魂のゆくえ

魂のゆくえのレビュー・評価・感想

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魂のゆくえ
6

スローで不思議な映画で謎めいた世界

イーサン・ホークの独特な世界観を楽しみたくて鑑賞しました。主演のイーサン・ホークはキリスト教会の牧師役。息子が従軍中のイランで戦死、妻とも別居中である彼は、ある日教会に通っているメアリーに頼まれて、夫のカウンセリングを行います。環境保護の活動に身を投じている彼は、妻が妊娠中にも関わらず環境破壊が進む未来に子どもが生まれてくることには絶望しかないと、妻の妊娠を喜ぼうともせず、うつ状態です。そんな彼を牧師としてカウンセリングしていたのですが、そんな努力もむなしく、あるカウンセリングの日、彼は自殺をしてしまいました。以来、牧師本人も環境保全問題に興味を持ち、教会や献金者(環境破壊に加担するエネルギー会社)、経済や政治に反感を抱くようになります。最終的には、彼は教会の250周年のイベントの際に自爆テロを決心し、実践直前だったのですが、メアリーがイベントに来場したことで、考え直します。聖書からの引用が多く、理念もキリスト教的でしたので、日本人には難しいかと思いますが、考え方がぶっ飛んでいて、逆に楽しめると思います。また、イーサン・ホークは表情が暗く、常に自分を戒めている様子が現れており、渋くてかっこよかったです。