クロスゲーム / Cross Game

クロスゲーム / Cross Game

『クロスゲーム』とは、作者・あだち充による青春野球漫画である。「週刊少年サンデー」で連載されて、単行本は全17巻。小学館が主催している日本の漫画賞で、平成20年度第54回小学館漫画賞少年向け部門を受賞した。アニメにもなっており、人気の作品だ。
高校生になったコウは、若葉が最後に見た「コウがピッチャーで、赤石君がキャッチャー。舞台は超満員の甲子園。」という夢を叶えるため、野球部のエースとして奮闘する。甲子園を目指して、青葉とコウの運命の歯車が動き始める。

クロスゲーム / Cross Gameのレビュー・評価・感想

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クロスゲーム / Cross Game
8

あだち充原作漫画!アニメ化にもなった『クロスゲーム』の魅力とは?

漫画『クロスゲーム』は、『タッチ』や『H2』などを描いたあだち充さんの作品です。全17巻で完結しています。
主人公の樹多村光は、小学5年生の時に当時好きだった月島若葉という幼馴染みの女の子を亡くしてしまいます。
若葉が最後に見た夢が、コウがピッチャーで赤石(コウと若葉の同級生)がキャッチャー。舞台は超満員の甲子園です。その夢を叶えるため、高校の野球部に所属し日々奮闘します。
亡くなった若葉には、1つ下の青葉という妹がいました。青葉は野球が大好きで、コウにピッチングフォームなどを教えるぐらいです。
青葉も、コウと同じ野球部に所属し、女の子で公式戦に出られない無念さも分かりながら日々努力して奮闘します。
その姿を見たコウは、青葉を気遣うと同時に魅力にも気づいていきます。青葉は160キロのストレートを投げる人が好きと断言しています。
コウは果たして、160キロのストレートを投げられるのか…。160キロ出たかどうかは読者の想像に任せるような描き方をしています。ただ単純に野球と恋愛を描いているのではなく、登場人物の感情の変化や読み取り方などは、読者一人一人が違った角度から見て解釈できるのではないかと感じます。また、コウと青葉以外にもユニークな登場人物や、何気ない言葉なのに心に染みる表現もまた、『クロスゲーム』の魅力の1つです。

クロスゲーム / Cross Game
10

クロスゲームを見て

1話で主人公たちが小学5年生時代の話が放送されました。1話では主人公の樹多村光と同じ病室で生まれて幼馴染として育った次女の月島若葉、三男の月島青葉が出てきます。若葉は、光と仲が良く毎年同じ誕生日ということもあり、誕生日プレゼントの交換をしていました。若葉は光が誕生日プレゼントに悩まなくて済むように、20歳までのプレゼント表を光の部屋に貼っていました。その後、光に若葉が「キャンプから帰ってきたら夏祭りに行くんだからね」と言いキャンプへ出かけます。しかし、その話の最後に夏のキャンプ中の事故で亡くなってしまいます。その後、お葬式のシーンを挟んだ後に光が1人で夏祭りに出かけるシーンがあり、最後に月島家の前で同級生の赤石が家の外で手を合わせて泣くの見て、「泣けばいいんだ。」というシーンでエンディングに入ります。私はこのシーンを見て1話から泣いてしまいました。また、この作品はエンディング曲が誰かの心境を歌っているようなものが多く、エンディングを聞くだけで泣いてしまいます。また、途中で若葉似の子である滝川あかねが出てきたりと、恋愛の方でも光が誰と付き合うのか等、野球以外にも楽しめる要素が多かったです。野球アニメではありますが、野球にあまり詳しくない私でも面白いと感じます。その他のシーンも面白いため見やすく、アニメだけでなく漫画も揃えたり、気分が落ち込んでしまっている時に毎回見る作品です。

クロスゲーム / Cross Game
9

大切な人を大切にしたくなる

野球漫画です。ですが本格的な物ではなく登場人物達の人間関係、友情や恋愛の方に比重のある作品となっています。スポーツ店の子供の男の主人公(樹多村光)と喫茶店&バッティングセンターをやっている幼馴染の家庭、4人姉妹。特に同級生の子(月島若葉)と1つ下の子(月島青葉)が物語の主軸として動いてくれています。初めは光達が小学生の時からお話のメインはスタートします。普通に描かれる日常。大きな事はありませんが平和で楽しそうな毎日。光と若葉はお互いに好き合っていて、妹の青葉は一方的に光に敵意を示しています。これも大好きな姉の若葉を取られての態度なので可愛いのですが。そんなほのぼのシーンを描いていく中で本当に前触れもなく若葉が川で水難事故にあって命を落としてしまいます。この展開には知らずに読んだ時は本当に驚きでした。本当に急でしたので。思い入れが出てきた時にこんな展開が待っていて、作中ではみんな泣いていたりで読んでて本当に泣きました。そんな悲しい出来事から数年が経ち光が高校生になる所まで話が飛びます。光は昔から若葉達の家のバッティングセンターで遊んでいたり、キャッチボールなどはしていましたがここから本格的に野球と関わって行くことになります。昔に若葉が夢で光が甲子園の舞台にいた夢を見たと嬉しそうに話されたのを覚えていて野球部へ入ったのでした。そこから若葉への気持ちもありながら青葉への気持ちもでできたり、青葉も若葉が大好きだった光への気持ちも出てきたり。とにかく甘酸っぱい感じで話は進んでいきます。青春を振り返りたくなるような素敵な作品です。