みゆき(漫画)

『みゆき』とは、1980年17号から1984年18号まで『少年ビックコミック』(小学館)で連載された、あだち充による少年漫画である。コミックスは単行本が全12巻、サイド版が全5巻、文庫版が全7巻刊行され、2020年4月の時点で累計発行部数は2,500万部を超えた。物語は主人公の若松真人(わかまつ まさと)が、血の繋がらない妹若松みゆき(わかまつ みゆき)と同級生の鹿島みゆき(かしま みゆき)との間で、揺れ動く心の様を描いたラブコメディである。本作は1982年に「第28回小学館漫画賞」の少年少女部門を受賞した。テレビアニメは1983年3月から1984年4月まで放送され、若松真人の声を鳥海勝美、若松みゆきの声を荻野目洋子、鹿島みゆきの声を鶴ひろみが担当した。またこのアニメでエンディング曲になったH₂Oの『思い出がいっぱい』は大ヒットとなり、1980年代のスタンダードナンバーとして記憶されることになった。実写映画は1983年9月16日に公開され、真人役を永瀬正敏、若松みゆき役を宇沙美ゆかり、鹿島みゆき役を三田寛子が演じた。テレビドラマは1986年8月4日から放送され、真人役を野々村真、2人のみゆきを河合その子が1人2役で演じた。

みゆき(漫画)のレビュー・評価・感想

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みゆき(漫画)
9

あだち充傑作の「みゆき」

あだち充著作の「みゆき」についてのレビューとなります。
若松真人という主人公は、大した取り柄のない人物ではあります。しかし彼には人間味があり、誰からも嫌われることのない裏表のなさが魅力的な人物で、とても好感を持って読み進めることができます。またヒロインはふたりいて、活発で誰からも人気のある妹キャラのみゆきと、ザ・ヒロインであり高身長高学歴美人といったお姉さん系キャラのみゆきのふたりです。その他にメガネモブキャラだけど真っ先に結婚する女友達や、男前だけどすぐボロがでるキャラなど多彩な人物が描かれています。
物語が進むにつれて登場人物も年齢を重ねていき、義妹のみゆきは高校受験を迎えます。また、主人公たちも大学受験に挑むなど、自分の人生にも重ねて共感できる部分があります。単行本では全12巻、ワイド版は5巻で発売されていますが、すぐに読み終わってしまう物語です。
学生時代の恋愛モノとなっており、ご自身の学生時代と重ねてなつかしむこともできますし、まだ若い年齢の方については高校時代や大学時代についてこんな楽しみ方があるのかと、はっとさせられる部分もあります。同級生のみゆきも含めたメンバーでひと夏海の家でのアルバイトをしているところから始まり、同級生のみゆきにフラれたと思った後に義妹のみゆきに会うというところから、もうあだち充ワールドに引き込まれますので、何回も読み返す価値があります。