コンフィデンスマンJP -英雄編-

コンフィデンスマンJP -英雄編-のレビュー・評価・感想

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コンフィデンスマンJP -英雄編-
9

ジェシーの存在

テレビで放送されている時からこの作品のファンであった。
今までの日本にドラマのつくりとは少し違う雰囲気で、これは映画でも面白いんじゃないかと思っていたので、劇場版3作目の今作の公開をとても期待していた。
そして、期待を裏切らない満足のいく内容だった。
ダー子、リチャード、ぼくちゃん、五十嵐といつものメンバーはもちろんだが、ジェシーの存在もちゃんと描いてくれていて、ファンには涙物であった。
この作品の良さは、最後はきっちりと観ている者をすっきりさせてくれることである。
モヤモヤした思いは残らないし、敵役にも悪意を残さずに終わってくれることで観終わった後に何とも言えない爽快感が味わえるのだ。
今回も『あの方』が出てくるのだが、なんとも意外な役回りで、ドラマ版から見ていた私はニヤニヤしてしまった。
誰が敵で誰が味方か、裏切り者は誰か。序盤から頭をフル回転させてコンフィデンスマンの世界を堪能し、推理するも、最後の最後のどんでん返しで見事にその予想は外れる。
だが、それがこの作品の面白さなのである。みんなコンフィデンスマンに騙されてしまう。
いや、その騙されることを期待してこの作品を観てしまうのかもしれない。

コンフィデンスマンJP -英雄編-
8

コンフィデンスマンJP 英雄編

コンフィデンスマンJPシリーズの第3作目。
天才詐欺師3代目ツチノコが亡くなり、その弟子である、ダー子、ぼくちゃん、リチャードが、マルタ島を舞台に、4代目ツチノコの称号をかけて真剣勝負に挑むという内容。これまで明かされていなかった、ダー子達のルーツも絡めた展開だった。
コンフィデンスマンシリーズの作品は、毎回用心深く観ていても、結局観ている方が騙されていて、その事に最後の最後に気付かされる。今回もすっかり騙されてしまった。
展開が読めないので、どこからが嘘なのか見ていてわくわくするし、最後には、ちりばめられていた謎も、きれいに回収されるので、観終わった後の爽快感もある。そこが魅力だと思う。また、舞台となったマルタの風景が美しく、まるでその場にいるような非日常感を味わうことができた。
今作では、これまで登場したキャラクターが総出演している。さらに、松重豊さん、角野卓三さん、真木よう子さん、瀬戸康史さんなどゲストの方々も豪華。
皆さん初登場にもかかわらず、映画の世界観にぴったり馴染んでいてさすがだと思った。
キャラクター全員が魅力たっぷりに描かれていた。そしてなにより、主演の長澤まさみさんが圧倒的だった。
シリアスからコメディまで、様々な顔を持ち、太陽のように明るいパワーを持つダー子を演じられるのは長澤さんしかいないと思う。
細かいところでは、三浦春馬さん、竹内結子さんが演じていたジェシーとスタアの2人も、名前だけではあるけれど、しっかり登場しており、キーパーソンになっていたところも良かった。作品の中でしっかり生き続けていて、ファンとして嬉しかった。
作品全体が上質なエンターテイメントで、心から楽しませてもらった。物語の最後の最後まで、意外なエピソードもあり、観ている人を楽しませてくれる作品だった。

コンフィデンスマンJP -英雄編-
7

映画「コンフィデンスマンJP英雄編」

長澤まさみ主演のドラマ「コンフィデンスマンJP」の映画版第3弾の「コンフィデンスマンJP 英雄編」。待ちに待っていました!とばかりに公開を楽しみにしていました。
毎回、映画版は海外を舞台に、コンフィデンスマンのみんなが派手にお金もうけをします。今回はイタリア地中海に浮かぶマルタ島を舞台に、ダー子、リチャード、ボクちゃんの3人のうち、誰が一番お金を稼ぐかという競い合いをします。
私がコンフィデンスマンJPの映画で楽しみにしているポイントの1つ目が、海外の壮大な綺麗な風景です。
しかし今回の映画の撮影が始まった頃はちょうどコロナが流行りだしたころであり、海外ロケはできなかったのでは…?とずっと疑問に感じていました。
実際はCGと実写を混ぜた映像で映画が作られていたということだそうです。映画を観て、CGだと違和感を感じる所は全くなく、すごく自然に観ることができました。そればかりか、映画館の大きなスクリーンで観るとマルタ島に旅行に行っている気分になれました。
そして、コンフィデンスマンJPの楽しみなポイントの2つ目が「騙し合い」。
誰が敵で、どこから騙されていたのか、物語の後半で一気に伏せんが回収されていきます。映画を観ながら「この人はきっと味方側だろう」と予想しながら観ていましたが、しっかり私も騙されてしまいました。この映画はそんな風に推理しながら観るのも楽しいです。
ドラマ版、映画版ともに出演していた詐欺師役の今は亡き竹内結子さんと三浦春馬さんがまだどこかで詐欺師として活動しているだろうという演出にもグッときました。