ジョーカー / Joker

ジョーカー / Joker

『ジョーカー』とは、2019年にアメリカ合衆国で作成されたスリラー映画である。DCコミックス『バットマン』に登場するスーパーヴィランであるジョーカーが主人公となっており、2019年10月4日に日米同時公開された。舞台は、まだバットマンが誕生する以前の、不景気により治安の悪化する1981年のゴッサム・シティ。後のジョーカーことアーサーは、発作的に笑い出してしまう病と病弱な母親を抱えながら、一流のコメディアンを目指して貧しい生活を送りながらピエロのアルバイトを続けていた。

ジョーカー / Jokerのレビュー・評価・感想

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ジョーカー / Joker
9

不思議とすっきりする作品

「バットマン」に出てくる悪役ジョーカーの物語。ジョーカーと言えば映画「ダークナイト」に登場する「頭がいいが非常に残虐でサイコパス」というイメージがあるかと思います。しかし、このジョーカーはそういった様子はまったくなく、むしろ弱々しい印象でした。

主人公のアーサーは「突然笑いが止まらなくなる」という精神疾患を抱えた男性でした。
「精神疾患」「低賃金・貧困」「世間からの非難」「孤独感」そして「不幸の積み重なり」。現代社会では誰もが遭遇する、遭遇してもおかしくない問題が、ジョーカーという1人の怪物を生み出してしまった様は「私たちのだれがジョーカーになってもおかしくない」という気持ちにさせます。

劇中で特に印象的なのが、雨上がりの階段の踊り場で、ピエロのメイクをしたアーサーが踊るシーン。よく告知動画などでも目にするシーンですが、、アーサーがジョーカーとなる瞬間であり、ここからラストシーンまでアーサーの凶行が続いていくのです。
しかし、このシーンから終盤まで、不思議とスカッとした気持ちになります。もちろんアーサーの行いは許されるものではありません。しかし、ラストの「俺が歩道で死にかけても踏みつけて歩くくせに。俺は毎日あんたたちとすれ違ってる。でも誰も俺に気づかない」「心を病んだ、打ち捨てられて孤独な男を、ゴミのように扱うと何を受け取ったか教えてやるよ!報いを受けるんだ」というアーサーの心からの叫びにはぐっとくるものがありました。

ジョーカー / Joker
10

呼吸すら忘れさせる、ジョーカー。

言わずと知れた名作「ジョーカー」。
バッドマンのシリーズに登場するヴィランであるジョーカーを主人公に作られた映画です。
主演はホアキン・フェニックスで、監督はトッド・フィリップスが務めました。
吹き替えは平田広明さん。
冒頭でホアキン・フェニックスの圧倒的な芝居に引き込まれていきます。
構成もしっくりくるもので、劇中でかかる曲やカメラワーク、背景やセットに至るまで細かく見ようとすれば何時間あっても足りないほど、拘り抜かれた作品です。
精神的な病を抱えながら、とても生きにくい世界で生きていかねばならない苦しさ。
足を何かにずっと絡め取られて身動きが取れないような感覚を、観客までもが感じるような空気。
見始めたならば、終始引き込まれ続けるでしょう。
一発撮りの箇所や、階段のシーンは映画史に残る名場面となりました。
滑り落ちるように、落とされるように、ジョーカーが始まっていく姿は、息するのを忘れるほどです。
ある種の終わりからの始まりへ向かっていくジョーカーがラストシーンで観客に見せたものとは…。
賛否両論を生み出した作品ですが、必見です。
たくさんの賞も受賞しており、アカデミー賞では主演男優賞ほか11部門もノミネートされるほど。
興行収入も言わずもがな、大ヒットしました。
経験したことのないドキドキを感じたければ、見るべし!です。

ジョーカー / Joker
7

ホアキン・フェニックスの本気を感じた作品

先日2019年のアメリカサイコスリラー映画「Joker」を見た。
監督はトッド・フィリップス、脚本はトッド・フィリップスとスコット・シルヴァーが勤め、ホアキン・フェニックスが主人公アーサー役を演じる「Joker」。
この作品の最も凄いところは、ホアキンは主人公アーサーを演じるにあたって24キロも体重を落としたと言う信じがたい彼の役作りの本気だ。
精神疾患を持つ主人公アーサーは、一流のコメディアンになると言う夢を持っていた。
彼は突発的に笑いだしてしまう病気を持っていながら、母親ペニーに「どんな時でも笑顔で」と言う言葉をいつも胸に強く生きてきた。
大人になった後は悲惨な人生を歩み続け彼の中で転機的な出来事が起こる。
コメディアンである彼は自分の人生を「悲劇」では無く、「喜劇」と受け入れ新しい人格を手に入れ自分らしく生きていく。
筆者の好きなシーンを一つ紹介する。アーサーが突然冷蔵庫の中に入っているシーンがあるのだが、実はそれはホアキンのアドリブだったという。
だが作中内ではそれをアドリブと思わせない程の凄まじい狂気と、独特なリアルな演技につい釘付けになって見てしまう程の魅力を感じた。
どん底の人生での生き方について考えさせられる、そんな作品であった。

