重戦機エルガイム

重戦機エルガイムのレビュー・評価・感想

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重戦機エルガイム
8

戦争商人

ガンダム放映からZガンダム放映までの期間に放映されたアニメの一つ。総監督はガンダムの富野由悠季。だが、若手にも任せようとういう試みから、永野護にもいろいろやらせていたという。ロボットもので、服装や、主人公が持つライトセイバー、帝国と反乱軍、ペンタゴナワールドという、5つの星を巡る物語など、スターウォーズを彷彿とせずにはいられない作品だが、フォースのような不思議な力はなく、マシンが徹底的なリアル路線という違いが見どころである。物語は、片田舎から出てきた二人の若者が、数奇な運命をたどり、やがて帝国軍と戦っていくというストーリー。パイロットと書いて「ヘッドライナー」と読んだり、重戦士と書いて「ヘビーメタル」と読ませたりと、随所に富野由悠季節が炸裂している。主人公ダバ・マイロードにはある秘密があり…という内容だが、その他、コミカルあり、恋愛あり、といったあらゆる要素が入っている。一番たまげたのは、戦争商人というキャラクターが出てきたこと。大人になってから見たので、相当たまげた。戦争はだれが起こさせているのか?そんな、現代に通じる問題をこの当時から子供向けの番組でやっていたことに驚く。ちなみに、戦争商人が最近のスターウォーズ作品にでてきたが、それよりもずいぶん早くに日本ではそういったことが描かれており、私の不勉強かもしれないが、勧善懲悪を主体とするアメコミにはなかなかない発想だろう。合理的、資本主義的発想が、そうさせなかったのかもしれない。アメリカの闇を感じる。当時ベトナム戦争真っただ中か終わったあたりか、そういったことが影響しているのかもしれない。個人的に好きなのは、主人公が後に乗り換える、エルガイムマークⅡという機体は、元々帝国軍のものであり、そのときの名前が、アモンデュール・スタックという名前であるところ。この詳細設定が好き。最後まで見ると、なかなかの驚きがあるので、見たことのない人は、ぜひ飽きずに最後まで見ていただきたい作品だ。