踊るリスポーン

踊るリスポーンのレビュー・評価・感想

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踊るリスポーン
10

ある意味究極の愛の物語

赤や茶色に染められた綺麗な髪の毛も、マニキュアでカラフルに塗られた爪も、切り離されて地に落ちた時はどうしてひどく醜いものとなるのだろうか。人間の身体もまた同じである。生を失ったものを愛することはなかなかできないだろう。しかし山崎声(やまざき あん)は違ったのである。彼女の重すぎる愛は主人公・壇ノ浦調子(だんのうら ちょうし)の死体から始まった。壇ノ浦調子は死んでも最後に睡眠をとっていた場所で復活するという特異体質の持ち主。山崎声を調子自らの命をかけて助けたことから、声は調子のことが好きになる。声の重すぎる愛に調子は振り回されていく。「好き」って何だろう、なぜ、どういうところが好きになるんだろうと思ったことはないだろうか。この漫画では登場人物それぞれの「好き」という気持ちを限りなく言語化している。もし顔が違っていたら好きになっていなかった?もしここで出会っていなかったら好きになっていなかった?周りからの目は気にしないの?そんなの関係ない!恋愛をする上でぶつかるであろう問題を何事もなく軽々と乗り越える主人公たち。あなたも恋人の好きなところが言葉にできるかも。まさに究極の愛の物語である。