フォードvsフェラーリ / Ford v Ferrari / Le Mans '66

フォードvsフェラーリ / Ford v Ferrari / Le Mans '66

『フォードvsフェラーリ』とは、アメリカ合衆国で2019年に公開された、”ル・マン24”でフォードとフェラーリがしのぎを削る実話を基にした作品である。キャロル・シェルビー、ケン・マイルズ、ヘンリー・フォード2世などの実在の人物が登場する。1965年の”ル・マン24”でマイルズがドライバーから外される描写があるが、実際はドライバーとして参戦(リタイア)しているなど、脚色されている部分もある。伝説といわれる、1966年の”ル・マン24”を描く。第92回アカデミー賞「音響編集賞」「編集賞」受賞作品。

フォードvsフェラーリ / Ford v Ferrari / Le Mans '66のレビュー・評価・感想

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フォードvsフェラーリ / Ford v Ferrari / Le Mans '66
8

カーレースについてリアルに作っています。

米フォード社がル・マン24時間耐久レースに参加し始めた頃の事を描いた映画です。
米国の団塊の世代が車を購入する年齢になってきたことから、フォード社幹部は若年層に車を売るイメージ戦略としてフェラーリ社を買収しようとしますが上手く行かず、逆にフェラーリの社長から馬鹿にされます。
そのためフォード社は独自のチームを作り、ル・マンに参戦することにします。
そのころ、’59年にル・マンで優勝したキャロル・シェルビーは心臓病によりレーサーを引退して、独自のレーシングカーの会社を経営していました。
そこにフォード社の重役で後に社長となるアイアコッカが話を持ち掛けます。
そしてシェルビーは以前からの知り合いのケン・マイルズをレーサーとして誘います。
イギリスから来たマイルズは自分の自動車修理工場を持ち、レースに参加していましたが、工場の経営が上手く行っていなかったのでした。
そしてシェルビーたちはル・マン用のレーシングカーを作り参加しようとしますが、シェルビーと社長のフォード2世の間には多くの人が居て、なかなか物事が進まないのでした。
本作はそのような大企業のトップが何かを決めても何かと進みにくかったりする部分と、レースの現場の様々なことがしっかり描かれていて、レースシーンも迫力満点です。レースというものが単に速さを競うだけではなく、欠点をいかに誤魔化しながら走り続けないといけないかなど、こちらの知らないレースの現場の事が多く盛り込まれていました。

フォードvsフェラーリ / Ford v Ferrari / Le Mans '66
8

車はあまり知らないけど

私は車のこととかよくわかりませんが、フェラーリといえば、こち亀の中川が乗ってる高い車でF1に出ているというイメージです。
そのフェラーリ対フォードという題名の映画なので、スポ根ものかなと思って見ました。
だけど、見てみるともっと深い企業と下請けの話で、レースだけでなく、車の開発とか整備とかもっとたくさんのことに焦点をあてた映画でした。
もちろんレースのところはしびれました。あんま車に興味のない私でも、あの速さにゾクゾクしたのだから、車好きにはたまらないと思います。
役者陣もすばらしかったです。私はバディものが好きなのですが、クリスチャン・ベイルとマッド・デイモンもバディ感はたまらなくいい感じでした。
クリスチャンはバッドマンのときは体もでかく金持ちっぽかったけど、今回は細めで、ほんと肉体改造がすごいなと思いました。
物語は、実話なので知っている人は知ってると思いますが、とても悲しい出来事があり、泣けました。
会社のために、もちろん自分も好きなことでしょうけど、そのことで死ぬなんて、悲しいことだし、周りの人たちの悲しみもいかほどだろうと思うと、涙が溢れてきました。
でも、最後は希望のある感じで終わり、よかったです。

フォードvsフェラーリ / Ford v Ferrari / Le Mans '66
10

最高傑作であり、感動するカーアクション映画でした。

最初はただのレースするカーアクション映画かと思いましたが、本当に実在した伝説のレースであり、フォードとフェラーリが戦う素晴らしい映画でした。
フォードがずっと負け続け、経営を盛り上げるための策として講じたフェラーリの買収が、成立寸前で違う会社がフォードより高値を出してきて決裂、そのダシに使われていたのに怒ったフォードの気持ちが痛いほど伝わってきました。しかもそのレースも上手いこと勝てなくて、縋ったのがル・マンで唯一勝ったことがあるアメリカ人のシェルビーであり、マイルズだったその決断は正しかったと映画の終わりで思いました。でも、そう上手く出場させてくれない副社長の思惑が邪魔して、それを仕返ししたシェルビーたちがどんどん好きになってきました。だからマイルズの不器用な性格が愛おしくて、そんなマイルズと衝突しながらも支えて、レースに出し続けてくれたシェルビーのコンビ愛が本当に尊くて感動しました。その結果、フォード三台の同時優勝することを選んだマイルズに対して最後の最後で裏切った副社長に本当に憤りを感じました。だから、悔しみながらも会場を去った二人の姿に涙が流れたし、その後のマイルズの死に号泣しました。本当に素晴らしいカーアクションで自身もレースに出てみたくなるほど面白かったです。
想像以上に感動した最高傑作で、本当に伝説の戦いを映画化してくれて嬉しかったです。