イニシエーション・ラブ

イニシエーション・ラブ

『イニシエーション・ラブ』は、乾くるみによる小説。タロットカードの6番「恋人」を題材としたタロウ・シリーズの一作。内容は恋愛小説だが、最後のまさかの展開によりミステリーとも言われており、第58回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作となったほか、2005年版の本格ミステリ・ベスト10で第6位にランクインした。売上は130万部を超えるミリオンセラーとなっている。
同名映画が2015年5月23日に公開。監督は堤幸彦、主演は松田翔太。原作と同じく、1980年代後半の旧静岡市と東京を舞台に恋愛下手の大学生の鈴木と歯科助手のマユの出会いを描く「Side-A」、遠距離恋愛を経て彼らの関係が終わるさまを追う「Side-B」の2部構成でつづられる。映画は堤幸彦が『天空の蜂』と合わせて第40回報知映画賞監督賞を受賞した。
小説では各章のタイトルは、小椋佳の「揺れるまなざし」など、それぞれの内容を象徴する曲名が付けられている。また原作小説のカバーには「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、全く違った物語に変貌する」と注意書きがあり、「読み終わった後はもう一度読み返したくなる」と言われている。

イニシエーション・ラブのレビュー・評価・感想

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イニシエーション・ラブ
7

前田敦子の圧倒的可愛さ

「トリックが仕掛けられている」と書かれて始まる映画。イニシエーション・ラブは映画を見る前に文庫本を読んでいたのでトリックは知っていました。なので楽しさは半減です。原作を読んだことのない人は原作を読まないまま映画を見た方が楽しめる作品です。
肝心の映画は1980年代を舞台とした映画であり、繭子(前田敦子)とたっくんのラブストーリーとなっています。前半は波風立たないのであまり面白みはないです。繭子の可愛さを存分に味わってください。繭子の可愛さは純情なのか、それとも裏があるのか。疑心暗鬼になりながら楽しめる映画です。
ここからネタバレになります。
後半になりたっくんが痩せてかっこよくなり、演者俳優も松田翔太になります。たっくんが都会に転勤になり、都会の色に染まって繭子から心が離れていく、心が離れるだけならまだしも、妊娠した繭子に堕胎をすすめます。つきあい当初はたっくんが繭子にベタ惚れだったのに、立場は逆転していき、二人は別れてしまいます。そんなありきたりなラブストーリーかと思いきや、最後の15分で大どんでん返しがあります。
たっくんは2人いたのです。繭子は最初に付き合っていたたっくん(松田翔太)が東京に転勤になってから違うたっくんとも付き合っていたのです。どちらも「たっくん」と呼ばれていることや、時系列がバラバラになっていることから、すっかり「トリック」にはまっていました。
映画のタイトルの「あなたは必ず2回観る」の意味が分かる映画です。