Grace VanderWaal / グレース・ヴァンダーウォール

Grace VanderWaal / グレース・ヴァンダーウォールのレビュー・評価・感想

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Grace VanderWaal / グレース・ヴァンダーウォール
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16歳のシンガーソングライター

彼女はアメリカのニューヨーク出身で、2016年AGTの優勝者である。私が初めてYouTubeで彼女の曲『I don't know my name』を聴いたとき、はじめは「私は自分の名前がわからないってなんだ?一体どういうことだろう?」と不思議に思った。その曲では彼女が周りの家族や人々と触れ合う中で、自分とは何かを考えていくという1つの物語のような音楽であった。私は、普段感じたことや思ったことを自ら歌にのせてウクレレと共に音楽を奏でる彼女は、まるで詩人のようだなと感じた。他人と比べることを決してせず、自分自身の音楽の世界を確立しているようにも思う。わずか16歳の少女がここまで自分自身を忘れずに、透き通った心を音楽で表現できるというのも素晴らしいことだ。他にも、『Clay』という曲は他人とどう思われようが私には何の影響もないし傷つかないといった内容で、自分というものを強く持つ意思が感じられる。一般的な言い方でいうと「私はあなたの操り人形じゃない!」だとか、「私は言いなりになんてならない」などがあるが、彼女はこれを曲名にもあるように「私はClay(粘土)じゃない」と表現している。人の手が加わることによって形が様々に変わる粘土。でも私はあなたの手によって変わったりなんかしない。このような意味ではないだろうか。思わず「なるほど」と思ってしまう歌詞である。このように、彼女が生み出す詩や音楽にはたくさんの魅力があると思う。そしてまだ16歳。これから彼女が大人に向けて成長していく中で、彼女の中の音楽がどのように変化していくのかも楽しみである。