キル・ユア・ダーリン / Kill Your Darlings

キル・ユア・ダーリン / Kill Your Darlingsのレビュー・評価・感想

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キル・ユア・ダーリン / Kill Your Darlings
9

重たいけれど美しい映画

この映画は実際に存在したビートニク作家であるアレン・ギンズバーグが大学時代に経験した体験を映画化した作品です。
実際の出来事を映画化したからといって、ドキュメンタリー調ということも全くありません。
主人公であるアレン役を「ハリー・ポッター」で有名なダニエル・ラドクリフが演じているのですが、ゲイの詩人役という役柄もあって今までのイメージを良い意味で裏切ってくれました。
ここまで身体を張るのか、と驚くほどのシーンもあって彼の俳優としての新しい面を見れた気がしました。
アレンは大学に入学してすぐにルシアン・カーという男性に出会い、彼に惹かれていき彼と過ごすうちにアレン自身の才能も開花していくのですが、その過程の描写が抽象的で美しいのが印象的でした。
ストーリー自体は全体を通して明るいものではありませんし、むしろラストに進むにつれてルシアンの犯してしまった罪にアレンが向きあっていく構図にもなっていくので、予想以上に重たい作品だと思いました。
ですが導入にはそんな雰囲気はなく、徐々に重たくなっていくのでシリアス一色の映画に比べると全然見やすいと思いますし、見終えた後の満足感は中々のものでした。
ただ実話なのでどうしようもないとは思うのですが、ハッピーエンドではなかったのが個人的に少し悲しかったです。