一週間フレンズ。

一週間フレンズ。のレビュー・評価・感想

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一週間フレンズ。
7

不思議な設定だが、ラストには大泣きしてしまう映画(実写映画レビュー)

「一週間フレンズ。」は、2017年に公開された日本の映画です。
川口春奈さんと山崎賢人さんが共演したことで話題になりました。
個人的には、川口春奈さんがとびっきり可愛く、山崎賢人さんのひたむきな演技がとても印象的でした。
舞台となるのはとある高校です。物語は山崎賢人さん演じる祐樹が、川口春奈さん演じる香織の図書カードを披露ところから始まります。
カードを探しに来た香織の姿を見た祐樹は彼女に一目惚れしてしまいます。
翌朝、祐樹は香織に「僕と付き合ってください」と爽やかに告白するのですが、あっさりと断れれてしまいます。
なぜか、担任の先生も彼女はやめとけというのです。その後、祐樹は、香織が記憶を1週間しか維持できないことを知ります。
それから、祐樹の強いアプローチと、記憶をなくしても自分を忘れないように交換日記をしようと提案し、渋々ながらも、なんとなく二人は交換日記を交わすことになります。
その後、二人は徐々に距離を縮めるのですが、特に記憶をなくしているはずの月曜日の朝「長谷くんだよね」と香織がいうシーンは最初の感動ポイントでした。
その後、二人は色々とあり、別れてしまいます。別れたというよりも祐樹が、交換日記を辞め身をひいたのです。
そして、香織は祐樹のことを忘れてしまいました。
最も泣ける部分のラストは卒業式でした。卒業式が終わったあと、香織は図書館で借りていた本を見ていて、パラパラ漫画が描いてあるのに気がつきます。
それは、漫画部であった祐樹が描いた物で二人の出会いから仲良くなるまでの様子が描かれているのです。
それを見た香織が言った言葉は、「わたし、どうして大切なこと忘れていたんだろう」。
そして、祐樹のもとに走り出し、二人は再開します。このシーンは大号泣してしまいました。

一週間フレンズ。
8

爽やかな気持ちと感動を与えてくれるラブストーリー

この映画は川口春奈さんと山﨑賢人さんが出演した、特殊な環境の中で進展するラブストーリーです。長谷祐樹は、図書館で図書カードを拾います。それは、藤宮香織の図書カードなのです。祐樹は香織に一目惚れをしてしまいます。ある時、二人は同じ電車に乗っているのですが、祐樹は寝過ごしそうになるところをギリギリで電車を降りますが、車内には図書館で借りた本が残っていました。それに気づいた香織は、祐樹に対して本を投げ渡してくれます。1年生から2年生になったタイミングにて、祐樹と香織は同じクラスになるのです。祐樹は香織に対して「友達になってください」と積極的にアプローチしますが、香織はいやがります。先生も香織のことをそっとしておいて欲しいと言うのです。
香織には持病がありました。解離性健忘で、1週間で家族以外の記憶が全て消えてしまいます。そのことを知った祐樹は、香織と交換日記をすることを思いつきます。香織は渋々ながらも交換日記を受け入れます。交換日記のおかげで、過去の祐樹とのやり取りを思い出せるようになったのです。香織は記憶が消える金曜日に自分が日記を持ち帰ることを提案するなど、徐々に積極的になります。日記のおかげで、記憶を失った月曜日の朝に、祐樹に対して「長谷君だよね」と話しかけてもらえるようになりました。
夏になると友達同士で夏祭りに行きます。そこで偶然香織がかつて交際していた九条に出会います。最初は、九条のことを無視し続ける香織ですが九条の「俺の方が恨んでるからな」と言う台詞にて香織は事故の記憶が蘇り倒れてしまうのです。
学園祭などでの共同作業を通じて、二人の中は深まっていきますが、その一方、香織は九条への恋心も抱えていました。九条は祐樹に対していくら交換日記をしていても月曜日に忘れるのであれば、覚えていないのと同じだと指摘します。その言葉にショックを受けた祐樹は、交換日記を焼いてしまうのです。日記をやめたため、次の月曜日には香織は祐樹のことを忘れてしまいます。高校3年生になると香織は九条と同じクラスになり、祐樹は別のクラスになります。そして、いよいよ卒業式の時、祐樹は香織と書置きを交換します。その時に香織はもちろん祐樹のことを忘れているのですが、祐樹が書いた漫画が上手だと褒めてくれます。香織は卒業式の後に図書室から呼び出しを受けます。かつて、祐樹と付き合っていた時に、香織の図書カードを利用して祐樹が本を借りていたのですが、その一冊が借りっぱなしになっていると言うのです。その本は、図書室に置かれていました。それを見た図書委員は落書きがされていることに気づきます。それは、パラパラ漫画でした。そのパラパラ漫画では祐樹と香織が経験してきた体験が描かれていました。それを見た香織は呟きます。「なんで、こんな大切なこと忘れていたのだろう」と、記憶を取り戻した香織は祐樹のもとに向います。香織は「これからも記憶をなくすかもしれない。それでも」と手を差し出します。そこの言葉を受けて祐樹は、「藤宮さん、友達になって下さい」と叫ぶのです。