ジョーカー / Joker
10

史上最高のヴィラン映画、Joker

バットマンシリーズの敵キャラとして大人気のヴィラン、ジョーカーの映画です。この映画は、「なぜジョーカーという人物が誕生したのか?」というキャッチコピーで公開されました。
まず、この映画は見る人によって結末の解釈が違います。私の友人はこの映画をハッピーエンドだと言いましたが、私はバットエンドだと感じました。この映画の良さは、視聴した側や注目する点によって結末の感情さえも変わってしまうところです。
もう一つ、私がこの映画をお勧めしたい理由として、セリフや表情だけではなく体でさえももジョーカーに成り切っている主演のホアキン・フェニックスの演技です。泣くように笑い、楽しそうに落ちていく彼の演技には鳥肌が立ちました。物語の後半になるにつれて、ホアキン演じるアーサーがジョーカーになり、どんどん絶望に立たされて生きます。
しかし、彼は明らかに幸せな前半とは違う生き生きとした顔でどん底に落ちていくのです。彼がなぜジョーカーになってしまったのか?そして、彼はなぜジョーカーになることを自ら望んだのか?なぜ彼は落ちて行ったのか?
他の映画にはないような緊張感と絶望感が味わえる映画です。ぜひ、ジョーカーという人間の生き方を感じてください。

ジョーカー / Joker
7

ホアキン・フェニックスの熱演&怪演!

主演のホアキン・フェニックスがアカデミー賞など、いくつもの賞を受賞しただけあり、後にジョーカーとなる男・アーサーの人物描写はとても重いです。予告編を観た限りでは、ちょっとダークだけどポップでテンポの良いアメコミ映画ぐらいに思っていましたが、想像以上に心理的な情景に重点が置かれていました。
ヒーローのバットマンに対する悪役のジョーカーですが、彼を主役にした映画ならば、当然、観客を感情移入させるだけのエピソードを盛り込んでくるだろうとは思っていました。悪の怪人になるに至った、納得させられる経緯をです。
しかし、この作品で観せられたものは予想をはるかに超えていて、主人公アーサーはまさに転がり落ちるように不運に見舞われ続け、ストーリーはドロ沼化。そのこれでもかと襲いかかる悲しみ、苦痛を臨場感を持って表現しきったホアキン・フェニックスの熱演は見事でした。
ひとりの人間が悪に目覚めるまでに何があったのか?それを理解しようとすることは、世界の多様性を認めることにも繋がります。もちろん悪を認めるということではありませんが、そこに至るまでに、憐れみを受けなければならなかった部分があるということが重要なのではないでしょうか。

ジョーカー / Joker
9

現代社会に潜む"悪"

2019年に放映された"JOKER"は、DCコミックスバットマンに登場する悪役ジョーカーの誕生の経緯を描いた作品だ。急に笑い出してしまうという精神病を患った、主人公アーサーは、貧しくも母と二人で暮らしている。昼間は大道芸人、ピエロとして働き、いつかはコメディアンとなり、憧れの存在であるマーレーフランクリンのショーに出ることを夢見ていた。ある日不良の少年に襲われ、店の看板を損失してしまったことで生きる希望でもあった職を失ってしまう。そんな中、政治悪化の影響により福祉サービスが打ち止めになり発作の薬を受けられなくなる。精神病も患っているため社会にも溶け込めず、苦渋の果てにも報われない。
彼はこの世界では無力だった。
舞台は架空の都市ゴッサムシティであり、時代設定も現代ではないが、我々にも彼に共感できるところが多々あるのではないかと私は感じた。現代社会の日本に住む我々に貧富の格差はあまり無いといえるが、彼と同じく"無力"である人が実は多くいると思う。
ジョーカーは悪役として登場しているが、悪はなにから生まれるのか、勧善懲悪とはなんだったのか、そんな問いがこの作品に込められていると感じた。
最後に、バットマンという作品をとてもリスペクトされた作品だとも思うし、とにかく現代社会に生きる多くの人に観て感じてほしい我々の価値を。

