やれたかも委員会

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やれたかも委員会
8

人生で何度かはあるであろう「やれたかも委員会」

簡単なあらすじを記す。ゲストが3人の審査員の前で過去の甘酸っぱく切ないギリギリの男女の思い出を語る。そしてそれを審査員3人が「やれた」「やれたとはいえない」のプレートで審査してくれるという話。

正直最初は少しゲスいと思いましたよ。でもね。読むとわかるが、あのときこうしていれば…。タイミングさえ合っていれば…。そんなこと人生で一度や二度はあるもので、それをゲスさではないなにか尊いものに昇華してくれるようなパワーがこの作品には存在している。
審査員の3人もしっかりキャラ付けと役割分担がされており、司会進行役、思い出を綺麗に磨いて輝かせてくれる役、そして現実をしっかり見せてくれる役がある。3人の絶妙なバランス感覚で物語はジャッジされて行く。そしてこの3人の待ち時間を表現するのにちょこちょことした小物が登場する。それの使い方がまた上手であり、リアルに時間を感じさせてくれるところもステキだ。

ゲスト側のセリフまわしが一言でいうとエモい。いちいちポエマーじみていて繰り返しやコマ割りなどでずっと頭の中に置かれてあったんだなあと伝わってくるのだ。さらに作品名からして男性ゲスト中心のストーリー構成になるだろうとの大方の予想を覆し、女性ゲストもたびたび登場する。
ドキドキ、ハラハラ、そしてモヤモヤ…。
だがこの話は決して成就されないと最初から分かっている、このもどかしさ。

タイトルも内容も万人にオススメはしない。
だがあえて言いたい、これはおもしろいマンガだと。