サウンド・オブ・サイレンス / Don't Say A Word

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サウンド・オブ・サイレンス / Don't Say A Word
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Don't Say A Wordを観た感想

主人公のネイサンと妻、娘の3人家族は、裕福で仲も良く、理想的な生活を送っている。しかしある日、娘の姿が見当たらなくなる。最初はいつものかくれんぼかと思うが、ドアのチェーンが切られており、これが誘拐であると確信する。犯人は強盗集団で、みるからに強そうな、体格のいい悪党たち。家の中の様子は彼らに見張られており、筒抜けである。犯人集団からネイサンへの要求は、精神病患者であるエリザベスから番号を聞き出すこと。有能な精神科医であるネイサンは、犯人のこの目的のために、計画的に利用されたのだ。家族を人質にとられているネイサンは、この番号というのが何の番号であるのかも分からないまま、何とか聞き出そうと四苦八苦する。ストーリー的には暗いのだが、あまり暗い印象を持たずに観ていられるのは、誘拐されている娘ジェシーが、8歳とは思えないほど冷静で頭がよく、ときおり強盗集団のメンバーを尻に敷いているかのような描写さえ見られるからだろう。全体的に暴力シーンは少なく、あってもサラッとしたもので、グロテスクな描写はない。目の前で父親が地下鉄に轢かれるというトラウマを抱えたエリザベスが、ネイサンとのやり取りを通じて、少しずつ自分の記憶を開放していく様子に心打たれる。