ジョーカー / Joker
10

あまりに悲しい

あのジョーカーの過去がわかるというのでとても楽しみでした。思った以上にかわいそうな過去で悲しくなりました。お母さんが病で、自身も精神?神経の病で笑いたくなくても笑っちゃって苦しいし、なのにお金はないし、医療援助は減らされるし、ととても苦しい生活です。そんな中で、人に絡まれたり、バカにされたりしたら、誰だって切れてしまうと思います。彼が人を殺してしまったり、狂気に走るのを誰が批判できるでしょうか。でも、このお話が事実としたら、おかしいところは多々あります。私の理解ではブルース家の人はいい人だと思うのですが、なんかこの映画のアルフレッドとかひどいです。それに、ジョーカーて何かがあったからああなったのではなく、何もない、意味もなく、怖いという人である方がいいと思います。ですので、この映画の物語はジョーカーが語る嘘か真かわからない、過去話の一つと思うことにしました。ダークナイトでも、ジョーカーは傷の理由をいろいろ語っていたし、この映画の終わりのほうも、セラピストにジョーカーが語ってるみたいなかんじだったので、無理のない解釈だと思います。そう思ってみると、バッドマンファンも納得のいく映画なのではないでしょうか。

ジョーカー / Joker
9

映画「JOKER」のレビュー

まず結論から言うと、好き嫌いが激しい大人向け映画。(子供には難しすぎる)
DCコミックのヴィランの中でも最人気キャラであるジョーカーを主人公にしているので「キャラ映画」感が出ているかと思いきや、
しっかりと内容も構成されており、一つの映画として完成されている。
この時点でジョーカーを知らない人でも楽しめるのだが、
ジョーカーを知っている人ならより楽しめる。
自分の知っているジョーカーになっていく過程をドキドキしながら鑑賞し、最後にパトカー上での自分の血でのメイク…
あのシーンで「皆が知っているジョーカー」また知らない人は
「これがジョーカーなのか」と納得させられる!
また観てる最中での違和感・不満感をしっかりと最後までに解消させられる。
また映画を観終わってから、自分の感じた内容と他の人の感じ方が様々でそれがまた楽しめる!
「僕はあのシーンをこう思った!」「えっ?私はこう思ったけど」
と人によってとらえ方が違うように作られた監督が見事と言うしかない。
ただその感じ方の中に否定的な意見として、
「内容が難しすぎる」「ジョーカーがもっと暴れるとこがみたい」
といのもあり、その気持ちも分かる事から段階評価9とした。
また映画鑑賞後の爽快感は無い事もマイナス要因としてあり。

ジョーカー / Joker
10

ジョーカーは私たちだ

この作品を一言で表すと、社会から爪弾きにされた敗北者の復讐劇です。
ジョーカーは生来、消して悪人ではなく、むしろ気が弱く社会的な地位も低く、それでも善くあろうとした人間です。
ジョーカーが1人目を殺すシーンまでには、かなり長い、それまでのジョーカーの辛い生活が描かれています。懸命に働き、逆境にも耐え、それでも周りに踏みにじられ、誰にも評価してもらえない。映画を観る過程でどんどんジョーカーに感情移入していきます。1人目を殺したシーンではよくやった!!とガッツポーズしたくなるほどです。階段でのダンスシーンは特に印象的で、それまでは苦しそうに明日の生活を考えながらせっせと階段を上っていたジョーカーが人を殺してしまい階段を踊りながら降りていくシーンはある種の妖艶さを感じさせられました。
バッドマンが親の資産を使い、比較的容易にのし上がったのに対して、ジョーカーは初めから持っている物が何一つありませんでした。ジョーカーがしたことはけして擁護できることではありませんが、この映画を見た後にバッドマンを見ると弱者の立場など何も分かっていないくせに、とバッドマンに対して怒りを感じてしまうのが、この映画の最も恐ろしい点であると思います。

