うみねこのなく頃に / Umineko When They Cry

うみねこのなく頃に / Umineko When They Cry

『うみねこのなく頃に』とは、同人サークル「07th Expansion」が発売したサウンドノベルゲームや、それを原作としたメディアミックス作品。
この物語は、「六軒島」という孤島で巻き起こる連続殺人を通して、その犯人が「人」なのか「魔女」なのかを、登場人物達が推理考察していくというものになっている。一見人間には不可能な犯行を、独特なルールで推理していくことができるので、数多くのミステリーファンを楽しませた。

うみねこのなく頃に / Umineko When They Cryのレビュー・評価・感想

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うみねこのなく頃に / Umineko When They Cry
10

「うみねこのなく頃に」は、全てのエピソードを読み終えてこその価値がある!!

昔ヒットした「うみねこのなく頃に」ですが、最初のエピソードだけを見て、「何だ、魔法で何でもありではないか」と思って挫折した人は多いのではないでしょうか?しかし、そこで見ることを辞めてしまうのは非常に勿体ないのです。
「うみねこ」で魔法を使っているシーンは全て「幻想表現」なんです。現実世界では、魔法は一切使われていません。だったら現実では一体何が起こっているのでしょうか?あの魔法表現は一体何なのでしょうか?

漫画版では全てのエピソードを読み終えた時に真実が明らかになります。原作のゲームでは、結局真実は明かされません。なので漫画版の方を読むことをお勧めします。
「うみねこ」はエピソードが全部で8つあります。エピソード1つ1つが長いため、全てのエピソードを集めるのは大変でしょう。ましてやエピソード8の8巻と9巻はプレミアム価格になっているので入手は困難でしょう。その2冊は電子版で読むことをお勧めします。
「うみねこ」は右代宮家の者達の複雑な人間関係が絡み合っており、エピソードが進む度にそれらが明らかになってきます。
「ベアトリーチェ」とは一体誰なのか、なぜあの惨劇は起こったのか…読み進める度に点と点が繋がっていく感覚をぜひ味わってほしいです。

うみねこのなく頃に / Umineko When They Cry
8

うみねこのなく頃にの感想

うみねこのなく頃には裏ひぐらしのなく頃にといった内容。基本的に全て要素がひぐらしと正反対といったかんじ。だからひぐらしにハマった人が上級版として楽しむのが良いだろう。
ひぐらしは有名作品なのでアニメ、ゲーム、コミックスで知っている人も多いだろう。ひぐらしを楽しめたなら、うみねこを試してみてもいいと思う。
内容としては孤島で資産家の親族が集まり、老齢の当主の遺産相続に絡んだ親族どうしの対立があり、その最中連続殺人事件が起きるといったもの。幻想と現実が入り交ざり、不可思議なことが次々と起こり次第に惑わされていく。
だんだんと全てが曖昧になっていくなかで、一つだけハッキリとしたルールが示される。それは赤文字。赤文字で書かれた文字は理屈抜きで真実だ。この赤文字を頼りにして謎に挑む。
原作は同人ゲームでPS3、PS4、Switch版もある。コンシューマー版は有名声優を起用して演技的にもかなり力を入れている。注意点としてはゲームだけでは全ての謎は解けないところだ。これに関してはコミックス版で詳細に解説されている。

うみねこのなく頃に / Umineko When They Cry
9

あなたに愛は見つけられますか?

竜騎士07さんが手掛ける「なく頃に」シリーズの1つ、「うみねこのなく頃に」。この作品は竜騎士07さんが私たち読者に”この謎が解けるものなら解いてみろ”と突きつけてきた作品です。作品はEP1~EP8までの全8章あり、章を追うごとに謎を解くためのヒントや考え方を読者に伝えていきます。しかし謎を解くための道具が与えられたからといって、すぐに解けてしまうことは有り得ません。それどころかキチンと物語を読んでいないと道具を道具とすら、ヒントをヒントとすら認識できず見落としてしまいます。なので、私からも1つヒントを贈ります。この作品の大きな特徴は起きた現象に対して”それがトリックか魔法か”を議論していく事にあります。これが皆さんに贈りたいヒントになります。物語の概要についてはここではご紹介しません。皆さんにお伝えしたかったのはこの作品は至る所に謎やそれを解くための道具、ヒントが上手にちりばめられており、それを発見・考察していく楽しさがあるということです。作品の謎とそれに対する解答を得た1読者として是非とも皆さんにもこの作品に挑戦して欲しいです。最後に。あなたに愛は見つけられますか?

うみねこのなく頃に / Umineko When They Cry
10

リアルかファンタジーか?謎だらけ

うみねこのなく頃にという作品は、まずエピソード1で洋館に親族が集まると言うミステリの王道のようなシチュエーションから始まります。そしてどんどん親族が奇怪な殺され方をしていくのですが、どうも人が起こせるような殺人のやり方ではないのです。そこで浮上するのが洋館のある島に伝わる魔女伝説。魔女ベアトリーチェが起こしたのではないか?という説。
私はこの物語はてっきり魔女は結局ただの伝説でしょう、現実はきっと人による殺人だろうな。と思っていたのですがそこでエピソード2を読み進めると、なんと魔女が登場したのです。この時点で「!?」な展開であり、物語はどんどん「魔女はいるのかいないのか」という話に進んでいきます。私がこのうみねこのなく頃にですごいなと思う点は、マンガ全体が読み手を騙す演出になっていること。例えば、エピソード1で死んだキャラクターがエピソード2ではまた元気に生きており、同じく洋館に集まるところから始まるのです。まるでループをしているのか?と思うような物語の作りになっているのです。少しずつなぜそのような作りになっているのか、魔女は本当にいるのか。ベアトリーチェとは一体なんなのか。が紐解かれていく感じが本当に素晴らしいです。また、特に魔女のデザインは凄くいいですが、キャラクターが見た目も中身も魅力的でそこもすごくいいと思う点です。