BAD HOP

BAD HOPのレビュー・評価・感想

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BAD HOP
10

川崎写真の大型HIPHOPクルー

「BAD HOP」とは神奈川県川崎市を拠点に活動する、8人組HIPHOPクルーである。
メンバーはT-Pablow、YZERR、Tiji Jojo、Benjazzy、Yellow Pato、Vingo、G-Kid、Barkの8名である。
メンバーのほとんどは川崎市出身であり、2014年に活動を開始している。

メンバーのT-PablowとYZERRは実の双子であり、「高校生ラップ選手権」に出場し優勝している。T-Pablowはその後も、レジェンドラッパーZEEBRAがオーガナイザーを務める「フリースタイルダンジョン」に出演し、メディアの注目を集め続けた。
1st EPの『BADHOP HOUSE』の内の1曲目「Kawasaki Drift」の歌詞の中にある、「川崎区で有名になりたきゃ 人殺すかラッパーになるか」というフレーズは、BAD HOPの代名詞とも呼べるフレーズである。

そんなHIPHOPシーン最前線を走っていたBAD HOPだが、2023年5月27日解散を発表。そして2024年2月19日にHIPHOPアーティストとしては前代未聞である、東京ドームでラストライブ「BAD HOP THE FINAL at TOKYO DOME」を開催し、多くのファンに惜しまれながらもその活躍に幕を下ろした。

BAD HOP
10

BAD HOPの魅力に迫る

BAD HOPは、HIPHOPオタクの私が激推しするラッパーです!
8名のラッパーで構成されるBAD HOPは、全員が幼馴染で、元不良少年なのです。
その付き合いはなんと幼稚園の頃から。
元不良だからこそ語れる刺激的なリリックが多く、興味深いです。

アメリカのアトランタやロサンゼルスへも足繁く通い、日々精進し続けている彼らは、ラッパー以外にもアパレルやセレクトショップ、クラフトビールのD2C販売などで頭角を露わにしています。

また、彼らは会社に所属しておらず、自分たちでレーベルを立ち上げています。
そんな彼らだからこそ自由度の高いアクションが繰り出せるのです。
例えば、無料でCDを配布したり、2億円近くする武道館ライブを無観客でYouTubeライブに切り替えたり、ライブスタジオを建設して無料で貸し出していたり…
自由度の高いアクションと、そのアクションの思い切りの良さから「若者に夢を魅せられる」日本を代表するHIPHOPグループです。

元不良で全員が小卒、常識の外にいたからこそ出てくる奇抜な発想の数々。
今後もますます目が離せないアーティストです。

BAD HOP
10

日本の規模を超したアーティスト

8人組HIPHOPアーティスト。
神奈川県川崎をレペゼンする地元の幼なじみ8人で活動しています。
メンバーのT-PablowとYZERRは双子の兄弟で、2人とも「高校生ラップ選手権」で優勝し、人気となりました。
グループの人気も2人の人気とともに右肩上がりで、2018年に行われた日本武道館での単独ライブでは、平日の開催にもかかわらずチケットが即完売という人気ぶりを見せています。
2020年に行われた横浜アリーナでの単独公演、「BAD HOP WORLD」はコロナウイルスの影響により無観客ライブとなりましたが、映像配信やクラウドファンディングによって、1億円もの負債を埋めるほどの人気ぶりです。
このグループの特徴としてあげられるのは、これまでの日本にないスケールで活動している点です。
ライブやアパレルや楽曲制作の全てにおいてレコード会社に所属せず、セルフプロデュースで行っているということです。
その規模やコンセプトは今までの日本人HIPHOPアーティストにはないものであり、世界基準での活動をしています。
また、楽曲のクオリティも他のアーティストとは異なります。
世界的なトラックメーカーとのコラボアルバムを発表するなど、彼らの音楽性と楽曲のクオリティは世界でも高く評価されており、今後もさらなる活躍が期待されています。

BAD HOP
8

川崎の元ギャングという背景に生き様あり

川崎の元ギャングが集まったヒップホップグループだが、侮っているとなかなか高い音楽性に面を食らう。

こういったジャンルの音楽は、貧困が身近にある庶民から生まれたルーツもあり、悪ぶった歌詞が多い。
どれだけ突っ張って生きてきたか、どれだけ社会と相反してきたか、悪イコール格好良い、というイメージがつきものだが、彼らはこの日本現代で未だにそんな生き方をしてきたのか?と驚くほどの世界をそのまま歌に乗せている。

日本が銃社会でないだけで、アメリカのスラム育ちと遜色ないではないか。
(川崎はそんな街だったか?)
だから、悪ぶった歌詞のヒップホッパーと違い、リアルに心に響いてくるんだろう。
彼らは、自分の経験そのままを歌詞にしているのだ。

「俺らこんな悪いことしてました」と武勇伝のように語るヤンキー上がりと違い、謙虚で低姿勢な彼らが特に好感が持てる。
日本のヒップホップは今までほとんど聞いてこなかったが、初めて、彼らの音楽だけは聴いている。

「これしかない、これ以外なにも」
と語る彼らの生き様が、貧困を経験したことのない自分にも胸に突き刺さり、その格好良さに憧れてしまう。

生活や環境に苦しんでいる子供たちの支えになれば、という彼らの思いが、音楽に込められているからである。
彼らの生き様が格好良すぎる、おすすめのアーティストだ。