ジョーカー / Joker
10

ホアキン・フェニックスがいい

バットマンのジョーカーがどのようにして、ジョーカーになったのかという話です。
彼は貧乏で母の介護も必要で、病気でとても辛い人生を生きて、ついにキレてしまったというような話でした。その辛い思いというのが、もう見ていられないものでした。発作で笑いたくなくても笑ってしまうのに、薬の援助は切られちゃうし、ピエロのバイトでは絡まれるし、彼女だと思った人はあれだったしで怖いほどでした。彼女の真実見たときはもうここまでするか、監督!と思いました。
それに出生の秘密も辛いものだなと思いました。でも、そこは本当かな?母の妄想ではと思ったりもしました。なんか、あんな人生だったら、ジョーカーのようにおかしな人になってしまっても仕方ないかなと思いました。とはいえ、ジョーカーは最悪のヴィランです。彼を崇拝したくはないなと思うのですが、なんか彼を好きになってしまう作品でした。
ジョーカー役のホアキン・フェニックスはとても良い役者だと思いました。何より顔が良いです。あまりかっこよくないんですが、ブサイクというわけでもないし、ちよっと辛い目にあってきたみたいな見た目だなと思います。この映画はホアキンにとって、代名詞みたいな映画になったと思います。これからも彼を見てみたいと思いました。

ジョーカー / Joker
8

何も失う事なの無い「無敵の人」

私はこの映画を万人受けるものだとは思いません。そして、中学生や高校生といった未成年の方々にも見て欲しい作品ではありません。感受性豊かな方なら一発で歪むほど歪なエネルギーに溢れている作品だと思います。
この映画の主人公というのJOKERというのはこの映画の主役のアーサーのもう一つの名前です。彼は名前のないピエロとしてつまらない日々を過ごしています。自身の抱える障碍と、病気がちな母親を抱え、慎ましく、決して幸せとは言い難い日々を過ごしています。時には同僚に馬鹿にされ、町の悪ガキには暴力を振るわれる。しかし、彼にも希望はあり、それを糧に日々を過ごしていました。
ある時、彼はひょんなことから拳銃を手に入れます。それが原因でピエロの仕事をクビになっています。そこからは雪だるま式。その拳銃で人を殺してしまいます。何故こんなことになっているのか?
しかし、希望はまだあります。そう彼の夢はコメディアンになること。そして、テレビの向こう側の憧れの存在と肩を並べ仕事をすること。はたまた隣人との甘いラブロマンス。世界は希望に満ち溢れています。
まあ、そんなのは甘い妄想なんですけどね。
いずれ現実に引き戻された彼は全てをぶち壊します。彼を取り巻く環境も、彼を嘲笑した奴らも、全て。
そんな彼に賛同した人々は彼を祭り上げ、JOKERという人物が生まれました。
場面が変わり、白い部屋。精神病院の一室でしょう。彼は対峙しているソーシャルワーカーの女性にこういいます。「面白いジョークを思いついた」
さて、JOKERが思いついたジョークとは?今までのお話が全てジョーク?それとも宿敵に関する話?
私が今まで書いた600字程度の文に意味はありません。何故ならこの話はどこを掛け間違えたボタンのようなちぐはぐな話だからで。主人公は妄想癖に取りつかれ、現実と妄想の境に居ます。そのくせ最後には面白いジョークを思いついたと宣いこれまで語った話を煙に巻こうとしています。どこを取れば現実なのかなんて境はJOKERにすらわかっていないのかも…。
だからこそ、どう解釈をするのか、この映画を見てどう感じるのかは視聴者に委ねられているのかもしれません。
ただ、のめりこみ過ぎない事、共感しない事をお勧めします。どのみち、胸糞の悪いお話であることには変わりありませんから(笑)

ジョーカー / Joker
10

リアルすぎる「ジョーカー」

この映画は、アメコミのバットマンに出てくる、最強の悪役「ジョーカー」がどのようにして誕生したのかを描いた作品です。
主演はジョーカー演じるホアキン・フェニックス。
そして第79回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品、DCコミックスの映画化作品としては史上初めてとなる、最高賞の金獅子賞を受賞した程の話題作です。

まず、冒頭でジョーカーが、自分でピエロのメイクをしながら指をグッと口の端に入れ、無理やり笑顔を作るシーンがあるのですが、そこから引き込まれます。泣いている顔を無理やり笑顔にしたような、痛々しく悲しい笑顔なのです。
この後に「ジョーカー」と呼ばれる主人公は「アーサー・フレック」という1人の大道芸をしていた男性でした。
アーサーは脳の障害で、突然笑い出してしまう病気を持っており、それがネックで周りから不気味がられ、常に1人でした。
それでも、献身的に衰弱した母親の介護をし、病んでしまった心をカウンセリングや薬を服用しながら保ち、なんとか生活をしている日々。
いつかは誰かが認めてくれるはず、と健気に毎日頑張って生活していたのですが、アーサーの暮らしている街は崩壊寸前。貧富の差は開くばかりで、誰も弱者のことは見ようとしませんでした。
ある事件がきっかけで、どんどん考え方が変わっていくアーサー。
そして、隠された真実を知った時、アーサーは自分の人生は「悲劇」ではなく「喜劇」だと思えるようになるのです。

