パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)のレビュー・評価・感想

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パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
9

手に汗握る展開

始まりは、半地下に住む家族の日常風景からです。韓国では、貧富の差が激しく、半地下というのは低所得者をイメージさせるものだそうです。最初は、家族のコミカルな会話や展開に、ずっと笑っていました。お金はなくても全員仲が良く、楽しそうな暮らしをしている、と思ったのです。しかし、長男が経歴を詐称して、とある富豪の家で家庭教師として働くところから、どんどんおかしな方へと進んでいきます。私は、ここからもう目が離せませんでした。あれよあれよという間に、巧みな話術と作戦で、富豪の家庭を侵略していくのです。妹、父親、母親。半地下の家族全員が、いつの間にか富豪の家で働くこととなり、全員が収入を得ることができるようになりました。富豪の家族たちがキャンプへ出掛け、今夜は返ってこないことを知ると、半地下の家族たちは富豪の家で宴を開くのです。しかし、こんなうまい話が長く続くわけがありませんでした。外では大雨。遅い時間にインターホンが鳴ります。画面の向こうに映るのは、元家政婦。忘れ物をしてしまった、取りに行きたい、と懇願します。忘れ物を取りに行くくらいなら、と半地下の家族は、元家政婦を家に入れました。なぜ元家政婦がこんな夜に?なぜ大雨の中ずぶぬれで?ここから、物語は急展開を迎えます。人間の良く、家族愛。美しくも悲しい、半地下の家族の物語でした。

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
9

この先どうなるの?って観ながら思う1本!

アジア映画で初快挙、『第92回アカデミー賞』に輝いたのは、記憶にも新しいと思います。ですが、個人的には『JOKER』だと思っていたので、最初は疑心暗鬼で見始めました。韓国映画はわりとバイオレンスな作品が多いイメージがあり、恐る恐る観ていたのですが、気が付くと既にエンドロール。まず、作品のテンポの良さに驚きました。そして韓国が抱える貧富の差をストーリーに混ぜて切り込んでいく潔さ、そして、地下に住む人々の様相をリアルに描き切る監督のこだわりにも驚かされた1本です。作中に出てくる財閥の家は庭も含め、日本のものとは比べものにならないほど広く、実は地下に核シェルターを持っているという展開に、いつ北の国や中国などの核保有国からの攻撃を受けてもおかしくない、韓国国民の持つ日常の緊迫感を感じました。シリアスな場面も多いのかと思いましたが、半地下家族のコミカルなやりとりや、貧しい中でも懸命に生きている様子は、人間味があって、この映画の中でも好きな場面のひとつです。結果的に息子→妹→父→母へとパラサイトは成功していくのですが、家政婦さんを退職に追い込むやり取りは見事でした。家族の連携と、お金持ちの奥様が浅はかな判断をしてしまうあたりの流れがかなり気に入っています。作中に散りばめられた伏線を後々たどりながら、謎解き感覚で観られる1本かな、と思います。

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
10

格差社会の実情を訴えかけてくる

半地下で暮らす全員失業中の貧困層のキム一家4人が、富裕層のパク社長一家へ次々に寄生(パラサイト)していく物語。パク家は高台の大豪邸に住み、キム家とは真逆の生活を送っている。日本人の私たちからすれば、そもそも半地下の住宅に全く馴染みがないため、半地下住宅からの景色を映す最初のシーンから驚く人もいるのではないだろうか。格差社会をリアルに映し描き、その実情を視聴者へ真っ向から訴えかけるこの作品には「アカデミー作品賞」という大きな賞も贈られた。この受賞がさらに話題を呼び、映画館は平日の昼間から連日超満員であった。作品の注目シーンとして、一家そろってパク家へパラサイトしたキム一家がパク家の留守番をしているシーンがある。パク一家がいないことを良いことに、酒や食べ物を飲み食べ散らかしやりたい放題していたところへ、土砂降りの雨の中パク家を追放された元家政婦が訪ねてくる。現家政婦のキム家の母は怪しみながらも元家政婦を家へ招き入れるが、この行為が物語を予想もしなかった方向へ導く。このシーンをきっかけに物語の展開は急加速し、観ている私たちもどんどん作品へ引き込まれていく。ありえないように思えるストーリーだが、韓国の格差問題のリアルに迫った作品であり、韓国の実際の半地下住宅を日本メディアでも取り上げられるほど影響を与えた。アジア作品で初のアカデミー作品賞を受賞したこの注目の作品は、多くの人にシェアされるべきであろう。

