イノセント・ガーデン

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イノセント・ガーデンのレビュー・評価・感想

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イノセント・ガーデン
9

白い狂気の黒いメルヘン

気難しく殻に閉じこもった少女が唯一心を許していた父親が、謎の事故で死去。母親は涙を見せるどころか特に悲しげではなく、葬式中は神経質に眉を寄せ黒い扇をパタパタと扇いでいた。
突然、今まで会ったこともない父の弟が現れる。母親は彼と急速に親しくなっていく。魅力的でハンサム、物知りな彼なのだが、何か異様さを感じる主人公。そして次々と不吉なことが起こるー…。
主人公のミア・ワシコウスカがこの世界観にピタリと合っている容貌をしています。真っ白な肌に、甘くない顔。これが安直に女性的な美少女顔だったら平凡になってしまうでしょう。彼女の硬質な顔つきに、気難しいしかめっ面がよく合っています。
母親役のニコール・キッドマン。ヒステリックで精神不安定な性格が、美しい外見にとてもよく映えます。亡くなった夫の遺物を燃やし、その周りを白いスリップ姿でうろうろ歩き回るシーンは、彼女の内面を表しているかのよう。葬式での扇をパタパタするシーンもそうですが、いつも張り詰めキリキリとしている女性です。
母娘の仲はちっとも良好ではなく、娘は母に触られるのを嫌がる。外国人の家族なのに。母の方も『母親役』をやる気はなく、朝も遅く起き、お手伝いさんが沢山いるとはいえ家事をやっている様子もなく、娘に寄り添う様子はありません。