ずっと、救われない主人公を観ているのもとても辛かったですが、この映画の時代背景も現代に通じるところもあり、とてもリアルでゾクゾクしていました。
「ジョーカー」みたいな人は、アメコミの中だけでなく、現代にも存在しているのかもしれません。
そのくらいリアルでした。
賛否分かれる作品だと思いますが、今、この瞬間に観ておかなくてはいけないような気がする、そんな名作です。

ジョーカー / Joker
10

映画「JOKER」の感想

私自身、映画鑑賞は大好きで、かなり観る方ですが、バッドマン含めアメコミ系だけは本当に疎くて、でもこのJOKERだけは周りの評価や、主演のホアキン・フェニックスの演技が凄いとの情報が多かったので、絶対に観ようと決めておりました。
まずは、この映画はアメコミに疎い私のような人間でも、前情報無しで理解でき、とても良い映画だなと感じるはずです!全てが秀逸でした。公開初日に観に行き、次の日も2回目を観ました。
前情報から耳に入っていた、ホアキン・フェニックスの演技の素晴らしいこと。正直前半は育った環境や仕事における環境など、いじめられたりからかわれたり、突然起こる笑いが抑えられない病気等、主役(JOKER)を見てるのが辛いことが多かったですが、これは目を逸らせない出来事だなと思いました。まさに現代社会で起こっていることだと思ったからです。また、そう感じさせるホアキン・フェニックスの演技からも目が逸らせられなかったです。
この映画は年齢制限があり、上映前から子供には見せないで下さいとの注意喚起も多かったです。ただ、私はいじめられてる子供にこそ見て欲しいと思いました。もちろん主役に憧れを抱くようにならないよう、見せる時は最前の注意が必要ですが、人を殺すという選択肢を選ぶまで追い込んだ経緯にはどんなことがあったか?JOKERをこうさせてしまったのは誰なのかを考えさせる映画でした。

ジョーカー / Joker
9

悲しい

心やさしきコメディアン志望の若者が貧困の中、どんどん狂ってジョーカーになる様を描いた作品です。
ジョーカー役はホアキン・フェニックスが演じています。急に笑ってしまったり言ってはいけないことを言っちゃったりする病気なのに、薬も買えなくなって、仕事もうまくいかず、どうしようもなくなる様がとても切なかったです。彼がおかしくなるのは必然のように思いました。薬が切れて、わけもなく笑ってしまうところとか、逆に悲しいです。とても面白いし、ジョーカーに飲み込まれてしまいます。
この作品はこの作品だけで考えるととても面白い作品だとは思いますが、バットマンシリーズのことを思うとちょっと不満です。ジョーカーは、なんかわけがわからなくて、ただ楽しいから犯罪を犯していて、そういうサイコパスなところが最高だったのに、彼の過去が明らかになってしまうのはいささか不満です。私はジョーカーは生まれたときからジョーカーであってほしかったというか、同情できる過去なんか知りたくなかったなと思います。
まあ、この作品はスピンオフ的なもので、この話がジョーカーの真実だと断定もできないと思うので、本作は本作と割り切って楽しむのがいいのかもしれません。

ジョーカー / Joker
9

悲しすぎる

とても重い話でした。映画館で見たあと、ほとんどの人がズーンと沈んでいたのが印象的です。
ジョーカーとは、かの有名なバッドマンのジョーカーのことです。彼がどのようにして、ジョーカーになってしまったのかが描かれています。
やはり貧乏というのは、人の気持ちをものすごく荒んだものにするなと思いました。ある発作が起こるのに、薬も買えない、皆を笑っていないのに変なとこで笑っちゃう、バラエティに出れたと思ったのに、とかいろいろ上手くいかないことばかりで、心の支えも実は幻想で、、、なんて狂わない方がおかしいです。
彼はジョーカーになって、幸せなのでしょうか。バッドマンのジョーカーはとても楽しそうで、何も考えなしにただ、偽りなく悪って感じですが、このジョーカーの生い立ちを見てると、心の奥底では楽しんでないのかなと思ったり、いやもう吹っ切れたのかなと思ったり、いろいろ考えさせられます。
なんか、ジョーカーに肩入れしてしまう人が増えそうな映画です。その点ではとても怖い映画で、悪に染まる人が増えたら嫌だなと思います。あと、バッドマンは、本当にいい人なので、ジョーカーを追い詰めた政治家の名前がウエインというのはどうなんでしょうか。バッドマンと別人なのかもしれませんが気になります。

