メイドインアビス / Made in Abyss

メイドインアビス / Made in Abyss

『メイドインアビス』とは、つくしあきひとによる日本のファンタジー漫画作品である。
作者のつくしあきひとは、ゲーム会社でデザイン等を行い、その後フリーのイラストレーターとなっている。本作品にもその経験が活かされ、ファンタジックな美しい背景やイラストが特徴である。
物語はアビスという大穴を冒険する様子が描かれている。主人公リコは人造人間のような見た目のレグと出会い、母を探しながら大穴の奥底に眠る秘密を探っていく。
美しい背景や可愛らしいキャラクターデザインとは裏腹に物語の内容は重く暗いものである。この事に関して、作中のレグの言葉を引用し「度し難い」と表現されることが多い。
テレビアニメは2017年、2022年に放映された。テレビアニメの総集編として、劇場版2019に前編『メイドインアビス 旅立ちの夜明け』、後編『メイドインアビス 放浪する黄昏』がそれぞれ公開された。2020年には新作劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』が公開された。

メイドインアビス / Made in Abyssのレビュー・評価・感想

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メイドインアビス / Made in Abyss
8

少しグロいがそこがまたいい

私は原作を読んでいないため、アニメのみのレビューとなる。
できる限り内容のネタバレをしないよう心掛けるので、これからアニメを見る人の参考になれば幸いだ。

まずアニメの話数について。1期「メイドインアビス」は全13話、2期「メイドインアビス 烈日の黄金郷」は全12話である。劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」1作品、総集編「旅立ちの夜明け」「放浪する黄昏」の2作品(前・後編)と、おまけとして「マルルクの日常」がある。

見る順番としては、1期→総集編→劇場版→2期がおすすめだ。
総集編はアニメでは尺の都合上カットされてしまった原作の一部が見れるので、そういうのを求めていた方はぜひ見てほしい。

次にこのアニメを見るにあたっての注意点だ。
まず、レビューのタイトルにもある通り少しグロいシーンがある。そういうものに耐性が全くない人にとっては少しキツいだろう。だが、急に首が飛んだり、手足が切り離されたりすることはない。
そのため、グロいシーンが来る前に少し前兆があるため、目を細めながら見たり、そのシーンだけ目を瞑ってみたりして対処してほしい。

最後に個人的に好きな話数だけ紹介するので、そこまでは見るなどの指標にしてほしい。
私が特に好きな話数は、1期なら第8話、2期なら第12話が特に好きだ。

それでは、このレビューを見た方によきなれはてライフがあらんことを。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

アビスの呪いと祝福...アビスは人生そのもの?

この作品はアビスと呼ばれる謎の大穴で繰り広げられる冒険譚だ。アビスにはいくつもの遺物と呼ばれる宝が眠っており、人々はこぞって大穴に潜っていく。
しかし、アビスには避けて通れない「上昇負荷」という障害がある。上昇負荷はこの物語に欠かせない要素の1つだ。
アビスに潜るのにはなんら負荷はかからない。しかし、そこから少しでも上がろうものなら、人体に様々な悪影響があるのだ。それは、上昇負荷(アビスの呪い)と呼ばれるもので、深く潜れば潜るほど強くなっていく。「なれはて」と呼ばれる人外になったり、確実に死に至る。

メイドインアビスは主人公のリコとレグは、最下層で待っているであろうリコの母親ライザに遭うことを物語の主軸としている。つまり、この冒険は決して引き返すことのできない、片道切符なのだ。
加えてアビスには危険な原生生物がたくさんいる。とても生半可な気持ちで挑むものではない。
だから、ゆるふわなビジュアルに反して、残酷でえぐい描写が多い。作品にしばしば出てくる言葉でいうなら「度し難い」というべきだろうか。
アビスはしばしば、人生に例えられる。日々、何かに挑み、煮え湯を飲まされ、ときに人生を狂わせるほどの代償を払うことになる。それは子供だろうと同じだ。
あどけない子供たちがひどい目にあうのだから心がなお痛むし、突き刺さる。

そんな呪いに対し、アビスには祝福も存在する。
ナナチはなれはてではあるが、人体実験により、祝福を受けた希少な存在だ。ナナチは他のなれはてとちがい、人間らしい知能や感情も残っているし、上昇負荷の原因であるといわれている「力場」を読むことができる。つまり、呪いにあらがう力を手に入れているのだ。そのモフモフな見た目は、とても愛らしくレグの癒しにもなっている。
癒し要素やギャグをたくさんおりこまれているので、たいへん親しみやすくなっている。

そんな『メイドインアビス』は、作りこまれた世界観と人間模様と多くの謎があいまって、魅力的なハイファンタジー作品に仕上がっていると思う。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