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
9

テンポの良いストーリー展開、ラストのどんでん返しも見事

オープニングからテンポの良い展開で、まったく中だるみをすることなくストーリーにグイグイ引き込まれます。テーマとしては、貧困や階層社会を扱っているので、もっとシリアスな内容の映画なのかと思っていたのですが、見ていてプッと笑えるポイントも随所にちりばめられていてコメディ映画かな?と思わせる要素も多分にあり、飽きさせません。エンターテインメントとして本当に優れているなと思いました。家族一人一人が順番に金持ち一家にパラサイトしていくさまは、良くこんなストーリーを考えたな~と感心してしまいました。韓国のドラマや映画は好きなので普段から良く見ていますから、クオリティの高さは分かっているつもりでしたが、想像以上のデキでした。中でもお父さん役のソンガンホの演技は、まさに鬼気迫る雰囲気で、常軌を逸した役をさせたらこの役者は凄いな!と改めて感動しました。また、娘のキムギジョンも普段のすれた印象から、美術の家庭教師に変身し、インテリジェンスを感じさせるところも上手いなと思いました。意外な展開となるラストでは、見ていて目を覆いたくなるような残虐なシーンも多分にあるのですが、根底には深い家族愛を感じさせるので、そこは救われる気がしました。

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
9

面白すぎました!

アジアで初めてアカデミー賞作品賞を受賞したと聞き、ワクワクしながら映画館に行って観ました!新型コロナウイルス感染症も流行っていたので、そこまで人は多くないと踏んでいたところ、ほぼ満員で驚きました。笑
内容としては、韓国を舞台にしたコメディで、鑑賞中はほとんど笑っていました。貧しさの中で生まれた知恵を巧みに使って生き抜こうとしていく一つの家族が、たくましくもあり、面白かったです。また、少し天然っぽい役柄の女優さんが、とにかくスタイルも良く美しく、裕福で何もかも持って生まれた感じでしたが、最終的にとても可哀想な結末になってしまい気の毒でした。主人公は貧しいながらも知恵があり、とても優秀な青年でした。ですが、友人からの厚い信頼をよそに、やはり可愛い女の子を目の前にすると、自分本位になってしまっていて、それがとても人間らしいと感じました。最後の方は、殺傷の表現が生々しくて、時折目をつぶってしまうことがありました。友人は耐えきれずに退席してしまうほどでした。そしてとにかく素晴らしいと感じたのはクライマックスです。色々と取り返しのつかないことをしてしまった後、一体どんな結末になるのかと思ったら、予想外でした。そういう意味でもパラサイトになるのかと脱帽する結末でした。

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
9

誰にでも起こりうる感情

アカデミー賞を受賞したこともあり、田舎の映画館ですら超満員でした。そして裏切らない内容です。お金持ち家族に貧乏な家族が寄生する、と前評判で聞いて、てっきり生きる気力もなく、ただ物乞いをしている家族なのか?と思っていたのですが、実際は全く違います。お金持ち家族から仕事を得ているのは確かで、それぞれの強みを活かしてしっかりと働いています。多少(結構大きいか!?)嘘があるもののそれ同等の対価を得て暮らしています。半地下の家族は極端な例ですが、これは多くの人に当てはまるのではないでしょうか。その点で、上映開始からとても共感が持てました。色々事件が起こっていき、最後には取り返しのつかないことになります。社会全体として、様々な境遇の人間がいて、考えがあって、それを全て理解することは到底無理なことですが、少しでも他人に優しく出来たら、この映画の様な格差は小さくなるのではないかと思います。金銭的な格差は勿論ですが、道徳的な格差もです。社会的な韓国映画は、鋭く問題に切り込んでいてこの映画に限らず色んな意味で面白いものが沢山あります。とても考えさせられます。パラサイトは、このような映画の入り口としても、入りやすい映画だと思います。

パラサイト 半地下の家族 / Parasite (2019 film)
8

疾走感と展開の意外性。アカデミー賞受賞も納得の作品。

話題を呼んだ韓国映画、パラサイト。私は普段韓国映画を見ることがなく、話題作ではありましたが興味はありませんでした。しかし、トレーラーの疾走感に興味を引かれ、公開数日後に観賞しました。
大まかなストーリを説明すると、半地下(韓国では所得の低い家族の多くが住んでいるそう)に住むキム一家の長男が、ひょんなことから富裕層のパク家の娘の家庭教師を務めることになる。パク家の「シンプルさ」に目を付け、あらゆる手口を使ってキム家長男だけでなく、長女、父親、母親もパク家のもとで働けるように仕向ける。しかも、元従事していた家政婦や専属運転手を陥れたりするなど手口は正当なものではなかった。さらにキム一家は家族でありながら他人のふりをしてパク家に従事していた。
パク家の外出中、キム一家は我が家のようにパク家で自由に過ごすが、突然、キム一家が陥れた元家政婦の女が「地下に忘れ物をしたので取りに来た」と訪ねてくる。そこからキム一家、パク一家の運命は大きく傾く。
前半は、コメディ調ですすめられているが、後半からはシリアスすぎる展開でとてもハラハラさせられた。観賞後は、疲労感すら感じたがテンポの良いストーリー展開と予想外の結末に2時間も観賞しているとは思えないほど時間が経つのが早く感じた。
暴力的なシーンがいくつかあるため、「話題作だから見に行こう!」という軽いノリでは見に行ってはいけない作品でもあった。これまで見てきた映画のなかでも最も印象に残る作品と言っても過言ではない。2度は見たいとは思わないが、必ず一回は観賞してほしい作品。