ペット(漫画)

ペット(漫画)

『ペット』とは、2003年から小学館の『ビッグコミックスピリッツ』にて連載されていた三宅乱丈によるサスペンス漫画。他人の記憶に入り込み、その記憶を操作出来る特殊能力を持つ3人の少年、ヒロキ・悟・司。彼らは「会社」という組織に属し、組織にとって邪魔な人間を廃人にする仕事を担っていた。だが、元社員でありながら会社を裏切り失踪していた林が再び姿を現した。少年たちは自分達を搾取しペットのように扱う会社の正体を暴き、その束縛から解放されるために闘うことになる。

ペット(漫画)のレビュー・評価・感想

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ペット(漫画)
8

心理戦がおもしろいミステリアスな作品

アニメ『ペット』は第1話だけ見たら、「さっきの話とどうつながってるの?」と思うシーンがあり、なにを見せられたか全くわからないと思います。しかし2話、3話と見ていくうちに「ヤマ」や「タニ」、「イメージ」、会社組織のことがだんだんわかってきます。
記憶を操作する「イメージ」という能力はとても興味深く、ヤマ親から受け継ぎ、受け継いだ者は組織の人間からは「ペット」と呼ばれています。
主な舞台は日本ですが、中国のマフィア組織が関わっており、グローバルな世界観も展開されます。主要キャラクターはすべて中国マフィア組織の構成員ですが、「ヒロキは会社を抜け出してヤマ親である司と暮らしたい」「司はヒロキを自分のものと思っている」「悟は林さんに会いたい」など、それぞれの思惑によりやがて分裂していきます。

ヤマ親を絶対的に慕う構造ができているため、それぞれのヤマ親との関わりが複雑で、理解が難しいのも事実です。
しかし、何度も見返すとそれぞれのキャラクターの心情がわかり、さらに楽しめる作品だと思いました。
中国語のセリフも出てくるのですが、声優さんも自然にこなされていて素晴らしいです。舞台版の『pet』でも主演を務めたヒロキ役の植田圭輔さんをはじめ、司役の谷山紀章さん、悟役の小野友樹さんなど、声優陣も豪華でファン必見です。