機械少年と少女が挑む過酷な世界での心えぐる冒険譚

可愛らしいタッチの少年と少女が、奇妙奇天烈な生物や植物に出会い、驚きや感動を得る、わくわく、どきどきのよくあるストーリーだと思って見始めた方は全員裏切られただろう。
何と言ってもこのアニメの凄いところは、幼気な少年少女、そして大人までもが巨大な生物に容赦なく食べられたり、毒を浴びて血を吐いたり、挙句の果てには体が風船のように膨らんで弾けるようにぐしゃっと体がバラバラになるといった、目を覆いたくなるようなグロテスクな描写が幾度となく出てくるところだ。
話としては、とある島の中央に「アビス」と呼ばれる巨大な底知れぬ縦穴が広がっており、日々その縦穴に魅せられた探窟家が未知なる世界を解き明かそうと奮闘する姿を描いたもの。そしてアビスで見つかる人智を超えた技術で作られた「遺物」を求め、命がけで挑んでいる世界なのだ。人はアビスから地表に上がろうとすると、その深さの階層に応じて、アビスの呪いと呼ばれる上昇負荷がかかり最悪死に至るため、上に戻るのは容易ではない。
その恐ろしくも人を惹きつけてやまないアビスのほとりに住む見習い探窟家である孤児の少女リコは、記憶を失った人型の機械少年レグと出会う。ある日、優秀な探窟家であった母親の白笛が見つかり、リコは母を、レグは記憶を求めてアビスの深層に挑む。木々が逆さまに生えている森や、巨大で狂暴な生物など、リコとレグは様々な地形や生命体に出会っていく。
そんなアビスの中で出会う他の探窟家達や生き物との切なくも胸に刺さる物語も魅力的だ。それぞれに痛みと失望を味わいながらも、願いや希望を胸に深層を目指していく2人。リコとレグがこの先どんな見知らぬ生物や世界に出くわすのか、そして誰と出会うのか。
痛々しい描写を我慢してでも見続けてしまう、何とも言えないスリルと心えぐる切ない物語が他には無い、唯一無二の魅力溢れるアニメ作品である。

メイドインアビス / Made in Abyss
9

気が付いたら世界観に引きずり込まれているアニメ

このアニメの世界には秘境の大穴とも呼ばれる「アビス」という巨大な縦穴が存在する。さまざまな不思議な生物が生息し、貴重な遺物も眠っている。人々はそんなアビスに魅了され、幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは「探窟家」と呼ばれるようになった。
孤児であるリコは偉大な探窟家の母のようになり、アビスの謎を解き明かすことに憧れていた。そんなリコはとてもかわいいが、好奇心旺盛でやりすぎてしまうことも多々あるので、見ていてドキドキする。
あるとき、探窟中に少年の姿をしたロボットを拾ったリコ。そのロボットが良い意味でロボットらしくなく、むしろリコより人間らしい。その後、母からの手紙を追ってロボットとともにアビスへ冒険にでかける。しかしアビスには「上昇負荷」という呪いがあり、その呪いが下の階層へ行くにしたがって残酷なものとなっていく。
かわいらしい絵柄のアニメだが、かなりきつい描写があり、目をそむけたくなるような場面もあった。このアニメは終始ドキドキが絶えないので、絵柄でこのアニメを避けようとしている人がいたら気にせず見てほしい。いろんなことを学べるアニメなのだ。
また、キャラクター一人ひとりがかわいく、細かな設定があるので、どのキャラクター目線からでも物語が楽しめる。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

みんなそのビジュアルに騙される?一度見たら引き返せない神作!

こちらの作品ですが、一言で言うと「グロい」です。しかもR指定がついてしまうほどに、です。
ビジュアルだけ見ると「ほのぼのライフな物語なのかな?」と思い、つい手を伸ばしてしまった人がそのビジュアルと内容のギャップに衝撃を受けた…なんてことは数知れず。
油断して見ると本当に心えぐられる作品です。
では、それなのにどうしてこんなにも話題になり、人気の高い作品なのか…それは物語の世界観の設定がかなり複雑で謎も多いからです。その謎の回答を知りたくて見続けている人もいるほどです。そしてなにより、とても魅力的な登場人物が多く、それぞれの過去の背景や抱えているものなどが複雑に絡み合い、物語をさらにおもしろく演出してくれています。
私がこの作品を見たときは、「見始めるととまらない、とはこのことを言うのだな」と思ったほど、物語が進めば進むほどにその世界観に引き込まれ、登場人物たちに心を移して一喜一憂し、涙なしでは見れない作品です。
漫画作品も最高ですが、アニメ版もクオリティが高く、声や音がある分生々しい表現に拍車がかかっており、漫画作品のファンであれば必ずアニメ版も見てほしい完成度となっています。
悲劇的な、でも謎が多く好奇心をくすぐられる、そんな作品を好きな人には特におすすめな作品です!

メイドインアビス / Made in Abyss
8

未知への憧れは止められない『劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」』

主人公たちとボンボルドとの対決では、近年稀に見る恐ろしい敵キャラとの戦いが描かれています。何が恐ろしいかというと彼は自分自身が恐ろしい人物だと感じていないという異様なふるまいをし、周囲にとっては残忍としか表現できない行動を自然なことだと思っている点です。自分を正常だと思い込むことで、ネジが飛んでいると思われるような行動をとることは、まともな感性を持っていない証拠ですよね。主人公のリコもそれに近い何かを内に秘めているように描かれていることから、探究心が人を狂わせることを示しているのだと思われます。

