマン・パーや、マカオとジョマに「スゲーナスゴインデストランプ」を使ったりと、果敢に立ち向かうのだ。
道中でひろしとみさえがいつもと違う様子でそれが人形であることを知り、本物のひろしとみさえを助けに行くため、ヘンダーランドに乗り込むのであった。

敵地での戦い方で印象的なのがババ抜きだ。見ている側も手に汗握る緊迫のシーン。そこだけ映像がリアル化されるているのも緊迫度が増すのだろう。最後にはひろしとみさえがマカオとジョマと戦い、子を思う親の気持ちが勝ち見事勝利。
そこで話は終わりかと思われるが、実はス・ノーマン・パーが王子様でトッペママペットがお姫様であることを告げられ、物語が完結する。

映画『クレヨンしんちゃん』シリーズの他作品も親子の絆を垣間見ることができるが、本作においてはより一層、親子の絆を見ることができる感動的な映画となっている。子供が見ると少しホラーっぽくも見えてしまうが、大人が見ると物語の細かさについつい真剣に見入ってしまうのも本作の魅力だ。
どの世代が見ても面白い作品となっていて、何度も見返したくなってしまうのでぜひオススメしたい作品だ。

クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険
8

子供心を忘れずに楽しむ。映画「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」を大人の目線で

映画「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」は、親しみ深いキャラクターたちが繰り広げる、楽しさと感動が詰まったアニメ映画です。この作品は、しんちゃんと仲間たちがヘンダーランドという異世界へ飛び込む大胆な冒険を描いています。その展開は、子供から大人まで幅広い世代に、多くのエンターテイメントを提供します。しんちゃんの愛すべきおバカさと、友情の大切さが際立ち、作品のメッセージが一層深まります。

物語は、アクションやギャグ、そして心温まるエピソードを織り交ぜながら進行します。しんちゃんたちの大冒険は、笑いと感動をもたらすと同時に、登場人物たちの成長や変化を描き出しています。特にしんちゃんの勇気や仲間たちとの絆が、観る者に響き渡ることでしょう。

アクションシーンの迫力は目を引き、ヘンダーランドという異世界の魅力が作品全体に広がりを与えます。この世界観の多様性が、観る者の想像力を刺激し、映画の興奮と共鳴を生み出しています。

映画「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」は、その楽しさと感動が、観る者の心に長く残る一本となることでしょう。家族や友人と一緒に楽しむことはもちろん、しんちゃんたちの冒険を通じて、大切な価値観や友情の尊さを再認識することができます。アニメ映画の魅力が詰まった、見逃せない作品となっています。

楽しさと感動が共存するアニメ映画であり、特にしんちゃんのキャラクターが魅力的です。ただし、内容の深さの限界が一部に見受けられるため、10点満点中8点という評価となりました。

クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険
10

しんちゃんの成長の映画

野原一家やかすかべ防衛隊がチームとして活躍する映画は沢山ありますが、しんちゃんがたった1人で悪に立ち向かう映画は、これまで少なかったかもしれません。
幼稚園の遠足で遊びに行った遊園地ヘンダーランドで、世界征服を企む悪の組織の秘密をしんちゃんが知ってしまったことから物語が始まります。
悪の組織と戦う人形の女の子・トッペマは、しんちゃんに悪の組織と立ち向かうための武器・スゲーナスゴイデスのトランプを託します。
世界を変えてしまうほどの威力を持つトランプを手に入れるため、トップ・オカマ魔女に狙われてしまう野原一家。
悪の組織に捕まってしまったみさえとひろしを取り戻すため、しんちゃんはたった一人でトランプを片手に悪の組織の基地へ突入するんですが、現地へ着くまでの描写がまた泣けるんです!
いつもはみさえに「幼稚園バスが来るから起きなさい!」とどれだけ言われても起きないしんちゃんが早朝に自分で起き、自分なりにご飯を食べ、自分なりに荷物を準備し、長い距離の電車を寝ないで乗り継ぎ、自力でヒッチハイクをして、ようやく敵の本拠地にたどり着くのですが、ここまでのしんちゃんの成長ぶりが大人になってから見るとものすごく泣けます。
前半と後半でしんちゃんの成長が分かりやすく、心なしか面構えも少し違って、勇ましくなっているような気がします。
クライマックスの世界の運命をかけた、オカマ魔女との追いかけっこバトルは凄まじい情報量と疾走感で何度でも繰り返し見たくなります!
子供の頃に「どこがどうなってるんだ!?」と一時停止を連打しながら細かいところまで見た記憶があります。
特にひろしが「こんな紙切れ、欲しけりゃくれてやる!」と放り投げたのが、オカマ魔女の狙うトランプではなく、ひろしの名刺だったシーンは未だに笑ってしまいます(笑)。
ひまわりが生まれる前のしんちゃん映画はこの作品がラストです。まだ見たことがないな、という方は是非一度ご鑑賞ください。