Kraftwerk / クラフトワーク

Kraftwerk / クラフトワークのレビュー・評価・感想

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Kraftwerk / クラフトワーク
10

テクノの神様

『クラフトワーク』はドイツ出身のテクノポップバンドで、電子音楽の先駆けと言われています。前衛的な音楽からはじまり、徐々にポップ化していき、そしてシンセサイザーを使用したスタイルを確立していきます。出世作『アウトバーン』では一定のリズムを淡々と刻み、それまでグルーヴさせることが当たり前だった概念を覆します。ここから世間的にも注目され、テクノポップの元祖となりました。扱うテーマをアイコン化し、自身たちもロボットの様な出で立ちや振る舞いをすることでコンセプトが明確になっていき、日本のテクノポップバンドである『イエローマジックオーケストラ』等にも多大な影響を与えることになります。またテクノロジーの発展に比例するように、最新機器を導入することにも余念がありませんでした。シーケンサーを導入し、サンプリングの活用のみならずステージ上ではパソコンを操作しながらライブを敢行するなどイメージ戦略も抜かりがなく、日本の『電気グルーヴ』や『サカナクション』といった後世のアーティストのお手本ともなっています。ちなみに『アウトバーン』以前に三枚のアルバムを発表していますが、アーティストの意思により、非公式という扱いになっています。ですが、テクノポップの先駆けとしては重要であり、中古レコードショップなどでも見かけることがあるのでぜひ手に取っていただきたいと思います。