ゴッホ 最期の手紙

ゴッホ 最期の手紙のレビュー・評価・感想

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ゴッホ 最期の手紙
10

ゴッホは本当に自殺したのか?

「ゴッホ最期の手紙」は、ゴッホの絵が動くという全く新しい体験ができる映画です。
この作品は、125名の世界中から選ばれた画家が描いた、62450枚にも及ぶ油絵で構成されていて、「こんな表現もできるんだ!」と見る人を圧倒するアニメーションになっています。
ストーリも面白く、「ゴッホは本当に自殺したのか?」という観点から物語が進んでいき、その真相にゴッホの友人の息子が迫っていく、というサスペンス調になっています。
見ているうちに作品にのめり込んでしまいます。
音楽・演出も素晴らしく、キャラクターのセリフの節々にゴッホを肯定する言葉が散りばめられていて、作品全体を通して製作者のゴッホへの愛を感じる作品です。
人生とはなにか、生きるとはなにか。
画家に思いを馳せ、心にじんわりと残る名作です。

ゴッホ 最期の手紙
9

こんな映画観たことない!

ゴッホについても、この映画についても何の予備知識情報もなく、パソコン上で見始めたのですが、見終わった後に映画館で観たかった…!と後悔してしまう作品でした。
まず、この作品は実写映画でゴッホの人生を描いたものではなく、実写で撮った映像を、世界中のアーティストたちがゴッホの絵を真似て手描きで描いた絵による映像なのです。オープニングだけこういうテイストなのかな?と思っていたら、最後まで絵による映像だったのには驚きました。まるで絵画がそのまま、ベタベタニュルニュルとと動き回っているようなタッチに感動とドキドキが終始収まりません。
映像だけを見ていても十分に楽しめるのですが、物語としてもとても面白いです。ゴッホはなぜ自殺したのか?最後の手紙は、誰に届ければいいのか?と、まるでゲームのミッションをひとつひとつ解き明かしていくような物語の展開でにわくわくします。いったい何が真実なのか?嘘をついているのは誰なのか?など、どんどん物語にのめり込んでいってしまいます。さらに良かったのはエンディング、ゴッホの絵とともに物語の登場人物が紹介されることで、本当に実在していた人物だったのか、と人物像がより浮かび上がってきます。ゴッホについて全く知らずに観ても問題なく面白く、興味深い映画ですが、ゴッホの絵について知っている方はより楽しめるかもしれません。