海にかかる霧

海にかかる霧のレビュー・評価・感想

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海にかかる霧
8

あの半地下のポン・ジュノ作品

舞台は密航船です。ある漁船の船長は、不漁続きで密航に手を出してしまいます。出港してから船員たちに「朝鮮族の人々を船に移して韓国まで運ぶ」と告げます。反対する者もいましたが、生活するためのお金や船の修理、みんなの為ということで船長が前金を貰い了承します。
受け渡しの船から船長の船へ、朝鮮族の人々は飛び移ります。そこで1人女性が海に落ち、1番若い船員が助けます。この船員を東方神起のユチョンが演じています。なんとか全員移りカップ麺をご馳走して和みます。これがまたとても美味そうで、韓国映画を見ているとお腹が空きます。
突然、監視船がやってきます。獲った魚を入れるための場所に、急いで朝鮮族の人々を押し入れます。監視船の人間がしつこく探りを入れてきますが、監視船の係長と船長は知り合いだったのでこっそりお金を渡して気付かぬふりをして帰っていきます。なんとか難を逃れたと思ったのは束の間で、この後予想外の展開になっていきます。朝鮮族の人々の様子がおかしいのです。そして船員たちもおかしくなっていきます。そこから向かう結末はとても暗く重いです。みんなが良い方向の結果を願っていたはずなのに、人間の恐い部分が出てきます。
韓流好き、サスペンス好き、『パラサイト 半地下の家族』が面白かったと思った人にオススメです。