ハルとアオのお弁当箱

ハルとアオのお弁当箱のレビュー・評価・感想

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ハルとアオのお弁当箱
10

手作りのお弁当が食べたくなる!

オタクの春葉とオネエの蒼。世間から微妙に「ズレた」二人の、お弁当の文通を通した日常を描いた作品です。
二人の間に漂う優しい雰囲気が、日常生活で荒んだ心に染みます。世界は決して異分子に優しくはないけれど、よくよく見ていればみんながみんなそうでもない。そしてそれに気付くためには、相手と直接喋ってみないとわからないのだということに気付かせてくれるお話です。
個人的に、ハルちゃんとアクセサリーにまつわるお話に本当に共感しました。読んでいて一番心が痛かったです。特に、自分を傷つける言葉を吐いてしまうことが癖になっている方にはぜひ読んでいただきたい。アオさんの言葉とハルちゃんの笑顔に、胸が熱くなりました。
また、お弁当がテーマのお話に相応しく、各話の間にはお弁当にぴったりの簡単で美味しいレシピもついています。切って和えるだけ、など本当に簡単なレシピばかりなので、普段自炊したいけどできてないという方、ついつい外食で済ませてしまうという方にもぜひおすすめしたいです。
このお話を読み始めてから、お弁当を毎日作れるようになった!という方もきっといらっしゃるのではないでしょうか。そう思ってしまうくらい、自分が作ったとは思えないくらい美味しいものが作れますので、ぜひぜひ試してみてください。