ホクサイと飯さえあれば

ホクサイと飯さえあればのレビュー・評価・感想

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ホクサイと飯さえあれば
8

独特な絵柄で描かれるグルメ漫画

ヒロインの飽くなき食への情熱には好感と尊敬を覚えます。

相棒のぬいぐるみ「ホクサイ」の正体がよくわからず、脳内会話かと思えば他の登場キャラにも声が聞こえている様子。
腹話術かと思えば実写ドラマ版では声が全く違う。
どちらも同じ設定だとすると、ホクサイは一体何者なのか、どうして誰もツッコまないのか。こういう謎があると、つい気になって読み続けてしまいます。

1話目から空き缶で米を炊く。他の話ではミートボールを自作するなど、情熱と節約がすごい。

漫画家を目指して活動し続けていますが、なぜかグルメ漫画は描いていません。この情熱や知識を漫画に活かせば、きっと彼女はプロになると思うのですが…そこは何かこだわりがあるか、担当さんがグルメ漫画はダメと言ったのかな、などと想像もはかどります。

コミュニケーションが下手でありつつ、やたらと絡んでくる登場キャラたちとは結構仲良くなっていたり、担当にお土産をもらって好かれていると勘違いしたり、料理以外ポンコツなところも可愛いです。

作中では、漫画の効果では定番の集中線が使われず、時には魚眼レンズ風に表現されるなど作者の画力にも驚きます。
単行本では作者が実際に作った、作中登場の料理写真があるなど、作品内容、作者ともに好感のもてる美味しい漫画です。