凶悪 / The Devil's Path

凶悪 / The Devil's Path

『凶悪』とは、ノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を元に、2013年に映画化された社会派サスペンス映画である。雑誌記者の藤井(ふじい)は、上司から須藤(すどう)という死刑囚に会うように言われる。須藤は数々の犯罪に手を染めてきていた。そして、須藤と共謀して多くの犯罪を犯し、最後には須藤をだました木村(きむら)という男の話を聞く。藤井は話を聞くうち、家庭を顧みず取材にのめりこんでいく。この映画は、私たちの身の回りのどこにでも存在しうる犯罪をリアルに描く作品となっている。

凶悪 / The Devil's Pathの関連記事

凶悪(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

凶悪(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『凶悪』とは、ノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を元に、2013年に映画化された社会派サスペンス映画である。雑誌記者の藤井(ふじい)は、上司から須藤(すどう)という死刑囚に会うように言われる。須藤は数々の犯罪に手を染めてきていた。そして、須藤と共謀して多くの犯罪を犯し、最後には須藤をだました木村(きむら)という男の話を聞く。藤井は話を聞くうち、家庭を顧みず取材にのめりこんでいく。この映画は、私たちの身の回りのどこにでも存在しうる犯罪をリアルに描く作品となっている。

Read Article

バクマン。(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

バクマン。(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『バクマン。』とは、大場つぐみと小畑健による漫画を原作とするアニメ作品。 2010年よりNHK教育テレビにて第1シリーズ~第3シリーズ、全75話が放送された。 高い画力を持つ『真城最高』と文才と発想に長けた秀才の『高木秋人』を主人公とし、二人の少年がコンビを組んで漫画家を目指していく道のりを描いた作品である。 多くの漫画関係の固有名詞が実名で使用されるなど、リアル志向な作品。

Read Article

怒り(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

怒り(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2010年に国内の映画賞を総ナメにした大ヒット作「悪人」の原作者吉田修一と監督李相日が6年振りにタッグを組み、音楽に坂本龍一を加え、実力派のオールスターキャストで挑んだ感動のヒューマンミステリー。八王子の平静な住宅街で残忍な夫婦殺人事件が起こる。一年後のある日、千葉と東京と沖縄に素性の知れない3人の男が現れ、それぞれに重厚な人間ドラマが展開する。愛した人は、殺人犯なのか?2016年9月全国公開。

Read Article

バクマン。の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

バクマン。の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『バクマン。(Bakuman.)』は週刊少年ジャンプで2008年から2012年まで連載していた漫画作品である。ジャンプで連載マンガ家を目指す中学3年生の真城最高と高木秋人は、ヒロインの亜豆美保と真城の「描いたマンガがアニメになり亜豆がそのヒロインの声優をやる」との約束をお互いの夢として努力を続ける。夢・友情・青春に関する数多くの名言が連載終了後も作品の魅力として語られ続けている。

Read Article

万引き家族(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

万引き家族(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

万引き家族(英題:Shoplifters)とは、2018年に公開された日本映画である。監督は『そして父になる』などで知られる是枝裕和。主演はリリー・フランキーと安藤サクラ。 第71回カンヌ国際映画祭において最高賞のパルム・ドールを獲得するなど、国内外で高い評価を受けた。 貧困のなか、万引きによって生計を立てながら身を寄せ合う家族6人の姿を描く。

Read Article

バクマン。に登場する物語・作中作・劇中劇・連載まとめ

バクマン。に登場する物語・作中作・劇中劇・連載まとめ

『バクマン。』とは、原作・大場つぐみと作画・小畑健による少年漫画作品。2010年にNHK教育テレビにてアニメ化された。 絵の才能を持つサイコーこと真城最高(ましろ もりたか)と、文章に長けた秀才のシュージンこと高木秋人(たかぎ あきと)がコンビを組み、『週刊少年ジャンプ』で売れっ子の漫画家になるべく研鑽するサクセスストーリーだ。 作中では主人公たちが描く漫画の他に、多くのライバル、仲間たちが作り出す多種多様な漫画が登場する。

Read Article

のぼうの城(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

のぼうの城(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『のぼうの城』とは、和田竜の日本の歴史小説を元にして2012年に公開された映画である。犬童一心と樋口真嗣の共同監督で制作された。主人公の長親(ながちか)は忍城(おしじょう)城代の息子である。関白秀吉の家臣である三成によって、忍城は開城を迫られていた。しかし長親は世の理不尽に真っ向から対抗するため、三成に相対する。長親は周りの力を借り、ついには三成軍を退けることになった。この作品は時にはしんみりしつつも、長親という「でくのぼう」の奇策によって観た人を気分爽快にさせる歴史映画となっている。