R15+での公開となった本作は、ハードな描写を繰り返します。秘境の大穴の全貌はまだ見えていません。苦しい思いをしながら未知の世界を目指す主人公たちには、これ以上の試練が待ち受けているのではないかと思わされます。しかし、それでも彼らは未知の探究を続けようとし、冒険への憧れを失っていないところが熱いですね。苦難の中にある楽しさやワクワク感に興奮し、探険家としての自己実現を果たそうとします。人はどれだけ苦しい思いをしても、未知への憧れや興味を閉ざすことはできないのでしょう。

今作では、未知への憧れや冒険への向かう姿勢を忘れず、主人公たちの探求する姿を描くことで、人間が持つ素晴らしい可能性を思い起こさせてくれます。冒険感とスリル満点のストーリー展開に加え、主人公たちの意志と熱意によって見る者の心を熱くさせる本作は、必見です。
ただしR15+ということは付け加えておきます。グロい表現もあるため、人を選ぶかもしれません。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

リコの探検家の人生

中心に大穴がある大きな島。その大穴の頂上に町があり、主人公のリコはそこに暮らしていた。リコは探検家であり、大穴にあるアビスに挑む。
ある日、探検していたら、メイドインアビスの大きな怪物に襲われそうになり、必死に逃げた先に何らかのビームが飛んでいき、そのビームが怪物にぶつかり怪物は逃げ去った。ビームが飛んできた方向に向かうと、そこには機械にような人間のようなわからないロボットらしき物を見かけた。ここが、レグとリコとの出会いだった。

ある日、アビスの奥深くから遺物とリコの母ライザからと思われる手紙が届いた。そこには「奈落の底で待つ」というメッセージが書いてあり、この手紙を見たリコは、レグと一緒にアビスの深層へ行く事を決心したのである。大穴のアビスには、アビスの呪いというのがある。アビスの呪いとは、上昇負荷である。上昇負荷は深度が深ければ深いほど負担が強くなってしまう。その原因は、アビスの内部にある特殊な力場。その影響で体の負担がかかってしまうのである。
深層に行けば行くほど、上がるときの上昇負荷が強くなる。そのためリコが母の元に行けば、もう戻ることはないと思われる。リコはそれでも、レグと一緒にアビスの深層を目指すのである。

メイドインアビス / Made in Abyss
9

物語後半からがらっと印象が変わるアニメ

巨大な穴が空いた町が舞台で、主人公リコと仲間のレグで未知の穴の底へと冒険していくストーリー。

まず、舞台とキャラクターの設定が面白い。
探検家のリコとレグは底の知れない不思議な穴の中を進んでいく。しかも底に進めば進むほど戻れなくなるという制限もあり、見ている側は物語が進むにつれワクワクと不安がよぎる。可愛らしいキャラクターデザインと絵柄で、冒険を応援しながらリコとレグの2人やり取りを見るのだけでも楽しい。

だが物語後半からグロテスクさと壮絶なストーリー展開で「これまで見ていたのはなんだったのか」と思うほど重たい気持ちになっていく。冒険もどんどん厳しいものになっていき、リコとレグは生死の境に直面することになる。
しかしここで、新たなキャラクターであるナナチが登場する。正直、リコとレグだけでは不安しかない冒険になっていたのだが、穴に住んで生活しているナナチと出会い、新たな知識、道具、戦闘方法を学びよりたくましくなっていく。

この物語は王道なアニメと違い、どんどん仲間が増えていくわけではないため、終盤でようやく強力な仲間が増える。しかもその見た目と性格は誰もが虜になるようなキャラクターなので、ナナチが現れたところから物語は格段に面白くなっていく。
3人での冒険が始まる、というところでアニメの第1期は終わり、映画へと続いていく。先が気になる終わり方だが、見ているものとしては最高の終わり方だった。

メイドインアビス / Made in Abyss
10

絵で判断してはいけない

見た目はかわいい日常系アニメなのですが、内容はとてもグロテスクです。血や虫などの演出が苦手な人にはおすすめ出来ませんが、大丈夫な方にはぜひ見てほしいです。
私が面白いと思う3つの要素があります。
1.見た目と内容のギャップがすごいので飽きることはないです。かわいい絵とグロテスクなシーンが混ざって脳がバグる感覚が新しいです。
2.ストーリーのテンポの良さ。ストーリーは、アビスという地上にできたでかい穴を旅する、刺激がなさそうな、グダグダしそうな内容なのに穴の深くまで行けば行くほど戻る時のペナルティが大きくなる、この設定で常に緊張感のあるストーリーになっています。主人公は穴の最下層を目標に旅をします。下へ行けば行くほど帰って来れなくなるので、旅の途中で出会うキャラクター達と二度と再会することができない悲しさや辛さをよく表現できています。
3.キャラの個性がよく出ていることです。一期一会な展開が多い作品ですが、旅の途中で出会うキャラクター達はみんな個性があるので、あなたのお気に入りのキャラクターが見つかるかもしれません。この作品は、第2期までの計26話と、映画が1本あります。見る順番は1期→映画→2期です。原作は色使いが綺麗なのでぜひチェックしてください。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

