ピンクとグレー

ピンクとグレーのレビュー・評価・感想

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ピンクとグレー
6

途中の仕掛けに驚かされた作品

菅田将暉さんと中島裕翔さんのダブル主演映画です。菅田将暉さんの演技に特に心動かされました。
東京に住んでいる中島さん演じる蓮吾のところへ、関西から菅田将暉さん演じる大貴が引っ越してきます。2人はすぐに仲良くなり、学生時代を共に過ごします。夏帆さん演じる女の子が2人の初恋相手でした。
ひょんなことから、雑誌のモデルをすることになった蓮吾と大貴。初めは2人一緒に仕事をさせてもらえるのですが、途中から蓮吾だけに仕事のオファーが来るようになります。印象的だったのが、菅田さん演じる大貴がアルバイトの休憩中にテレビを見ていると、そこに華々しく活躍する蓮吾の姿が映っているシーンです。2人は全く別の世界の住人になっていきました。
しかし、映画の途中でカラクリが起きます。それが、“蓮吾の自殺”です。蓮吾は首を吊り自ら命を落としたのです。それを発見したのが大貴でした。そしてこの瞬間「カット!」という声が…。
「え?」と呆然としました。なんと、今までの蓮吾と大貴の物語は、“映画の中でも物語”だったのです。
蓮吾役を演じた中島裕翔さんは、大貴役を演じた菅田将暉さんより格下の俳優だったのです。つまり、前半の物語と、蓮吾の自殺後の物語では、2人の立場が逆転しているのです。
本当の蓮吾は、中島裕翔さんではなく柳楽優弥さんでした。彼が亡くなったのは本当なのですが、どうして亡くなったのかが後半部分で明かされていきます。物語のカラクリにすっかりハマってしまう映画です。