トライガン / TRIGUN / トライガン・マキシマム

トライガン / TRIGUN / トライガン・マキシマム

『トライガン』は1995年から『月刊少年キャプテン』で連載された、内藤泰弘による漫画作品。同誌が休刊したことで、1997年に連載休止をしたが、同年に続編『トライガン・マキシマム』の連載を開始。『ヤングキングアワーズ』にて2007年まで続いた。過酷な自然の中で人々が暮らしている砂漠の星を舞台に、主人公のヴァッシュがガン・アクションを繰り広げる。五つ目の巨大な月に大穴を穿った「フィフス・ムーン」事件後、ショックを受け2年間行方不明になっていた。しかし、相棒のウルフウッドのおかげで再び立ち上がる。

トライガン / TRIGUN / トライガン・マキシマムのレビュー・評価・感想

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トライガン / TRIGUN / トライガン・マキシマム
9

信念を貫くことが、どれだけ重いのか教えてくれる漫画

地球から宇宙へ新たな移民ができる星を求めて向かった宇宙船「SEEDS」。中には人間と、人間の生活を支える「プラント」と呼ばれるエネルギー体が乗っていた。しかし、母船は墜落してしまう。残された脱出ポッドに乗った人類とエネルギー体は近くの星へ不時着。数パーセントは生き残り、150年の月日が流れた。これはそんな星で生きる人間とプラントの物語。

残された人類の子孫、人間と共に降り立ったプラント。苛酷な環境で明日の見えない毎日をそれでも生きる人々。主人公ヴァッシュ・ザ・スタンピードはそんな星を旅する「ラブ&ピース」がモットーの平和主義者です。しかし、賞金首で、行く先々で狙われます。彼の信念は誰も殺さないこと。それは善人、悪人問わずです。彼は信念のためにあらゆる努力をして敵も味方も助けるのです。なぜ自分の命を狙う相手まで助けるのか、なぜ体中が傷だらけになってもその生き方を続けるのか。彼を通して私達は綺麗事のない現実で信念を通すのがいかに大変か思い知ります。何度も葛藤し、何度も相手に引き鉄を引きながら、自身の矛盾を理解しながら、それでも彼は誰も殺さず生きていく。身内から銃口を向けられても。友達とぶつかりながら。

信念を貫くことがどういうことなのか、その一つの答えを自分の目で確かめてみてください。

トライガン / TRIGUN / トライガン・マキシマム
10

未開の地でラブ&ピース

世界観、ストーリー、キャラクター、武器銃器。
あらゆる所で少年心を揺さぶられる作品で、現在まで数多くの作家先生達に影響を与えた内藤泰弘先生作品の中でも、最も力のあるタイトルだと思っています。
主人公はパンチの効いた見た目。荒廃した星の上で毎日命のやり取りをする世界で、ラブ&ピースを本気で信じているお調子者。
凄腕のガンマンで人類史上初の局地災害に指定された賞金首。
この時点で少年漫画が好きな人は興味を持たれるんじゃないかと思います。
不殺を信条にして例え自分が銃口を向けられていても、危機を脱し、相手を殺さずに無力化する。
最初は読んでいてもどういうストーリーか分からないかもしれませんが、二巻、三巻と読んでいくともう抜け出せません。そのままアニメも見てしまいます。見てください。
アニメは原作に追いついてしまった為、後半はアニメオリジナルの設定ストーリーになってます。それも一つの結末として見てもらえると、原作と比較出来て面白いと思ってます。
絵柄はコミカルなギャグパート、アクションが映えるシリアスパートと別れてはいますが、作品の空気感からこの世界の住人は人の生き死にを独特な目線で見ている印象です。
内藤先生の次作「血界戦線」と比べても何一つ遜色はない作品です。一読者としても漫画家を志す人から見ても名作である事は間違いありません。