画風に抵抗ある人も一度は見てほしいアニメ

このアニメの魅力は設定の面白さである。
主人公達はアビスと呼ばれる大きな縦型の穴を探索する探検家。
アビスには未知の原生生物がおり、探索は危険を伴う。
しかし貴重な資源やオーパーツの様な遺物があり、探索する価値がある。
そしてアビスの最も特筆すべきは上に昇ることで身体に起きる「上昇負荷」である。
「上昇負荷」は軽いもの頭痛や吐き気だが、重くなると最悪死に繋がる。
つまり探索家は地上の生活に戻れない覚悟を持ってアビスを探索しているのだ。
この魅力的だが一度入ると戻れない可能性がある危険な穴に挑めるだろうか?
保守的に考えると現在の生活を捨て、挑もうと考える人は少ないと思う。
しかし人生を生きることもアビスを探索することに通じるのではないかと感じる。
人生は時間という戻すことのできない旅であり、保守的に生きていては何かを得ることができないのではないか。
アニメの中で主人公たちは探索を通し、色々な出会いを経験する。
その中で成長し、多くの成果を得ているように感じた。
画風は可愛い感じなのでそこに抵抗がある人も多いかもしれない。
しかしある程度経験を積み、人生について考える機会が多い20代後半から30代40代に見てほしいアニメである。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

深淵(アビス)へ挑む少年少女たちのスペクトラム冒険譚

ゲーム会社コナミの元イラストレータであるつくしあきひと氏が美麗に描き上げた『メイドインアビス』。
年2回程度の不定期連載でありながら、アニメ2期放送、映画化、さらにはゲーム化もなされるなど、根強い人気をもつファンタジーマンガである。
過去の勤務経験が生かされているのか、アビスに現れる怪物たちはいずれも恐ろしいながら魅力的な見た目をしている。
孤児院に暮らす主人公・リコは、探窟の最中命の危機に見舞われたところを、人間そっくりのロボット・レグに助けられる。
その後、大物探窟家である母・ライザから「奈落の底で待つ」と書かれた封書が孤児院に届くと、リコは行方知れずの母親に会うために、そして、レグの正体を知るために、危険だとされるアビスの深層に潜っていく。
アビスと呼ばれるこの物語の舞台は深い深い縦穴で「遺物」を多く持つことから、何人もの探窟家が挑んでいる。
この蠱惑的な空間では、さまざまな困難によって行く手が遮られる。
恐ろしい魔物、上昇負荷によるめまいと吐き気など通称「アビスの呪い」。
待ち受ける苛烈な運命と、たくさんの人やモノとの出会いで物語は深度を増していく。
絵本のような美しいカラーの表紙と、繊細な絵はぜひ電子書籍の大きな画面で見てみてほしい。
また、特筆すべきはカバー裏のおまけ。見る人を選ぶものの、つくしあきひと先生のキャラクター愛のつまった絵を見ることができる。コミックスならではの遊び心も楽しみたい。

メイドインアビス / Made in Abyss
9

世界観がすごい!冒険ファンタジーアニメ「メイドインアビス」の見どころをご紹介!

「メイドインアビス」はコミックマンガで連載されたファンタジー漫画がアニメ化された作品。
直径1,000mを超える巨大な穴「アビス」を舞台とし、探窟家を夢見る主人公の少女「リコ」と、謎の少年型ロボット「レグ」が、アビスを舞台に冒険をしていく物語だ。
アビスは穴の奥に進むほど「アビスの呪い」で体に大きな負担がかかり、深くなると命を脅かされるだけでなく、
アビスの呪いで別の生き物の姿になってしまう。
ジブリを思わせるような素晴らしい世界感と絵本のような可愛らしいキャラクター、そしてそんな映像からは想像できないほどの卑劣で残酷なストーリー。
そのギャップもこのアニメの魅力である。さらに、冒険を続けることで出現する数々の不思議な生き物たちも、観るものを魅了する。
ストーリーが進むことでリコとレグにできる新しい仲間たち、さらに異常で残酷な大人たちと、個性豊かなキャラクターとの関わりもストーリーを面白くさせている。
多くの謎に包まれた「アビス」の世界と「リコ」「レグ」の過去が徐々に解明され、物語が進むにつれてアビスの世界に引き込まれていくようなアニメだ。
世界観・ストーリー・キャラクターデザイン、そして音楽や背景まで、どれをとっても素晴らしい。
普段アニメをみないという人でも魅了される、大満足のファンタジーアニメである。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

完成された壮大な世界観とリアリティのある絶望感、人を選ぶ作品。

可愛い絵柄に侮ることなかれ。
彼女達の冒険譚は他作品では味わうことのできないような希望と絶望に満ちた混沌としたものである。
全てが何もかも上手くいく、勧善懲悪、ハッピーエンドといった美しい物語ではなく、メリーバッドエンドと呼べるような展開が多い。
しかし、現実にも綺麗なハッピーエンドなど存在しないように、光があれば闇もある。
それを如実に表現した作品であると思う。
主人公の少女と少年型ロボットによる冒険が何を生み、どう影響していくのか目が離せない作品になっている。
普通のハッピーエンドが物足りなくなった人やご都合主義展開に飽き飽きしている人にこそ見て欲しい。
また、ファンタジー溢れる世界観により現実ではありえない美しい自然風景や奇形の怪物、不思議なアイテムなど、様々な要素があるが、
どれもこれもその場限りのものではなく、全ての要素が伏線かと思われるほどに細かい要素が後々響いてくる。
作者の中で完成された世界観が頭にないと難しいほどに綺麗に伏線を回収してくれる(時に読者が伏線に気付かないほど)ので、非常に見応えのある作品になっている。
ただし、作中での表現にはかなりグロテスクなものもあり、2020年1月に公開された映画「メイドインアビス-深き魂の黎明-」はR15+となっているほど。
画面のインパクトは当然のことながら、ストーリーの展開もなかなかに鬱々としたものもあるため、かなり人を選ぶ作品であることには間違いない。
自己責任での視聴、購読をオススメする。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

