咎狗の血

咎狗の血のレビュー・評価・感想

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咎狗の血
3

ファン待望のアニメ化だったはずなのに…

PC版からの大ファンでPS2版もプレイ済み、アニメ化もとても楽しみにしていました。
ただ、ゲームのようにストーリーが分岐することはないので、どういうエンディングに持っていくのかというのがわからず、
「一体誰ENDになるんだ…」と、そこはいい意味でドキドキしました。
しかしやはりテレビアニメということで様々な規制があったのかなーという、言ってしまえば不完全燃焼な出来だったかなと思います。
BLとは名ばかりの「Like」は感じるけど「Love」には程遠い友情成分が強めのストーリーに加え、
美麗なキャラクター達がいざバトルするぞ!と思いきや急にキャラクターがログアウトし、
暗闇の静止画に殴ったり金属がぶつかり合う、なんとなく戦ってる感の出る効果音のみ…。
「視聴者の脳内でうまいこと補完してね」な部分が非常に多く、ゲーム版からのファンはおろか、新規のファンはほぼ話に入っていけなかったのではと思います。
逆に考えれば、深い部分まで知りたい人はゲーム買ってね、という意味にも取れますが、ちょっとうーん…という感じです。
これまでずっと静止画だったキャラクターが動くのは嬉しかったですが、「やっぱり、原作絵が綺麗すぎる作品のアニメ化って大変なんだなあ」と再確認するアニメでした。

咎狗の血
10

ストーリー、イラスト、声優、どれもパーフェクトなBLゲーム!

ある程度の暴力シーンが平気なら、オススメしたいのが咎狗の血です。BLゲームで途中で選択肢が現れ、それによって物語が変化するシミュレーションゲームなのですが、思わず時間を忘れるくらいプレイしてしまう作品です。

退廃した街「トシマ」という場所で、冤罪にかけられた主人公のアキラが、首にかけたドッグタグを奪い合う殺し合いのゲームに参加するのですが、そこで出会う人達皆、殺し合いをするぐらいですから何かしら闇を抱えています。
女の子に間違えてしまうほどの可愛らしい少年のリン、幼馴染でいつも自分に自身がないケイスケ、そしてトシマで恐れられている男・シキ。どれも魅力的なキャラクターに、素敵な声(ストーリーはフルボイス)で物語を進めるのが楽しくなります。
アキラは生きることにそれ程執着は無かったのですが、そこで出会った人達に触れ、生きたい、生きてここから脱出したいと思うようになります。暴力が渦巻く世界でアキラや、アキラと出会った人達がどうなるのか、是非プレイして結末を全て見てほしい作品です。
ケイスケとシキはエンディングが3種類、他のキャラは1種類、又は2種類なのですが、バッドエンドは思わず目を背けたくなるシーンもあります。だけどそれ以上にグッドエンドが感動的で、特にシキのルートは切なさも抱えてしまったぐらいの予想打にしなかった衝撃的な結末でした。是非気になった方はプレイして欲しいと自信を持って言える作品です。