Read Article

バクマン。(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

バクマン。(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『DEATH NOTE』のコンビ、原作・大場つぐみ、作画・小畑健によって、2008年から2012年まで「週刊少年ジャンプ」に連載された大ヒットコミックの実写映画化作品。監督は大根仁、音楽はサカナクションが担当。漫画家を志す二人の高校生、作画担当の最高(佐藤健)と原作担当の秋人(神木隆之介)がコンビを結成し、週刊少年ジャンプ連載の頂点を目指して悪戦苦闘する日々を描く。2015年10月東宝系公開。

Read Article

どうする家康(大河ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

どうする家康(大河ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『どうする家康』とは、2023年に放送されたNHK大河ドラマ第62作。脚本家の古沢良太が新たな視点で主人公の徳川家康の生涯を描く。室町時代後期から江戸時代の日本が舞台。両親と離れ離れになり、駿河国大名・今川義元の人質として孤独な人生を送るものだと思っていた少年はやがて弱小国の主となる。様々な選択をしながら戦いのない世界を目指し、乱世に飛び込んでいく物語である

Read Article

新宿スワン(漫画・ドラマ・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

新宿スワン(漫画・ドラマ・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『新宿スワン』はアンダーグラウンド系の日本の漫画である。作者は和久井健。講談社『週刊ヤングマガジン』で、2005年20号から2013年45号まで連載された。スカウトマンをテーマにした物語で、和久井にとって連載のデビュー作品となった。主人公は19歳の白鳥龍彦、通称タツヒコ。ライバルの死や暴力団がからむ違法薬物の取引、そして信頼していた仲間の裏切り、そして、タツヒコの知らないところで大きな復讐の計画が動き出していた。数々のトラブルに見舞われながらも逃げずに立ち向かうタツヒコの成長する姿を描く。

Read Article

SUNNY 強い気持ち・強い愛(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

SUNNY 強い気持ち・強い愛(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』とは、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を原作とした2018年公開の青春音楽映画。90年代、社会の中心にいた“コギャル”たち。コギャルとして青春を共に過ごした“SUNNY”の6人は、ある事件の後バラバラになってしまう。20年以上の時を経て、あるきっかけから一人、またひとりと再会していく。光と影、理想と現実をそれぞれ抱えて生きてきた6人の複雑な思いが、懐かしい90年代ヒットソングに乗せて、90年代と2018年の場面が交差しながら展開される愛と青春の音楽ストーリー。

Read Article

陸王(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

陸王(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『陸王』とは作家の池井戸潤が書いた小説『陸王』が原作のドラマで、脚本は八津弘幸、演出は福澤克雄と田中健太が担当。ドラマのストーリーは資金難に苦しむ老舗足袋屋の社長が、会社の未来を考え新規事業のランニングシューズ開発に乗り出し、たくさんの人の助けで苦難を乗り越え、マラソン足袋「陸王」を開発するまでの企業再生物語。ドラマの主人公である宮沢紘一を俳優の役所広司が演じ、たくさんのエキストラを使った駅伝シーンなどは臨場感のあるシーンに仕上がっている。大多数の人たちから感動したと大反響を呼んだ人気ドラマ。

Read Article

白夜行(東野圭吾)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

白夜行(東野圭吾)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『白夜行』とは、1999年に刊行された東野圭吾の推理長篇である。発行部数は2010年12月時点で200万部を超えている。1973年、大阪で起きた殺人。犯人は小学5年生の被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂。未解決のまま時は流れていく。そして成長した2人は犯罪行為で互いに助け合うようになり、周囲で不可解な事件が次々と起きる。 疑念を抱く刑事が2人の関与に気づき、証言や調査で真相に迫っていくというストーリー。2006年にはテレビドラマ化、2011年には映画化されている。

Read Article

そして父になる(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

そして父になる(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『そして父になる』とは、”赤ちゃん取り違え事件”を扱った、2013年制作の日本映画。TVドキュメンタリー出身の是枝裕和が監督・脚本・編集を担当し、主演の福山雅治が初の父親役を演じた。第66回カンヌ国際映画祭では見事に審査委員賞を受賞し大きな話題となった。ある日、突然6年間育てた息子が病院で取り違えられた他人の子どもだったと知らされた対照的な2組の夫婦が、過酷な決断を迫られ、それぞれに葛藤を繰り返す中で本当に大切なものを学んでいく姿を描く。

Read Article

銀魂(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

銀魂(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「銀魂」(実写版)は、2017年7月に公開された福田雄一監督による日本映画。空知英秋作画の漫画「銀魂」の実写化作品で、原作の長編「紅桜編」がベースです。「紅桜編」は、妖刀紅桜を利用して国の転覆を目論む鬼兵隊と、それを阻止しようとする主人公坂田銀時と仲間たちの戦いを描いたもの。原作はSF時代劇コメディです。実写版はそれを忠実に再現し、ギャグ満載、時にほろりとさせる内容になっています。

