ぼくらの

『ぼくらの』とは、鬼頭莫宏による日本のSFロボット漫画作品である。『月刊IKKI』にて2004年1月号から2009年8月号に至るまで連載された。2007年4月から9月にかけてGONZOによってアニメーションも制作された。
主人公である15人の少年少女たちは、とある夏休みに自然学校で出会う。ある日、海辺の洞窟を探検していた際、ココペリと名乗る謎の男に遭遇し「ゲームに参加しないか」と誘われる。男の語るゲームの内容は、巨大なロボットに乗り襲い来る敵と戦うというものだった。パソコンのゲームだと思い込んだ少年少女たちは男の誘いに乗り、契約を結んでしまう。しかしそれはパソコンのゲームなどではなかった。ある夜、突然現れた巨大ロボットの中に召喚された少年少女たちは、1人ずつそのロボットを操縦し、敵と戦うことになる。しかも戦いの後には、操縦を担当したパイロットは必ず命を落としてしまい……。
多感な思春期の真っ只中にいる少年少女たちの苦悩や葛藤、命の重さや生きる意味について問いかける超人気作。2010年には第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した。

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ぼくらののレビュー・評価・感想

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ぼくらの
8

夏に見てほしい

地球のためにロボットを操縦して敵を倒さないとみんな死んでしまうし、倒したとしても操縦している人は結局死んでしまう、という絶望しか残されていないアニメです。このアニメでは子供たちがメインとなって登場し死んでいきますが、確たる主人公は存在しません。そこがほかのアニメとは一味違うところです。いつ自分の番が来るのかおびえたり、拒否したり、覚悟を持って臨んだり、または全然違う理由のために戦ったりと、子供たちが幼いながらも一人一人懸命に生きている姿を見ることができます。一人一人にそれぞれ個性的なエピソードがあり、その子の家族との関わりを知ることでなお一層作品に感情移入させられます。地球規模での戦いとなり、自分たちが戦ってきた悪の根源であるロボットの正体がわかってしまったとき、救いではなく今まで以上の絶望を味わうことになり、鳥肌が立ちました。このアニメは季節が夏から始まります。そのため、夏の暑い時期に暗い部屋で少人数でみることをお勧めします。より臨場感を味わうことができると思います。平和ボケしてあまり感情の起伏がなく、退屈な日常を過ごしている人にはぜひ見てほしいです。毎日毎日を大切に、家族も大切にして生きようと思うことができると思います。

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8

ぼくらの

あらすじ
現代社会より少し発展した世界が舞台。物語は11人の子供たちが三友島で合宿をして、夏の海辺で遊んでいるところから始まる。
この物語の主人公はこの11人の子供たちであり、今後の物語では重要な役目を課せられることになる。
序盤は子供たちがココペリという男からゲームを勧められる。ゲームの内容はまず、契約し契約者がロボットに乗り、出現する敵と戦い敵を戦闘不能にしたら勝利という内容。子供たちは好奇心で契約をしてしまう。ただカナという女の子のぞいて。
10人の契約が終わった瞬間ノイズが走り、いつの間にか外で気絶していた。目が覚めて宿に戻る途中そこに巨大なロボットが出現。再びノイズが走り、子供たちはロボットのコックピットへワープした。そこにはココペリが乗っていた。敵ロボットが現れ、ココペリは戦い方のお手本を子供たちに教えるために戦った。敵を倒した後ココペリはいなくなって子供たちは再び海辺に戻った。
次の日子供たちが昨日のことについて話しているとコエムシが現れる。コエムシは自分は巨大なロボットの管理者であることを説明すると子供たちをコックピットの中に連れていく。そこには子供たちが使っている椅子が用意されていて、その椅子で操縦者を決めるという仕組みだった。
最初に選ばれたのがワクという男の子である。子供たちは宿に戻ってゆっくりしていると、敵ロボットが出現。ワクはロボットに乗って戦い見事に勝利。そのあとみんなでロボットのてっぺんに移動。そこでワクはロボットのてっぺんから落ちて死亡。子供たちは衝撃を受けた。

感想
この作品は、ロボットで戦って負ければ地球滅亡、勝っても自分は死ぬという残酷な運命を突き付けられた子供たちの苦悩と、それぞれの凄絶な生き様を描いた作品です。政府も絡んでいくのですが結局何もできないというところもリアルで見どころがあります。
最終回は感動するのでおすすめです。

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7

地球は自分の命で守る価値があるのか

『月刊IKKI』に掲載されていた鬼頭莫宏による漫画作品。全11巻の単行本が発刊されていて、2007年の春アニメでテレビでアニメ化された。物語は夏休みの夏合宿で出会った15人の少年少女、がその島で謎の人物ココペリと出会うところから始まる。洞窟の奥でなにかの研究しているような形跡を発見する少年たち、謎の人物ココペリはオリジナルのゲームを開発中でテストプレイに参加してほしいと少年たちをコンピュータに登録、直後に巨大なロボットの操縦席に転送される少年たち、眼前には見たこともない巨大なロボットが出現、単にロボット同士の戦闘だと思っていたのが自分が存在する宇宙と他次元宇宙との生き残りをかけた戦いだと知ることのなる。物語は、メインの話の流れとは別に、1話ごとに次の戦闘に選ばれた少年または少女のフォーカスした連作となっており、少年少女たちの生い立ち、戦いの意味、生への執着と自分たちの地球が存在するの値するものなのを自問しながら戦闘に相対していく。多次元がその存在をかけて争うというのはよくある話だが、強制参加させられ負けた時点でデッドエンドしかも勝利しても操縦者が死亡してしまうという設定は新鮮、そこに未知のテクノロジーを独占しようと画策する私利私欲に囚われた大人たちと、自分の命を懸けて宇宙を救うために戦いに望む子供たちという対比はやりきれない思いに包まれ人類の存在意義を考えさせられる作品。