太陽戦隊サンバルカン

太陽戦隊サンバルカンのレビュー・評価・感想

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太陽戦隊サンバルカン
5

嵐山長官恐るべし

シリーズ五作目となる本作は最後の上原正三メインでもあり、かつシリーズ初の三人戦隊でもあります。
尚且つ歴代唯一中盤レッドの交代劇が行われたという意味でも異色作の趣が強いです。
「ゴレンジャー」以来となる軍人戦隊なのですが、シリーズ初となる陸海空という明確な色分け、そしてマスクデザインや名乗りに取り入れられているアニマルアクション、そして前作の続編であるという設定など実はかなり意欲的な要素が多いのですが、良い部分もある反面、それと同じ位の欠点もまた目立った作品でした。
特に大きな欠点としては「ジャッカー」の番場壮吉ほどじゃないにしても嵐山長官の存在感に主演三人が食われてしまっていること。
特に前半バルイーグルだった大鷲はメイン回が一度も貰えず、半年契約であっさり交代してしまうという思い入れのなさです。
仮にも戦隊シリーズで主人公格であるレッドに対してこの仕打ちはあんまりではないでしょうか。
まあそのお陰で後半出てきた二代目イーグルが剣術得意という設定になり、個性を出せたのですが。
そして嵐山長官ですが、彼はセキュリティ対策から戦闘まで殆どのことを一人でこなしてしまう上、最終回では彼がラスボスにトドメを刺したような格好で、彼が居れば他要らないのではないかと思わせてしまうようなバランスブレイカーぶりはどうかと。
またそのせいで折角盛り込んだ要素が台無しですし。
また、男性三人だけだとやはり華が足りないこともあってか、次作「ゴーグルV」以降はまた標準的な戦隊ヒーローものになっていくのですが、「ジャッカー」「バトルフィーバー」とはまた違った方向で尖った作品であり、かなり好き嫌いは分かれるでしょう。