ジョーカー / Joker
10

ジョーカーは素晴らしく、傑作です

バットマンの宿敵であるヴィラン、悪のカリスマと呼ばれるジョーカーの誕生譚が描かれている映画で本当に素晴らしかったです。
ホアキン・フェニックスさんが演じるアーサーは本当に悲劇としか言いようがないぐらいの人生を送っていました。母の言葉でコメディアンになることを夢にして、毎日ピエロに扮して頑張っているというのに、悪ガキに仕事を邪魔されて暴行を受け、人からはアーサーが持つトゥレット障害による突然笑い出す癖で「気色悪い」と遠ざけられ、好きな人から軽蔑され、憧れの人には笑い者にされ、父親疑惑のあったブルースの父親には冷たく否定されていました。さらには職場でも嫌がらせを受け、電車で会った証券マンには暴行を受け、母親も実は血のつながりがなく、虐待されていたのを助けなかったなんてあまりにも辛すぎます。それは絶望して心が折れて、ジョーカーになってしまうのは仕方がないなと思いました。それと同時にジョーカーが羨ましく感じました。アーサーと自身を重ねて見ていたので、自分を虐げてきた社会を破滅へと追い詰めたジョーカーみたいに自分もやれたら良いのにと思ってしまいました。今までバットマンシリーズで出てきたジョーカーとはまた違って、ジョーカーを身近に感じられたので、凄く感動しました。素晴らしかったです。まさに傑作でした。

ジョーカー / Joker
10

ジョーカー誕生秘話を描いた映画作品

今までバットマンシリーズの実写映画の中で、いろんな役者の方々が個性的で魅力溢れるジョーカーを演じてきましたが、この映画「ジョーカー」でのジョーカーは今までとはまた違って面白かったです。
なによりも、主人公アーサーの切なくて悲しい人生を送ってきたからこそ、悪のカリスマと呼ばれているジョーカーを生み出してしまったのです。もうその過程が凄く悲しいです。まさに悲劇であり、同時に喜劇でもありました。もうここまで現代社会を生きる上で、こんなに不運に見舞われることはないだろうと思うほどで、アーサーの感情に共感してばっかりでした。そして、メイクもトランプにあるようなジョーカーという道化師のメイクに近い形でした。
これを観ていると、アーサーの人生をまるで目の前で見ているような感覚になり、自分でも誰でも、ジョーカーになってしまえるのではないかと、思ってしまいました。それぐらいホアキン・フェニックスさんの演技力の素晴らしかったです。まさに現代社会が生み出してしまった、この世のどこにでもいそうな悪そのものでした。
DVDが出たら絶対買って何度も観たいですし、映画も何度も見たくなりました。
それに、日本語吹き替え版が出て欲しいと思うぐらい最高の映画でした。

ジョーカー / Joker
7

『ジョーカー』のレビュー

映画『ジョーカー』についてレビューします。
この作品はバットマンの敵役であるジョーカーを主人公にした作品です。ジョーカーは一人のピエロとして子供達を笑わせる仕事をしていました。ただ、彼は精神病を抱えており、突然笑いだす事があります。それで人生を上手く生きる事が出来ないようです。
ジョーカーの苦悩の日々を見ていると、他人事ではないと思いました。彼は不器用ながら一生懸命に生きていました。
それでも周りの風当たりが強く、ジョーカーは自分の病気と周りの態度に苛立ちを覚え、ついに爆発します。彼は知り合いから拳銃をもらい、それを使って人を殺してしまいます。その時、彼はとてもすっきりした感覚になりました。積み重なる怒りの爆発先を探していたのだろうと思います。
それから、今までジョーカーを騙していた母親を殺してしまいます。
ピエロとしてテレビに出る事になりますがタレントと喧嘩をしてしまい、テレビの放送中にその人のことも射殺します。そこにいる彼はピエロの化粧をしており、ゴッサム・シティーでジョーカーとして名を馳せるのです。