アビスの呪いと母親探し

メイドインアビスは、壮大なファンタジーです。
主人公のリコは「白笛」と呼ばれる栄誉ある探窟家・ライザの娘ですが、ライザが「ラストダイブ」を決行した後孤児院に預けられ、探窟家見習いとして過ごしています。(ラストダイブとは、リコたちが住む街の大穴「アビス」の深淵に発掘に行くことですが、アビスから街へ帰って来るときに呪いを受け、その深淵から帰って来ることは不可能だと言われています。)
そんなある日、アビスからライザの手紙が届き、リコはレグというロボットの少年と一緒にアビスの深淵を目指すことになります。
アビスは、アビスの呪いだけでなく、たくさんのモンスターがいてかなり危険な場所です。
命がけの冒険となり、グロいシーンがたくさんあります。それが苦手ではないなら、自信を持ってオススメできる作品です。
アビスに関わることで人生が変わってしまった子供達や、アビスに潜って研究をしている白笛たちとのやりとりがとてもアツく、話もまとまっていてかなりテンポよく進むので、アニメを通しで見ても飽きないと思います。
リコたちが冒険を進めるにつれて残酷な謎が出現したりして、ダークな部分もありますがとてもおもしろい作品です。
何よりアニメの後半で登場するナナチというもふもふした獣人のような見た目の女の子が可愛いです。
アニメの雰囲気は、緊迫する場面は多々あるものの少年少女らしいほのぼのとしたギャグシーンもあるのでつかれることなく完走できます。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

生と死、欲望と闇が渦巻くダークファンタジー

本作のキャラクターデザインは3~4頭身と可愛らしく、主人公は12歳の幼い少女。キッズ向けアニメ作品と誤解されるかもしれませんが、キャラクタービジュアルからの予想を大きく裏切る、生と死、欲望と闇が渦巻くハードなストーリー展開。作りこまれた骨太な設定と描写のダークファンタジーに引き込まれること間違いなしです。
描写が過酷であればあるほど、その挑戦はより尊く、冒険で未知の世界を探求する楽しさを教えてくれます。残虐な描写というリスクのある挑戦をしっかりと描き切ったからこそ、子供たちの互いを思いやりながら進む姿がより際立ち、胸をうつ作品となっています。
舞台は、地球によく似た惑星。およそ1900年前、南海の孤島に直径約1,000メートルの巨大な縦穴「アビス」が発見される。地上には存在しない遺物や生物が見つかり、その謎に魅せられた「探窟家」が続々と唯一の秘境であるアビス探索に挑むようになります。
アビスの淵周辺に栄えるオースの町に住む少女リコは、探窟家を目指し修業中の身。夢は、かつてアビス深部に消えた母親ライザの消息を追うこと。そんなある日、リコは第一層探窟中に機械の体を持つ少年レグと出会うのですが、彼は自分が何者でどこから来たのか、記憶を完全に失っていました。リコは母親を探すため、レグは自分が何者かを知るため、生きて戻れぬ深いアビスへと潜り込んでいくことを決意します。
私の推しキャラは、「んなぁ~」が口癖のナナチです。アビスの第四層で出会う、全身がモフモフでウサギの耳のようなものがついた姿のキャラクターです。可愛い容姿は人体実験の結果なのですが、この話は何回見ても涙があふれて止まりません。
綺麗な映像はさることながら、映像に引き込まれる表現方法が面白いと思います。例えば、荒々しいタッチのシーンがあるかと思えば、動きのない1枚絵のイラストを入れることにより、ある種の願いとして強く訴えかけるなどの演出面での工夫が感じられます。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

幼い子供たちが、危険に満ち溢れた大穴を探検していく物語

メイドインアビスの魅力は、残酷な現実に立ち向かう部分と戦闘シーンです。
この漫画には残酷はシーンが多数あり、その避けられない現実に対して真っ向から立ち向かう主人公たちが描かれています。
特に印象に残っているシーンは、主人公リコがタマウガチに攻撃され毒を受けてしまったシーンです。
タマウガチの針により左手に毒を受けたリコは、毒の進行を止めるために腕を切り落とす必要がありました。
通常の選択は肘の関節部分を切り落とすというものですが、リコはそれを選択せず上腕部の骨を折り、折った部分から先を切り落とすという選択をしました。
リコがこの方法を選んだ理由は、肘から先が残っていた方が今後の探窟で出来ることが多いから、というものでした。
12歳の少女がこのような選択をすることに驚きましたが、どこか現実的で夢に向かう熱意のようなものを感じたため印象に残っています。
戦闘シーンはレグとボンドルドの戦闘にメイドインアビスの魅力が詰まっていると思います。
ボンドルドとの戦闘は、探窟家として最高位である白笛の戦闘能力を初めて描いた場面であり、その人間離れした戦闘技術を躍動的に描いていました。
またボンドルドの装備も非常に魅力的で、まるで男の子がカッコいいと思うものを集めているようで、印象に残っています。

