妄想テレパシー

妄想テレパシーのレビュー・評価・感想

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妄想テレパシー
7

心を読める女子高生と、無表情だけど心はうるさい男子高校生

WEB漫画として連載されたこの漫画、WEB上というデジタルの強みを活かし、紙媒体では印刷費の都合上使いにくい、モノクロとカラーを表現として使い分けた演出が楽しいです。

ヒロインの中野さんは他人の心が視え、それは漫画上カラーで表現され、現実としてキャラクターたちが動く様はモノクロで描かれているため、一目で現実と心中がわかるように表現されています。4コマ漫画の中で現実と心中が同時に描かれるにも関わらずスラスラと読めます。
イケメンとしてみんなに人気のある無表情な戸田くんは、頭の中が中野さんのエッチな妄想でいっぱい。妄想の中の中野さんのあらわな姿がカラーで表現されてしまうわけですが、作者が女性ということもあり良い意味でいやらしくないな、と感じます。もしかすると男性向けのセクシーシーンが苦手な方でも、抵抗なく読めるかもしれないと思います。

作中では「心の声が聞こえる」「視える」とどちらの表現も使われますが、単に思っていることは「聞こえる」妄想など思い浮かべていることは「視える」という表現みたいです。
人の心の声が聞こえることを伝えると気持ち悪がられたり、そうしなくとも相手の考えが聞こえてしまうことでコミュニケーションが苦手だった中野さんが、戸田くんと関わることで少しずつ交友関係を広めていく姿は微笑ましくもあります。