この作品は、世の中の生きにくさや不器用ながらに一生懸命生きていく人たち、それに対して救いの手を差し伸べない人たちが描かれていると思いました。

戦闘シーンはあまりなかったのですが、物語とジョーカーのピエロとしての演技に引き込まれました。

ジョーカー / Joker
6

ホアキン・フェニックスの怪演

ホアキン・フェニックス主演『ジョーカー』。ドット・フィリップス監督の今作は『バットマン』に出てくるジョーカーというキャラクターの過去を描いている。ただし、『バットマン』を視聴したことがない人が今作を見ても問題はない。
舞台は1981年のゴッサム・シティ。財政難で荒んだ街は、ストライキによりゴミ収集がされなくなった。そんな中、今作の主人公アーサーは大道芸の仕事を続けていた。いつどこで起きるか分からない“笑いの発作”を持ちながらも、何とか毎日を過ごしていた。
ある日、同僚から「護身用に持っておけ」と言われ、1丁の拳銃を受け取る。この拳銃がアーサーの運命を悪い方へと変える。小児科病棟へ慰問に行ったアーサーは、その拳銃を落としてしまう。これがきっかけで仕事をクビになってしまった。
意気消沈した彼は、自宅に戻るため地下鉄に乗る。その地下鉄の列車の中で、とある女性が3人の酔っ払いに絡まれている場面に出くわす。
女性は酔っ払い達には関わらず無視していた。そんな時、アーサーの持病である“笑いの発作”が起きてしまい、笑いが止まらなくなってしまう。それを見た酔っ払い達はアーサーに暴行した。アーサーは、持っていた拳銃で3人を銃殺してしまう。
しかしすぐには捕まらず、犯人不明でテレビにも取り上げられ、アーサーは初めて世間に注目されるようになる…。

前半はゆったりとした気持ちで見ることが出来るが、3人の酔っ払いを銃殺するシーンあたりから、ホラー的な演出が加わる。地下鉄の列車内の電灯がチカチカ瞬く。3人の酔っ払いを銃殺した後、一人でゆったりと踊るアーサー。
作品を最後まで見ても、「ホラー映画だったのではないか?」と錯覚を覚えるほどだ。ホアキンの怪演にも驚くが、演出にも驚かされた。気分がすぐれない時や鬱病の方は今作を見ないほうがいいが、精神が安定していて、ホアキンのファンの方や洋画ファンには是非おすすめしたい作品だ。

ジョーカー / Joker
10

悪に共感する自分に出会える

主人公は40代の男性で、ピエロの格好をして広告の宣伝をしている最中にストリートギャングの子供たちから袋叩きにあいます。会社にもどると預かり物の宣伝看板も破壊されてしまったことから、会社からは仕事放棄の疑いをかけられてしまいます。
主人公のアーサーは幼少期から脳と神経の損傷が原因で、緊張すると笑いの発作に襲われる病気を患っていました。薬で何とか日々を凌いできましたが、街の福祉予算の削減でソーシャルワーカーのカウンセリングと向精神薬の打ち切りを告げられます。アーサーはしょうがないことだと思いながら電車に乗りました。電車ではサラリーマン2人が女性を誘うも断られている場面に遭遇します。女性はしつこい誘いに対してアーサーに助けを求める様子ですが、じっと座ったままのアーサー。見て見ぬふりをしていましたが、緊張のあまり笑う発作がでてしまいます。その症状は決してあなた方を笑ったわけではないと男2人に伝えるが、笑う発作が収まらずだんだんひどくなっていきます。その笑い方に腹を立てた男2人はアーサーに殴る蹴るの暴行を繰り返します。誰も助けてくれない状況で、同僚から訳も分からず預かったピストルが蹴られた拍子にアーサーの目の前に落ちます。その瞬間、アーサーはピストルを手に取り二人の男を射殺しました。
初めて人を殺したアーサーは動揺しながらもその場から立ち去ります。事件はニュ―スに取り上げられ、アーサーはビクビクしている様子ですが、同時に開放された気分でした。このあとから、現実や自分の理想を描いた妄想が交じり合って、ジョーカーにならざるをえなくなった理由などが明らかになっていきます。

ジョーカー / Joker
9

映画ジョーカーを見た感想

友達に誘われ見に行きました。ホラー要素のある映画なのかと思っていましたが全く違いました。
とても現実的で、普通に世の中で起こっているかもしれない出来事を切り取ったような作品でした。普段生活していてはあまり知ることが少ないような、目に見えない大切なことを教えてくれる作品でした。劇中には若い方には見せられないよいうな残酷なシーンもありますし、すべてを肯定できるものではないのですが、自分が普段当たり前にできていることが実は当たり前ではないのだと気づかせてくれるような作品です。
幼いころに受けた心の傷というものはその人の人生に大きく影響を与えます。決して望んだわけではなく、運命というかその人に与えられた宿命ですが、決して逃げることなく受け入れ、懸命に生きようと努力している姿に感動しました。
最終的には決して向かってはいけない方向へと進んでいくことになりますが、良い方向へ進み続ける力など私にはないだろうと考えてしまうほど、背負っていることの大変さを感じました。
なかなか普段忙しい生活では考えないような事に気づく良い機会になりました。

