世界の中心で、愛をさけぶ / セカチュー

世界の中心で、愛をさけぶ / セカチュー

『世界の中心で、愛をさけぶ』とは、日本の映画作品である。「セカチュー」と略され、ブームを巻き起こした。
片山恭一原作のベストセラー小説『世界の中心で、愛をさけぶ』を基にしたラブストーリーで、大沢たかおと柴咲コウが主演である。観客動員数620万人、興行収入は80億円を突破する大ヒット作となった。
大沢たかおは松本朔太郎、柴咲コウは藤村律子を演じている。また、松本朔太郎の高校生時代を森山未來、藤村律子の少女時代は菅野莉央が演じている。朔太郎と親しくなったものの、白血病になってしまう少女、広瀬亜紀は長澤まさみが演じた。森山未來と長澤まさみについては、この作品が出世作となった。
大人になってからの朔太郎の視点からストーリーが描かれているのが特徴である。朔太郎と亜紀のラブストーリーに加え、成人後の朔太郎と婚約者の律子のエピソードについても触れている。
主題歌は平井堅の「瞳を閉じて」で、こちらも大ヒットとなった。

世界の中心で、愛をさけぶ / セカチューのレビュー・評価・感想

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世界の中心で、愛をさけぶ / セカチュー
9

世界の中心で、愛をさけぶ

この映画は、白血病にかかってしまった女子生徒と、彼女を支え続けた男子生徒の強い絆の物語です。
大人になった彼が、かつて自分の高校生時代を振り返っていく内容となっております。
結局、残念ながら、病を抱えていた彼女は亡くなってしまいましたが、彼の心の中でずっと強く温かく魂が生き続けていきます。
生きていく強さを考えさせられる内容となっております。彼女の生前、無人島に彼と彼女は行くことになりました。
無人島では、二人は手探りで生きていく術を探し、懸命に生きようとしました。
彼女の夢は、オーストラリアのグランドキャニオンに行くことでした。
二人は、オーストラリア行きの飛行機に乗ろうとしていた矢先、彼女は息を引き取ってしまいました。
二人は、グランドキャニオンに行くことは実際には実現不可能ではありましたが、生前の彼女との思い出が、いまの彼を支えていました。
二人にとっての世界の中心は、きっとオーストラリアのグランドキャニオンだったのかもしれません。
人は、亡くなってしまっても、大切に思う人の心にはずっとずっと生き続けているということや、
その魂を抱きながらも、前に進んでいかなければならないということを伝えてくれる映画となっております。

世界の中心で、愛をさけぶ / セカチュー
10

白血病と戦いながらも純愛を貫くラブストーリー

この映画は、大沢たかおさんと柴咲コウさん、長澤まさみさんが出演している純愛が表現されたラブストーリーです。ある日、サクの婚約者の律子が引越しのための荷造りをしているとカセットテープを見つけます。テープを再生すると「私、もう直ぐ死ぬと思う」という衝撃的なセリフが録音されていました。それを聞いた律子はサクの故郷に向かいます。それを追いかけるようにサクも故郷に行きます。
その後舞台は、サクが高校生の時に遡ります。サクの初恋相手は亜紀でした。彼女は性格もよく頭も良い上、優しい女性でした。ある日、先生の葬儀が行われますが、その弔辞を亜紀が読みます。そこに突然の雨が降り出し、亜紀のもとへ傘を差し出したのはサクでした。それがきっかけで、二人は付き合うようになります。その後、二人はカセットテープを利用しての交換日記や無人島に二人で出掛けるなどして愛を深めていきます。その後、亜紀は白血病であることがわかります。亜紀は日を重ねるごとに弱っていきます。そんな亜紀を見ていたサクは、自分の無力さに気づきます。入院中の亜紀は、1日外出許可をもらいサクと一緒に結婚式をあげました。このシーンはとても泣けます。そして、サクは亜紀が憧れているオーストラリアへの旅行を計画します。しかし、台風の足止めを食らって、飛行機が飛ばないのです。空港で亜紀は倒れてしまい、そのまま帰らぬ人となります。
そして、再び話は大人になったサクの時代に戻ります。実は、サクの婚約者である律子は、かつて、二人のカセットテープの受け渡しをしていた小さな女の子でした。亜紀の最後の録音されたカセットテープはサクに渡せなかったのです。そのテープを四国まで迎えにきてくれたサクにようやく渡せました。最後に、サクはオーストラリアのウルル地方に向かい、亜紀の遺灰を風に飛ばすのです。

世界の中心で、愛をさけぶ / セカチュー
10

世界の中心で愛を叫ぶ

これは結論から言うと、ヒロインとなる亜紀(長澤まさみ)が白血病にて死んでしまう物語で、それを看取ったサク(森山未来)とのラブストーリーです。
この作品の魅力は、大きく分けると二つのステージに分かれます。最初のステージは、サクと亜紀の初恋が始まるところです。最初の思い出深いシーンは先生の告別式のシーン。亜紀は優等生で通っていて、告別式では突然の雨の中でも毅然として弔辞を読み上げます。そんな彼女に傘をかざすのがサクなのです。その後、サクに対して亜紀は感謝の言葉を述べ、そこから二人の愛が始まります。その当時流行っていたラジオDJにて、葉書が読まれるとウォークマンがもらえるというサービスがありました。サクは亜紀が白血病にかかるストーリーをでっち上げ、ウォークマンを手にします。その放送を聞いていた亜紀は立腹するのですが、その後、ウォークマンを通じて音声による交換日記をすることとなります。二人の中はどんどん深まり、二人で無人島に宿泊したりするようにもなるのです。
しかし、皮肉なことに亜紀は白血病であることがわかります。抗がん剤治療によりボロボロになった亜紀ですが、サクと一緒に憧れのオーストラリアに行きたいと言います。二人は実現するため空港まで行くのですが、そこで亜紀が倒れてしまうのです。この時の「誰か助けてください」と叫ぶサクの台詞は忘れられません。
もう一つの名シーンは、もう命が短いと言うことを知りながら、写真館にて結婚式をしたことです。籍までは入れませんでしたが、その写真はとても感動的でした。