LÄ-PPISCH / レピッシュ

LÄ-PPISCH / レピッシュのレビュー・評価・感想

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LÄ-PPISCH / レピッシュ
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ジャンル分け不要、日本初のミクスチャーバンド、でも本人たちはその自覚なし

今から25年以上前、音楽に関する情報が簡単に手に入らなかった時代、LÄ-PPISCH(LA-PPISCH・レピッシュ)というバンドが現れました。インディーズを経てメジャーデビューした彼らを、当時の音楽ライターは口をそろえてこう評論しました。「何がしたいかわからない」と。
ドイツ語で「子供じみた」「やる気がない」というバンド名の彼らは、「そんなの関係ねぇ」とばかりに、何でもありのアルバムを作り、何でもありのライブを行い、何でもありの音楽を作りあげてきました。スカ、パンク、ハードコア、レゲエ、組曲、ポップ、好きな音楽を好きなように詰め込んで、高度なアレンジを施した楽曲の数々はロックファンに受け入れられ、好調なセールスを記録しました。
日本のミクスチャーバンドの先駆者とも言えるバンドです。スカ、パンク、ポップが好きな人、少しひねくれている人、私って他の人とはちょっと違うんだ、という人は必聴です。できればアルバムをリリース順に聞いてみてください。彼らがいつも時代の先を行きすぎていることがわかると思います。
ラブソングが好きな人、激しいギターソロが好きな人にはお薦めしません。そして気がついたら、「もっといろんな音楽を聴いてみようかな」と思っているでしょう。そうなったらあなたも彼らの思うつぼです。