ジョーカー / Joker
10

JOKER【現代社会における闇と光を描いた作品】

ハリウッド映画の【JOKER】を見て衝撃を受けた。
元はアメコミ作品の派生キャラ、しかも監督は下ネタ・下らないギャグ満載の作品【ハングオーバー】シリーズのトッド・フィリップスということもあり、どこか色物を感じさせる予感がしたが、それは予告編を見ただけでも杞憂に終わった。

主演のホアキン・フェニックスの不気味な笑顔は物語全体に漂う陰鬱な雰囲気をこれでもかと醸し出し、これはギャグ路線は一切ないシリアスな作品だと瞬時に感じることができた。
そして作品を実際に見て思ったことは、その感触は間違いではなく、【JOKER】は間違いなく映画史に残る作品に他ならないということだった。

作品単独としてのストーリーを確立しつつ、【バットマン】シリーズの要素を要所要所で盛り込み、アメコミ作品をシリアスに描いた【ダークナイト】に似た雰囲気を漂わせている。【ダークナイト】でヒース・レジャー演じたジョーカーも映画史に残る強烈な悪役となったが、今作のジョーカーもそれとはまた違ったキャラクターが確立されていた。

主人公である売れない道化師が光を求めて悪戦苦闘していく中で、実際の生活は苦しくなるばかり。
そういった中で自分を蔑み、または裕福な暮らしをしている層に対して恨み、辛み、妬みの感情が入り混じり、次第に闇を抱えていく様は見ているこちらも胸が苦しくなる感覚を覚える程だった。
物語が進んでいく中での苦しい、重い空気感を現代に生きる我々はどう感じ取るか?どう感じとるべきか?鑑賞後、そのようなことを自問自答させられる作品だった。現代人こそ必ず見るべき作品である。

ジョーカー / Joker
8

全米では社会現象?JOKERの魅力を考察

2019年10月公開の映画「JOKER」。
この映画は、アメコミ映画としては異例の大ヒットを記録しています。
以前「ダークナイト」でジョーカー役を演じたヒースレジャーの怪演は、主役のバットマンを食ってしまったと言っても過言ではなく、同じジョーカー役をテーマに映画が出来るということで、期待もあり不安もある胸中で映画を見に行きました。
ここからネタバレを含みます!!
私はこの映画は、「ジョーカー」に感情移入出来るか、「ジョーカー以外」に感情移入して見るかでかなり見方が違うと思いました。というのも、隣の席にいたカップルが、ジョーカーの何気ない行動で笑うのですが、私は笑えませんでした。むしろなぜこの場面で笑えるのか?と思えるぐらいでした。そこでふと、気づいたのです。
私は、完全に「ジョーカー」に感情移入している、なので彼の悲劇が喜劇に思えないのです。
大勢の人が見る映画館という箱の中で、今までの人生経験やバックボーンが違うだけで、こうも見方が変わるのかと実感しました。
最後のシーンでジョーカーが、精神鑑定の女性に「いいジョークが思いついた」と言います。ジョーカーは彼女にジョークを教えて欲しい、と言われますが、「どうせわからない(理解できないさ)。」と、今までとは違う表情で笑います。
ジョーカーにとって、2時間映画館で上映されていた内容は、”喜劇”なのです。件のカップルのように、人生の黒い部分を体験していない人にとっては、これは”喜劇”なのでしょうか。それとも、この2時間は、ジョーカーの妄想なのでしょうか。
彼が劇中で人を殺した数は、歴代の悪役の中では少ないかもしれません。しかし、映画を観終わった現代人にどれだけ影響を与えたのかを考えると、とんでもない影響を及ぼしたのではないかと思います。
映画館を出て、第2第3のジョーカーが生まれたとしたら、これはとんでもないことだと思います。
なぜ、みんなジョーカーの魅力に取り憑かれるのでしょうか。それは彼が「どこにでもいる、今隣にいる”一般の人”が悪になる瞬間」を映しだしているからではないでしょうか。