Read Article

ランチの女王(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ランチの女王(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ランチの女王』とは、2002年にフジテレビ系の月9枠で放送されたドラマ。主演は竹内結子。その他、妻夫木聡、山下智久、山田孝之などが出演している。ランチタイムに洋食店を訪れた麦田なつみが、ひょんなことからその店で住み込みで働くことになる。洋食店を舞台に、なつみと男四人兄弟の恋愛模様や交流を描いたラブコメディ。脚本は『カバチタレ』や『青天を衝け』を担当した大森美香などが手掛けている。第34回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞で最優秀作品賞や主演女優賞などを獲得した。

Read Article

銀魂2 掟は破るためにこそある(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

銀魂2 掟は破るためにこそある(実写映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「銀魂2 掟は破るためにこそある」とは、2018年8月に公開された、空知英秋原作の漫画「銀魂」を実写化した日本映画です。2017年公開「銀魂」の続編で、前作に続き監督は福田雄一、主演は小栗旬が務めています。前作とほぼ同じメインキャストで臨んだ本作は、原作で人気の長編「真選組動乱編」と、ギャグ色の強い「将軍接待編」をドッキングさせた内容。「真選組動乱篇」は真選組の参謀伊東鴨太郎の謀反を中心にした物語、「将軍接待編」は、万事屋がバイトするキャバクラに徳川茂茂がやってきて起きる騒動を描いたものです。

Read Article

サンクチュアリ -聖域-(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サンクチュアリ -聖域-(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サンクチュアリ -聖域-』は、2023年5月にNetflixで配信が開始されたオリジナルドラマである。大相撲を題材にした作品で、主演は一ノ瀬ワタル。脇を固める役者は染谷将太、小雪、ピエール瀧と、豪華な顔ぶれが揃う。相撲のセンスはあるが品性や礼儀は欠片もない不良少年・小瀬清が、相撲に真剣に取り組み、やがては各界を揺るがし始めるというストーリー。相撲の裏側をリアルに映し、相撲にかける力士たちの厳しい稽古と、熱すぎるまでの情熱が描かれ、世界で大ヒットを記録した。

Read Article

悪の教典(小説・漫画・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

悪の教典(小説・漫画・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『悪の教典』とは、2012年公開の日本のバイオレンス・ホラー映画である。監督は三池崇史で、貴志祐介の小説が原作。高校教師の蓮実聖司は、明朗快活で同僚や生徒にとても頼りにされていた。しかしその正体は他人への共感能力に欠けたサイコパスで、自身の邪魔になる人間は躊躇なく殺してきた男だった。そしてある出来事でこれまでの罪が暴かれそうになり、蓮実は校内の人間を全員始末することを決める。この作品は蓮実というサイコパスの生き方や、その周りで生きようともがく人間の命がけの戦いから目が離せない物語となっている。

Read Article

WATER BOYS(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

WATER BOYS(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『WATER BOYS』とは、2003年7月の火曜21時にフジテレビで放送されていたドラマ。映画『ウォーターボーイズ』を元に制作されており、脚本は橋本裕志と中谷まゆみ。主演は山田孝之で、森山未來や瑛太などが出演している。シンクロに憧れて唯野高校水泳部に入部した進藤勘九郎は、学園祭のシンクロ公演でリーダーに選ばれたが、シンクロ公演が急遽中止となってしまう。そこで勘九郎はシンクロ公演を実現させるため動き出す。勘九郎と仲間たちの友情や恋愛を描いた青春ドラマである。

Read Article

六番目の小夜子(小説・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

六番目の小夜子(小説・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『六番目の小夜子』とは恩田陸の小説と、それを原作としたNHKで放送されたTVドラマ、および舞台作品である。恩田陸のデビュー作であり、新潮社の第3回日本ファンタジーノベル大賞にて最終選考まで残った作品だ。とある高校(ドラマでは中学校)に伝わる「サヨコ」という言い伝えを軸に、少年少女たちの瑞々しい青春とファンタジーホラーの一面も持つ。2000年にNHK教育『ドラマ愛の詩』でドラマ化された。また2022年1月、乃木坂46の鈴木絢音の主演で舞台化もされている。

