しあわせのパン

しあわせのパン

『しあわせのパン』とは、北海道を舞台にした2012年公開の日本のヒューマンドラマ映画である。監督・脚本は三島有紀子、主演は原田知世、大泉洋が務めた。東京から北海道に移り住みカフェを営む水縞夫妻と、そこに訪れる客たちとの交流を描く。それぞれに悩みや問題を抱えている客たちを、水縞夫妻の美味しい料理と優しさで癒していく。心に問題を抱えている妻のりえもまた、北海道の自然や夫、仲間たちによって癒されていくのだった。北海道の美しい自然や、個性豊かな仲間たち、店のインテリアや料理も楽しめる映画である。

しあわせのパンのレビュー・評価・感想

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しあわせのパン
9

心が穏やかになります

大泉洋さんと原田知世さん主演の映画です。二人は夫婦でカフェ「マーニ」を営んでいます。そこへ色んな問題を抱えたお客さん達が訪れ、二人に出会って「本当の幸せとは何か」を知ります。また、原田知世さんが演じる理恵さんも心に小さな闇を抱えています。その闇に気付き、彼女を支えているのが大泉洋さん演じる水縞くんです。水縞くんは多くを語らないけれど、そっと理恵さんのそばにいて彼女の傷を癒そうとします。その優しさ溢れる眼差しや言葉などにとても感動しました。普段の大泉洋さんとは180度違う人物なので、大泉洋さんの演技力の高さがわかります。二人の演技に引き込まれ、まるで私もカフェマーニの一員になった気分でした。出てくる人達に、意地悪な人やひねくれた人は一人もいません。それは一見綺麗事のようにも思えますが、観ているうちに否定感情が消えていき、いつの間にかその温かさに包まれていました。そして、決して綺麗事だけではなかったことがストーリーが進むにつれてわかっていきました。また、カフェマーニに出てくる食器が可愛らしくて、同じものが欲しくなってしまいました。水縞くんの焼くパンや理恵さんが淹れるコーヒーもとても美味しそうで、観ているとお腹が空いてきます。心が疲れている時にゆったりと寛ぎながら観るのがおすすめです。

しあわせのパン
9

北海道の自然を堪能。

とてもゆったりとした映画でした。でも主人公の女性は過去に悲しいことがあり、ときどき泣いちゃうみたいな感じでちょっと深い設定の話です。確かに疲れてしまったら北海道に行きたくなるかもなって思います。夫はそんな妻を見守ってる感じだし、この夫婦は互いに尊重しあってる感じですごくいいなと思いました。こんな夫が欲しいです。また、カフェで出される食事、パンがとても美味しそうで、そこも魅力の作品だと思います。焼きたてのパンがすごく美味しそうです。映し方もうまいと思います。香りが匂いたってきそうな感じでした。こういう宿泊もできるよみたいなレストランって見たこともないのですが、結構あるものなんでしょうか。一度行ってみたいななんて思いました。ストーリーは3つの短編からなっています。最初の失恋で行先について嘘をついてここにきたという女の人の話が好きです。そこで出会った青年と仲良くなって、最終的に2人で北海道から去ります。この青年を平岡祐太さんがしていて、とてもステキでした。北海道でオールロケをしている本作。景色がとても綺麗で中の客と同じようにみているこっちも癒されました。やっぱり自然っていいなと思います。そこで生活する人たちの優しさも感じられるいい映画でした。

しあわせのパン
8

ほっこりした気分になります

優しい夫婦が営むカフェ「マーニ」が舞台になっています。そこを訪れる人たちには、現実でもよくあるような悩みを抱えています。その悩みや悲しみ寂しさを、優しい水縞夫婦・りささんと尚くんが迎えてくれます。
ストーリーは、夏・秋・冬・春の季節ごとに訪れるお客さんとの交流で展開されていきます。夏は、彼氏にふられ沖縄旅行をドタキャンされた女性が、カフェ「マーニ」を訪れます。そして、優しい人たちとあたたかい料理や美味しいパンで、心が癒されていきます。
秋は、登校拒否の女の子と、その父親がカフェ「マーニ」を訪れます。ふたりは、おなじ寂しさを抱えているのですが、それをうまく共有できません。そんなふたりのこころを繋ぎ合わせてくれたのが、カフェ「マーニ」のパンとかぼちゃのポタージュスープでした。
冬は、一組の老夫婦がカフェ「マーニ」を訪れます。何やら深刻な悩みを抱えているのですが、あえてりささんと尚くんは、それを尋ねることはしません。ですが、ふたりの優しいこころと、あたたかい料理で、老夫婦は悩みから解放されます。
春は、思いがけず来年のお客さんが決まり、りささんと尚くんは大喜びします。それは、ふたりにとってとても大切な嬉しいお客さんです。
この4つの季節には、それぞれの訪問者と水縞夫婦のこころの交流が描かれています。そして、それぞれ季節に決まって見られるのが「ひとつのパンをふたりでわける」というシーンです。この場面がまさに、タイトルの「しあわせのパン」にぴったりです。
見終わったあとには、タイトルの「しあわせのパン」を実感できる作品です。
ワクワクやドキドキ、謎解きや冒険心といったストーリー展開を望む人には、物足りないストーリーかもしれません。ですが、ゆったりとした何気ない時間で「見えない何かしあわせ」を感じたい人には、おススメです。