後ハッピーマニア

後ハッピーマニアのレビュー・評価・感想

New Review
後ハッピーマニア
7

登場人物のその後に違和感なし!

ドラマ化もされ、大ヒットしたコミック『ハッピーマニア』。まさか続編が描かれるとは予想もしていなかったので、この『後ハッピーマニア』の連載を知ったときには興奮しました。

まず感心したのが、主人公シゲタの40代になった姿に違和感なく納得させられたことです。シゲタの友人フクちゃんをはじめ、登場人物みんなが年をとり、肩書きや環境は変わっていても、『ハッピーマニア』の頃のキャラと一貫性があるというか、彼らのその後として自然に受け入れることができました。

シゲタの突拍子もないテンションはそのままですが、悲しいかな、若く独身だった頃と比べて打たれ弱くなっているところが切なくもあり、リアルです。
できれば幸せな結婚生活を送っている話が読みたかったところですが、『ハッピーマニア』の頃はシゲタにぞっこんだった高橋が、まさかの他の女性に心移りするという展開に、読んでいるこっちまで心が痛みました。
フクちゃんとヒデキの夫婦までもが別居状態で、結構シリアス路線です。

単純に順調な結婚生活にしなかったところは安野モヨコ作品らしいと思います。
今作でも様々な男女の思惑が描かれ、世の中の風潮とか、人間の心理に対する洞察が鋭いのはさすがです。
そして、登場人物も、作者も、おそらく読者も年齢を重ねている分、ちょっとダークで重みが増しているような気がします。

後ハッピーマニア
7

続編

安野モヨコの名作『ハッピーマニア』の続編が、18年ぶりに連載を開始し、コミックスになって戻ってきました。当時見ていた方も、今から見る方も、どちらも楽しめる内容になっています。主人公の『シゲタ』はかなりの恋愛体質で、恋がしたい、恋愛がしたい、彼氏がいてもついつい乗せられ浮気してしまう、スキがあれば浮気をしてしまう、などとどうしようもないのです。一方、そんなシゲタにぞっこんな『高橋』。前作で一波乱も二波乱もありながらも、シゲタと高橋は結婚したのです。今回の続編は、その後の続きから始まります。時も過ぎ、40代になり、歳をとったシゲタ。反対に、あまり変化のない高橋。ある日、シゲタは高橋から唐突に「好きな人ができたから離婚してほしい」と告げられてしまいます。「ふざけるな!」と叫び散らかし、家出するシバタ。行き着く先は親友の『フクちゃん』の家。フクちゃんも同様に歳を重ね、変化を感じられます。フクちゃんもまた、ラブラブで結婚した夫との関係性に悩んでいました。歳を取り、変化をしている自分たち。若かったあのころとはやっぱり違う、リアルな女の物語を感じることができる、面白い漫画です。