メイドインアビス / Made in Abyss
9

メイドインアビスが面白い

本レビューはネタバレを含みます。ご理解の程よろしくお願いします。
メイドインアビス、と言う作品をご存知でしょうか?
緻密な設定と背景で絵本の様な不思議な世界観を楽しめる作品です。
簡単にストーリーを説明します。物語はアビスと言う人類最後の未到の地を舞台に展開されます。アビスとは日本語に訳すと奈落。その文字通り巨大な縦穴で主人公達が下へ下へと降りていく物語です。
登場人物は主人公の幼い少女リコと機械の少年レグ。途中からフワフワの獣人のような可愛いナナチが加わります。
幼い少年少女と可愛いマスコットが織りなすハラハラドキドキの不思議な子供向け冒険活劇。と、初見の時は思いました。実はそうでは無いのです。少年少女と人間で無くなってしまった子どものナナチが幻想的で死臭の立ち込めるアビスの中を確実に死ぬと知りながら未知への憧れを胸にひたすら前に進み続ける。と言うかなりハードな物語です。毒に侵された少女の腕を切断しようとする場面や少年の腕が切り取られる場面、少女の穴という穴から血が吹き出す場面等はまだ序の口。少女が意識のある状態で体を解体されて内臓と脳だけの状態にされて更に倫理的にかなりキツイ状態になると言う場面があります。
何故、そんな状況が生まれてしまうのか。それはアビスと言う設定にあります。アビスには呪いがあるのです。下に降りていくのは平気なのですが、一旦下に降りて上に戻ろうとすると体に異常が生じてしまうと言う呪いがあるのです。呪いは上の方なら吐き気や目眩程度で済むのですが下に行けば行く程重くなって行きます。具体的には体の穴という穴からの出血、正常な感覚の麻痺、人間性の喪失、最後は確実な死が待っています。更にアビスには動物から植物まで凶悪な捕食者達が日々、過酷な生存競争を繰り広げております。人間はアビスの中では生存ピラミッドのかなり下位の非捕食者に過ぎず、アビスの生物に生きたまま捕食されたり残酷な毒で体の一部を失ったりと人間が生きていくにはあまりにも過酷な状況です。
アビスに挑み続ける人々を探窟家と言います。主人公達も探窟家です。探窟家は主に「遺物」と呼ばれる不思議な力を持つアビスでしか取れない物を求めてアビスの底に挑んで行きます。時に傷つき、倒れ、それでもアビスに挑む不屈の人々。アビスの底に行き着いたとしても、もう戻れず確実な死が待っているのにそれでも進み続けるのは一重に未知への憧れ故に。異常で狂気に等しいまでの未知への憧れ。それが探窟家を駆り立てるのです。
グロやリョナ描写が苦手な方にはハードルが高いかもしれませんがそれも含めた上で見終わった後に美しい作品だと思える不思議な作品です。幻想的な世界観の中にある非情で残酷な生存競争。その中でも確実に死ぬと分かっていながらアビスの底を目指す主人公や他の探窟家達。傷つき、倒れ、多くを失いながら進み続ける彼らの目はいつも未知への憧れで輝いている。そんな物語がとても魅力的でとても面白い作品でした。是非とも一生に一度見ておいて損はないオススメ作品です。

メイドインアビス / Made in Abyss
10

高クオリティな冒険ファンタジー『メイドインアビス』

『メイドインアビス』は2017年に放送されたファンタジーアニメです。簡単にあらすじを紹介すると、南海の孤島に突然現れた正体不明の大穴「アビス」の底を目指して、主人公のリコと機械少年のレグが冒険に出るというストーリーです。
このアニメの最大の魅力は、作りこまれた世界観とそれを彩る作画と音楽にあります。未知の大穴「アビス」には多種多様で貴重な「遺物」と呼ばれる謎の物体や、危険な生物が生息しています。また「アビス」には「アビスの呪い」と呼ばれる、原因不明の現象があります。これは、アビス内で上へ登ろうとすると身体的、精神的な負荷がかかるという制限です。つまり、深く潜るほど呪いは強まり、「アビス」から帰ることを困難にしています。
「アビス」はとても危険な場所ですが、各階層ごとに変化する動植物などの生態系や「遺物」、そして呪いの変化を見るに、かなり作りこまれた空間だということを感じます。「アビス」については未だ明かされていないことが多く、それゆえに主人公のリコたちと一緒に冒険をしているような感覚を味わえると思います。
そんな、魅力的な「アビス」を作り出すのは細かい設定だけではありません。『メイドインアビス』は作画がとても凝っている作品です。しかも、雰囲気にピッタリマッチした音楽もありますので、より一層「アビス」の世界観を魅力的に表現していると思います。
ファンタジー好きの人なら一度見ても損はない、とても完成度の高いアニメです。