一週間フレンズ。
8

一週間限定の友人関係を、何ヶ月でも

ヒロイン藤宮香織は一週間ごとにその間の「友人との記憶」を失ってしまいます。そのために藤宮さんは友人を作ることを拒んでいましたが、彼女と友達になりたかった長谷祐樹はそれを知ってなおめげずに何度でも藤宮さんと友達になりたいことを伝え続け、二人は友人関係になります。
友人になったと言っても、一週間で忘れてしまうという事実は変わりません。藤宮さんは長谷くんのことを自分の記憶用ノートに記録し、記憶がリセットされてもそのノートを読むことで完全ではなくとも二人の時間を取り戻しながら友人関係を続けていきます。

アニメ版のストーリーは最終話付近の展開が原作と異なっていた他、公式ホームページでは放映後の一週間限定で、作中に藤宮さんが書いた日記をフルボイスで読み上げる演出が公開されていました。この文面は必ずしも作中に全文が出ていたものではなく、当ページを見ることでしか知れない藤宮さんの心中が聞けることも。これらはBlu-ray・DVDにて日記の朗読に映像と音楽が追加された形で収録されています。

状況や展開として切ない場面も多々ありますが、登場キャラクターはとても優しい子が多く思わず応援したくなります。
泣けるシーンあり、和むシーンあり。優しい絵柄も相まって、癒される作品です。

一週間フレンズ。
10

あきらめない事の威力

物語は主人公の祐樹が同級生・香織に「友達になって下さい」と声をかけますが、“友達のことを一週間で忘れてしまう”という記憶障害がある香織が何度も拒み続けるというところからスタートします。

何度拒まれても「俺は絶対にあきらめません。だってやらないと何も始まらないじゃないですか。」「俺、このままじゃイヤなんです。やれるだけの事はやりたいんです。俺、空気読んで何もしないくらいなら間違っていてもやる方がいいんです。」と言う彼の姿にグッとくるんです。

多くの日本人は「右にならえ。」で、他と違う意見を言ったら仲間外れにされてしまうとおびえ、常に空気を読んだり、まわりに合わせたりしながら自分の本音とは違う生活をしていると思うんです。

そんな中祐樹がハッキリ言い放った「やれるだけの事はやりたい。」「間違っていてもやる方がいいんです。」というセリフは強烈に響くものがあり、おもいっきり心を揺さぶられました。

そして何度拒まれてもあきらめなかったおかげで、交換日記を始める事が出来たのです。

まさに「あきらめない事の威力」であり、簡単にあきらめてしまう現代の若者への強いメッセージになっていると思いました。

また香織が昔の記憶を思い出して昔好きだった人がいた事を知り、祐樹が「忘れられない奴がいるなら、勝てねぇよ~。」と言うセリフがあるのですが、その時の山﨑賢人君の「勝てねぇよ~。」の言い方がうますぎて、うますぎて、せつなすぎて、せつなすぎて、涙があふれ出てきて止まりませんでした。

やっと好きな子と友達になって、これからいろいろな事をしたいと思ったであろう期待で胸がいっぱいの時にその事実を知ります。その絶望感を見事に演じていて、素晴らしいの一言です。

そしてこのまま終わったら祐樹があまりにも可哀そうすぎると思っていましたが、結末は素敵な終わり方になっていました。なのでホッとして大感動できました。

この作品の見どころはなんと言っても祐樹の一途さとあきらめない事の威力であり、「人を想う気持ちってこんなに純粋でせつないものなんだな~」、「若い頃にもっともっと本気で恋愛をしておけば良かったな~」と思わせてくれた大変素晴らしい作品でした。