風都探偵

風都探偵のレビュー・評価・感想

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風都探偵
6

仮面ライダーシリーズ初の本格アニメ化

2022年夏に放送・配信された、平成仮面ライダーシリーズ第11作『仮面ライダーW』のその後を描いた青年誌連載コミックのアニメ化作品で、事実上『仮面ライダー』シリーズとしては初の本格的なアニメ化作品となります。

主なあらすじもTVシリーズのその後から始まり、風都で探偵及び仮面ライダーとして活動を続ける左翔太郎とフィリップの前に「ときめ」という謎の女性が現れたことから、新たな事件に巻き込まれていきます。

「CVは全員本職の声優さんが担当」という事に対して賛否が起きたものの、蓋を開けてみると劇中の雰囲気(ニチアサで使われてるロケ地などの再限度も含めて)や、細かい小ネタなど『仮面ライダーW』の続編として非常に完成度の高い作品となり、いい意味で変わらない『仮面ライダーW』の世界観になっていた印象です。

配信・深夜放送という事もありニチアサでは描けないグロやエロ(後者がやや執拗だった気もしますが笑)も積極的に描いてはいるものの、ライダーの変身描写やアクションなどの再現率も高く、仮面ライダーのアニメ化としても新鮮な印象でした。

ストーリー的には一つの事件を3話完結で描くためやや間延び感はあったものの、全12話の攻勢では4部構成でなりたっていた印象です。全編において作りての仮面ライダーのアニメ化に気合いが感じられた作品です。

風都探偵
10

二人で一人の名探偵コンビ!実は…

この作品は「風都」という架空の都市を舞台として活躍する二人の探偵コンビのお話です。
しかし実は特撮ドラマ「仮面ライダーW」の続編を漫画にしたものなのです。
二人の探偵、左翔太郎とフィリップは二人で一人の仮面ライダーとして変身して怪人の絡む事件を解決していきます。「仮面ライダーの漫画か~」と思った人もいるかもしれませんが、この漫画は青年誌で連載されており、大人でも楽しめる内容になっています。左翔太郎は「探偵物語」の松田優作を彷彿とさせるようなファッションに身を包んでいます。フィリップの名前はレイモンド・チャンドラーの探偵小説の主人公フィリップ・マーロウから名付けられています。このようにかつての探偵作品のオマージュがちりばめられています。
物語も謎めいた事件が起きて解決するという探偵もののセオリーに沿って展開していきます。「仮面ライダー」をよく知らないという方でも手に取りやすい作品だと思います。
キャラクターもとても魅力的で、ハードボイルドを気取りながら甘さゆえに「ハーフボイルド」と呼ばれる翔太郎と「地球の本棚」という無限の知識にアクセスできる不思議な少年フィリップのコンビがとても面白いです。
ぜひ二人の活躍を読んでみて下さい。