メイドインアビス / Made in Abyss
6

良い意味でも悪い意味でも心を揺さぶられる作品です。

アニメをかなり見ていてもメイドインアビスのTVシリーズはもっともオリジナルで面白い作品でした。シリーズが話途中で終わっていたので続編がいつできるんだろうと気になっていましたがTVではなくて映画で続いていたのをつい最近知りました。劇場版総集編の方は少し新たなシーンが足されている様ですがとりあえずこちらを先に観ることしました。TVシリーズがもう大分前だったのでかなり忘れている所がありましたが観ている間に思い出しました。子供たち、と言っても一人は子供、一人は子供型ロボット、一人は子供っぽい生き物、の3人が謎すぎる空間アビスを下って行く話。アビスの実態やなぜそんなに困難な場所にわざわざ入って行くのかはやはりTVシリーズか劇場版総集編を観た方がいいのかなとは思います。この作品の特徴としては可愛らしい登場人物が神秘的な空間を探検して行って時にはとても残酷な目にあう、という感じです。TVシリーズの後半で主人公がかなり大変なことになったのはちょっとトラウマでしたが、それを乗り越えたことで余計に続きが見たくなった気がします。唯一無二な作品だと思いますが万人受けする感じではないのかなとも思います。

メイドインアビス / Made in Abyss
10

アビスの深みにハマると抜け出せません

漫画原作でアニメ化、アニメ映画化された人気作品です。
僕は原作は未読ですが、アニメと劇場版は観ました。アニメ作品はおそらく100作品以上観てきましたが、個人的にトップ3には確実にランクインします。
簡単に言うと、めちゃくちゃでかくてめちゃくちゃ深い、洞窟を縦にしたような穴に冒険に行ったきり帰ってこない母親に会うために主人公の12歳の少女が記憶喪失の少年を連れて穴に潜っていくという話です。
僕がこの作品を好きな理由は主に以下の2つです。
・細かい設定から成るリアルな世界観
・可愛い絵柄と重たいストーリーとのギャップ
まず、世界観についてですが、このアニメでは「アビス」と呼ばれる巨大な縦穴が主な舞台となります。
このアビスの設定がワクワクしてたまりません。
・直径1kmのでかさで、深さは未だ解明されていないほど深い
・深度によって様々な環境がある(森、断崖絶壁、海など)
・地上では手に入らない「遺物」の存在と、大昔の人間の痕跡
色々ありますが、一番この作品を面白くしてると思うのは「アビスの呪い」です。
アビスを底へ向かって下っていくぶんには問題ないのですが(物理的な障害だけ)、
地上へ向かって登ろうとするとアビスの呪いというものを受けます。深度が深いほど呪いは重くなっていきます。アビスの浅いところから地上まで登るぶんにはめまいや吐き気程度で済みますが、深いところでは数メートルの上昇が命に関わってきます。具体的には身体中から血が吹き出たり、醜い化物に変わり果ててしまいます。ある一定の深さより下ると二度と生きて地上に帰ることはできないということです。
完全に片道切符で戻れないことが確定している冒険に12歳の少女が挑むというところに悲しさを感じるし、
ストーリーがぐっと重くなります。
そして、絵柄とストーリーのギャップもこのアニメの特徴です。キャラクターデザインは頭身が低く、ぷにぷにした可愛い感じになっているのですが、そんなキャラクターが思いっきり血を流したり、絶叫するような展開になっていきます。そういったわかりやすいグロ表現もあれば、視聴者の精神をえぐるような残酷で悲しい展開もあります。僕はグロや過激な表現にそれなりに耐性があると自負していますが、この作品は視聴しながら目を覆ってしまうシーンもありました。
しかし、そういった表現は一部のマニアを喜ばせるためだけに用意されたものというわけではなく、リアルな冒険の過酷さを容赦なく伝えており、その困難を乗り越えるからこそ母親に会いたい、アビスの真相を知りたいという主人公の意思をより際立たせることに繋がっています。ストーリー上とても意味のあるグロ表現だと思います。
また、それ以上に感動のシーンもあるのでかなり泣けます。
絶望と希望、冒険と止められない憧れ、萌えとグロと涙、すべてが詰まった最高のアニメです。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

常に刺激的

一見とてもかわいいアニメイラストになっていてとても平和なアニメかなと思って最初見ていましたが、後から衝撃的な展開が連発して絵柄とアニメの内容のギャップがすごいです。はっきり言ってグロテスクです。でも全体的な内容は家族と仲間について考えさせられる冒険ストーリーです。
ジャンルとしてはダークファンタジーですが人を思いやる家族を大切にする。登場人物人物の心情がとてもストレートに作品では描かれています。またバトルアクションもとても豊富で魅力的です。主人公のリコという女の子とある時偶然出会うレグというロボットがリコのお母さんに会うために冒険をするのですがそこにたくさんの苦難が待ち受けています。その苦難を少しずつ乗り越えていきその冒険で出会う仲間も共に冒険していき少しずつ前へ進んでいく物語です。
この作品は主人公だけではなく他の登場人物の過去の苦境や心情についてとても深く掘り下げでいくので最新話が出る度に毎回驚きと感動を与えてくれます。先ほども言いましたがとてもグロテスクなアニメです。内容もどちらかと言えば暗い方です。しかし登場人物1人1人のとても暖かい心がすごく伝わるアニメです。過去に映画化もされてて人気のある作品ですので興味のあるかたは是非見てみてください。

