風と共に去りぬ / Gone With the Wind

風と共に去りぬ / Gone With the Wind

『風と共に去りぬ』とは、アメリカの女流作家マーガレット・ミッチェルにより1936年に刊行された長編時代小説、およびそれを原作とした映画作品、舞台作品などである。
舞台は奴隷制が残る南北戦争時代のアメリカ南部。気性の激しい主人公の女性スカーレット・オハラの激動の半生と、彼女を取り巻く様々な人間達が南北戦争という変動の激しい時代を背景に生き生きと描かれている。アメリカでは1936年中に100万部を超えるベストセラーとなり、以来世界中で2000万部を超える有名作品になった。
原作小説は1937年にピューリッツァー賞を受賞。ビビアン・リーとクラーク・ゲーブルの共演でD.O.セルズニックにより映画化され、1940年には第12回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞など10部門を受賞。
日本では太平洋戦争の終わった1952年に公開され、宝塚歌劇団では1977年に初演されて以降、何度も再演されている人気演目の1つである。

風と共に去りぬ / Gone With the Windのレビュー・評価・感想

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風と共に去りぬ / Gone With the Wind
10

死ぬまでに観るべき映画の1つ

宝塚にハマった小学生時代(宝塚で度々ミュージカルとして上演されています)に初めて見てから、現在40代ですがずっと1番好きな映画です。
見る年代により自分も変化するので、感じることや感情移入する登場人物も変わります。今見ても全然古臭くなく、どの場面のファッションも本当に素敵ですし、ヴィヴィアン・リーの美しさやクラーク・ゲーブルの魅力にいつ見ても圧倒されます。
自由奔放で美しいスカーレット、ずっと近くでまたは遠くで見守りつつ本気で愛してくれるレッド。他の登場人物も皆それぞれ名優達が魅力的なキャラクターを演じ、それぞれが印象に残ります。

全部で4時間近くと長いですが、前後編ぶっ続けで見ることをオススメします。「こんな映画を作る国と戦争して勝てるわけがない」と言っていた知り合いがいましたが、本当にCGなどがない時代に、よくここまでのスケールで撮影したなと思います。
絶対に失敗できない、ビックリするような迫力のシーンも出てきます。

壮大なストーリー、名台詞の数々、毎回得るものがあるこの映画…。これからも人生の節目節目で見ていきたいと思っています。見たことがない人は是非見てほしいですし、たまに映画館でやっていたりもするので、願わくば映画館で見てほしい作品です。

風と共に去りぬ / Gone With the Wind
10

風と共に去りぬ

世界映画史上空前の名作で、今でも世界のどこかで上映されているといいます。
1930年代の作品ではありますが、まったく古さを感じません。それだけ脚本が優れていることを証明しています。時代背景も素晴らしいです。南北戦争を舞台に男女の愛憎劇を波乱万丈に描いたスケールの大きな大河ドラマです。モノクロ映画が当たり前の時代にカラー作品で作ったことにも驚かされます。さすがハリウッド映画というべき、アメリカの底力を感じます。
俳優陣も豪華で、スカーレット・オハラに当時は無名だった英国の新人女優ビビアン・リー、レッド・バトラーにハリウッドのキングたるクラーク・ゲーブル、その他にオリビア・デ・ハヴィランド、レスリー・ハワード、トーマス・ミッチェル。
マーガレット・ミッチェルの大河小説を映画にするのも大変ですが、主演女優を決めるのにも苦労したようです。アメリカ中の女優にオーディションするものの見つからず、スタジオ見学に来ていたイギリスの新人女優を見たプロデューサーがここにスカーレット・オハラがいると叫んだらしいと言われています。しかしこれはおそらく都市伝説の一つだと思います。アメリカの女優たちが激怒したとのことですが、こちらは間違いなく事実でしょう。
映画の出来はとても素晴らしく永遠の名作になりました。ハリウッドはリメイク好きですがこの作品はリメイク不可能。今でも世界中のどこかで…。

風と共に去りぬ / Gone With the Wind
10

タイトルなし

・簡単なあらすじ紹介
時はアメリカの南北戦争時代。
奴隷賛成派の南に住む女「スカーレット」。気性が荒いが持ち前の美貌で近所の男を我が物にするのがお得意。
だがそんな彼女には唯一無二の存在である男がいた。それが「アシュレイ」である。
アシュレイはスカーレットと真反対で物事を冷静にとらえ、戦争には関係のない芸術などの知識が豊富な美少年である。
ある日アシュレイがいとこのメラニーと結婚することを聞いたスカーレットはとあるパーティーでアシュレイに求婚。

結果はさんざんで当てつけでメラニーの兄とスカーレット結婚。
戦争がはじまりすぐに未亡人となったスカーレットの前に現れたのは悪いうわさで有名の「レット・バトラー」。
彼はスカーレットがアシュレイに求婚を断られるのを見ていた人間であり、又、スカーレットに惚れている人物であった。
裕福であったスカーレットの生活は戦争で一変した。
戦争の中で生き延びるたくましいスカーレットとレット・バトラーとのやり取りやアシュレイへの恋心、ひ弱だが心が美しいメラニーの生き様など、どの視点から映画を見ても楽しめる内容となっている。

・こんな人におすすめ
✓ 内容の濃い恋愛映画を見たい方
✓ 展開が読めない映画を見たい人
✓ ラストに納得する映画を見たい人
✓ 豪奢な映像を見たい人

・風と共に去りぬの魅力
何より映像が美しい点が魅力である。
最初の場面では「お屋敷」のポーチで男とお話をする若き日のスカーレットが映し出されている。
白を基調とした美しい建物に白のドレスを着て男とパーティーの話をするスカーレットの姿はまさしく幸福の象徴である。

アメリカの南部が綿花で栄えて裕福な時代であったので映画の初めは豪華な映像が目白押しである。
女性たちの美しい衣装に注目して見るのも楽しいだろう。

戦争時代の話ということもあり、上記の美しい場面とは対照的に、ケガをするが医者が足りずに苦しむ何百人もの兵士や、主人公が通った通路が大爆発したりするなど、迫力的な場面もある。
命の危険を感じたことのない少女がいつしか大人の女性、たくましい女に変化していく様子が丁寧に映し出されている。

映画自体は3時間を超える超大作である。
サクッとみようとする人には不向きの映画である。しかし3時間を費やして見る価値が十分にある映画なのだ。

戦争時代ということもあり、生きるために必死な主人公スカーレットが自分の美貌と頭脳を最大限に活用して自分の生まれ故郷を守り抜く力強さには必ず心打たれるはずだ。
周囲の批判も気にせず妹のフィアンセを自分の夫にしたり、食べ物が無限のようにあった実家は消え、畑に残っていたニンジンを洗わずそのまま口にするスカーレットの姿には何とも言えない感情を抱くはず。

当時の時代背景をそのまま映像にしたような場面が多々あり、黒人奴隷や性産業への対応が今現在問題視されている。
だが、過去の惨事を記録した貴重な証拠でもあるのだ。

南北戦争が終わり全てが変わり果てた社会に生き残ったスカーレット、レット、アシュレイ、メラニー達の関係は勿論穏やかではなく最終的にスカーレットは土地以外の全てを「南北戦争」という風と共に失ってしまうのである。

ラストは決して明るいものではない。
また、ハッピーエンドの物語だけがいい映画というわけではない。
終わった後にはすっきりしない気持ちが残るが主人公の性格や時代背景を考えるとあのラストに納得するはずである。