Read Article

め組の大吾(FIRE BOYS)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

め組の大吾(FIRE BOYS)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『め組の大吾』は1995年から1999年までの約4年間、曽田正人が週刊少年サンデーで連載していた消防士の物語である。マンガの他、2004年にフジテレビでドラマ化された。主な内容は、不良に近かった朝比奈大吾が、消防士になり同僚や上司、先生や助けた人などに刺激を受けてレスキュー隊員へと破天荒ながら活躍の場を広げていく様子が描かれている。元不良らしい考え方と行動力の大吾とともに、優等生である甘粕のコンビが魅力を後押ししている。また、火災や事故現場の臨場感などが読み手を引き付ける。

Read Article

百万円と苦虫女(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

百万円と苦虫女(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『百万円と苦虫女』とは、ひょんなことから前科持ちとなってしまい、実家にも居づらくなったフリーター・鈴子が、百万円を貯めては場所を転々し、様々な経験や人との出会いを通して成長していく様子を描いた青春ロードムービーである。2008年7月19日に日本で公開され、興行収入は3億円、観客動員数は19.7万人を記録した。『百万円と苦虫女』の功績が認められ、監督のタナダユキは第49回日本映画監督協会新人賞を、主演の蒼井優は2009年に芸術選奨新人賞を受賞した。

Read Article

凶悪 / The Devil's Pathのレビュー・評価・感想

New Review
凶悪 / The Devil's Path
8

その「凶悪」さに戦慄する!

2013年に公開された映画です。
実際にあった事件をもとにされた作品でありますが、とにかく内容がえぐい。
主人公はとある雑誌の記者・藤井。彼のもとにとある死刑囚・須藤からの手紙が届きます。
それは、自分が犯した犯罪に関わっていた人物を告発するものでした。
その人物は逮捕されることもなく「シャバで生きて」います。
須藤の手紙、そして面会を通して事件を追っていく主人公。
映画では、事件の様子が克明に描かれており、観ていて不快になるほど。
でも、その不快な場面を「面白い」と感じてしまう自分の中にも「凶悪」を見ました。
借金の返済のため、自分の家族の保険金殺害を依頼してしまう人物。
それを請け負う「先生」という人物。
「先生」は他にも須藤とともに多くの殺人を犯しています。
須藤はその「先生」を追い込みたかったわけですが、上告中の自分自身の裁判に藤井を利用しているんですよね。
藤井が事件を追っていくうちに人相が少しずつ悪くなっていくのが印象的でした。
そして最後、逮捕された「先生」との面会。
「俺を本当に殺したいと思っているのは……」と藤井を指す「先生」。
そう、「凶悪」なのは殺した数だけではありません。
自分自身が持っている暗い闇もまた「凶悪」なのです。
そしてまた、この映画を観て犯人たちに対して思う視聴者の気持ちもまた「凶悪」であるわけです。
そこに気が付いた時、自分の心の闇に戦慄することでしょう。
グロテスクな表現が多いため、万人にはお勧めできませんが、かなりキてる映画です。
さて、あなたの心の中に「凶悪」はあるでしょうか?試しに観てみるといいかもしれません。

凶悪 / The Devil's Path
7

凶悪。人間の一番残酷な所業

人間の残酷な部分を「これでもか」とリアルに描いた映画です。

なんと、実際に起こった事件を題材にしています。観ていると吐き気を催すほどの嫌悪感を感じることがありますので、心の弱い方にはお勧めできませんが…。

人間の汚い部分をリアルに知りたいのであれば、絶対に観たほうが良いです。
終始汚いお金にまみれた、裏の世界を生きる人間たちのどす黒い欲望を如実に描いたある意味問題作だと思います。

保険金殺人事件は聞きなれた言葉だと思いますが、ここまで狡猾にかつ残酷なことを人間が行えるのか…。後味の悪さも癖になります。

ここから少し話の内容に触れます。

山田孝之演じる、冴えない雑誌記者のもとにとある死刑囚から手紙が届きます。
その内容は、
「自分は殺人事件で捕まったが事件の首謀者が他にもいる。そいつが捕まっていないのが納得できない。記事にして欲しい」
記者の上司は相手にするなと釘を刺すが…。

記者が会いにいくと、およそ人間の所業とは思えない、凄惨な事件を嬉々として語る麻薬中毒の死刑囚がそこに居ます。
その死刑囚の話から事件の全貌を探る取材が始まるのですが…。

事件の内容もさることながら、リリーフランキー演じる【先生】と言われる首謀者が本当にえげつないです。
会社の命令を無視して、家庭も顧みず、仕事もせずにそんな事件の取材にのめり込んでいく記者の姿にも言葉を失います。
ただの事件のノンフィクション映画というだけでなく、それを取り巻く人間模様や、事件とは無関係なはずの記者がどんどん引きずりこまれていく様は観ていてなんとも言えない気持ちになりました。

笑えないし、泣けない。けれど怖いもの見たさに観てしまう。そんなディープな映画です。

親タグ

兄弟タグ