メイドインアビス / Made in Abyss
10

未知なる大穴に挑む少年少女の出会いと運命が残酷すぎて泣ける

「メイドインアビス」はつくしあきひと作の漫画で、2017年に全13話にてアニメ化された作品です。主人公リコ・レグ・ナナチが謎の大穴アビスの深層を目指す物語で、今回の劇場版はアニメ版のその後にあたります。可愛い絵柄と可愛いキャラクターが特徴の作品ですが、実は大変に恐ろしい物語です。さらなる深層に潜るため、ナナチに「祝福」を与えたボンドルド卿と主人公たちは出会います。しかもボンドルドは自分の娘・プルシュカを紹介し一晩の休養をすすめるのです。不審に思う主人公一行ですが、プルシュカの強いすすめもありボンドルドの基地で一度休憩をとります。しかし、それがボンドルドの罠でした。レグは拉致され人体実験にかけられ、ナナチはボンドルド卿に再びここで手伝いをするよう、ボンドルドに迫られていました。どうやらボンドルドはまだ目的があるようです。深層を潜れば潜るほど、上昇時に「呪い」がかけられ、死に至るアビス。ボンドルドはその「呪い」の克服のために、自分の代わりとして「呪い」を受け止めるカートリッジを装備していたのです。カートリッジの中身、それはボンドルドに強い愛慕を向ける者です。つまりカートリッジの中身は、人間だったのです。それを知った主人公たちはボンドルドと対決します。ボンドルドは冷酷な人間ではなく、むしろ人類のため、「呪い」の克服のために娘すら手にかける人間でした。カートリッジに詰め込まれたプルシュカは、ボンドルドの「呪い」除けのために造られ、最後に死を迎えます。プルシュカの強い冒険への憧れは、カートリッジとして消耗されたのちリコの「白笛」になりました。6層へ降りる時に必ず必要となる「白笛」を手にした一行は、先を目指します。「白笛を作る材料は人間である」「呪いを打ち消すには他人に呪いを押し付ける」「特に愛慕の感情が強いほど、呪いが和らぐ」など、ハードな設定と愛らしいキャラクターの造形、大穴であるアビスの風景などはぜひ劇場で見るべきでしょう。ロボのレグがボンドルド卿と戦うシーンは迫力満点です。人体実験シーンやグロテスクな表現があるため、R15指定となっているので劇場に行く際は年齢に気をつけましょう。

メイドインアビス / Made in Abyss
9

グロ系が得意な人は…

種別で表すなら、ファンタジー系の漫画・アニメです。
主人公は、12歳の女の子「リコ」です。画風も特に幼げに描かれており、設定は12歳ながらも小学生っぽさがかなりあります。舞台は、「アビス」と呼ばれる巨大な縦穴を、踏破していくストーリーです。
主人公をはじめとして、アビスを探索し、その恩恵にあずかる職業を「探屈家(たんくつか)」と呼んでいます。彼らはアビス内にある(発掘される)摩訶不思議な道具、いわゆるオーパーツ的なものを取ってくることで生計を立てています。母親が一流の探屈家である主人公は、その消息を求めてアビスの地下深くへと探検を開始します。途中、主人公をはじめとして、人間が奇形に変化したり、腕がモンスターに食われたりと、かなり衝撃的な描写が続きます。一方で、その光景はどこか芸術的で、世界観の広さや壮大さを感じさせます。
主人公に同行するのは、正体・出自不明のロボット「レグ」です。男性型であり、見た目はリコと同い年ぐらいの人間に酷似しています。アビスの探索を困難にしている大きな原因として、「上昇負荷」作中では「アビスの呪い」という設定があります。地下へもぐることはできるものの、ひとたびそこから上昇すると心身に異常をきたします。その程度は、深ければ深いほど大きなものとなります。
様々な困難に打ち勝ちながら、力強く底を目指す冒険作品です。

メイドインアビス / Made in Abyss
8

可愛い絵に反して内容がグロイです。

「メイドインアビス」は初めにアニメを見たときは子供向けアニメかと思い、1話見て終了していました。子供向けアニメに間違えるほどとても可愛らしい3等身なキャラクター達ののほほん冒険物語と思っていました。
絵が自分好みではなかったこともあり、あっさり見るのをやめてしまいました。しかし、1期終了後から面白かった!との声をよく聞くようになり「ホントかなぁ?」と半信半疑で改めて1話から再視聴開始しました。視聴終了後には完全に引き込まれて虜になっていました。可愛い絵からは想像もできないグロさでした。ただグロイだけではなく、とても考えさせられるアニメだなぁと感じました。冒険を通しての成長物語が主軸ではあります。冒険には楽しいことばかりではない、辛い・悲しみ・痛みも伴うのだということが表現されているように感じます。一度先に進めば後戻りができないアビスに冒険家として挑戦し続ける彼女たちの勇気に毎回涙します。
絵の感じと内容の衝撃度でいえば、「魔法少女まどかマギカ」のような感じだと思います。あのアニメも衝撃的だったので、少しジャンルは違いますが、衝撃的な作品であることは間違いないと思います。早く続きを知りたいので2期も楽しみです。