ハード・ターゲット

ハード・ターゲットのレビュー・評価・感想

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ハード・ターゲット
9

ジョン・ウーxヴァンダムの壮絶アクション

香港で撮った「男たちの挽歌」シリーズで全世界に一躍その名を轟かせたジョン・ウーがハリウッドの異才サム・ライミ、90年代を席巻したアクションスターのジャン・クロード・ヴァンダムと最強トリオを組んで放ったアクション巨編。
生き別れになった父親を探す女性弁護士と知り合ったタフな船乗りが、浮浪者を標的とした人間狩りを生業とする秘密結社の存在を知り、自らの身体能力をフルに活用させ壊滅させる。
細部に渉って”ジョン・ウーがこれまで描いてきた、あるいは描きたいアクション”に彩られていてハリウッドでもその唯一無二の存在感を際立たせている事が分かる。主役のヴァンダム自身もこの頃がキャリアの中でもピークといってもよく、得意とする格闘アクションは勿論の事、ジョン・ウーならではの銃撃シーンにも果敢に挑戦し偏執狂的な悪役を演じたランス・ヘンリクセンやアーノルド・ヴォズルーといったクセ者役者を向こうに回し見事なヒーロー像を確立している。そして本作でハリウッドに殴り込み見事に爪痕を残したジョン・ウーはこの後も「ブロークンアロー」「フェイスオフ」といった佳作を発表しその名声をより高めていく事になる。