テキサスSWAT

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テキサスSWAT
10

チャック・ノリスの暑苦しさ全開!「テキサスSWAT」

ブルース・リー監督・主演作「ドラゴンへの道」での悪役を経て、本格的にアクション俳優として歩み始めたチャック・ノリスがもっとも脂の乗っていた80年代半ばに主演したハード・アクション。
テキサスの荒野をバックにテキサスレンジャー(国境警備隊)に扮した髭面のノリスが出てきて、いきなりギャングどもを撃ち殺すシーンから暑苦しさに拍車がかかり一気に最後まで引っ張ってくれる。
内容は米軍の兵器を強奪しては世界中のテロリストに売りさばく犯罪組織のボスにして空手の達人(デビッド・キャラダイン)に戦いを挑むノリスの活躍を描いた他愛無いモノではあるが、一切の無駄を廃し、アクションに徹したまま最後まで突っ走った監督スティーブ・カーバーの力量も確かで、このあたりはカーバーの師匠ともいえるハリウッドの名物プロデューサー、ロジャー・コーマンの教え「観客を一瞬たりとも退屈させてはいけない」を見事に体現していて好感が持てる。
またクライマックスでは散々銃撃戦でド派手に暴れた後、空手の達人同士が”素手で決着を付ける”という、溢れんばかりの香港映画イズムに満ちている所はケチの付けようがないほど素晴らしく、佳作揃いのノリス主演作の中でも一際人気作なのも頷ける。

テキサスSWAT
10

マカロニウェスタン発、香港映画行き

ハリウッドでB級アクションの快作を連打していたスティーブ・カーバー監督がチャック・ノリス、デビッド・キャラダインといった二人のアクションスターを迎えた痛快アクション巨編。
テキサスに巣食う無法者から恐れられ「ローンウルフ(一匹狼)」の異名を持つテキサスレンジャー、マッケイド(チャック・ノリス)は、米軍の兵器が次々に強奪される事件を追う中で、ローリー率いる犯罪組織が事件の背後で暗躍している事を知る。ローリーは強奪した兵器を世界中のテロリストに横流しする死の商人であると同時に凄腕の武術家であり、マッケイドの捜査に気づいたローリーはマッケイドの親友を殺す、娘を誘拐する等、徐々にマッケイドを追い詰めていく。しかしマッケイドは組織壊滅にさらなる闘志を燃やす。ついには仲間をともない組織のアジトを急襲、壮絶な銃撃戦の末に組織は壊滅し、ローリーもマッケイドとの一騎打ちの末に斃れた。
出だしこそ、暑苦しさ満点のマカロニ風味(劇伴はマカロニ音楽の大家、フランチェスコ・デ・マージ!)で、荒涼とした大地とのコントラストも手伝って雰囲気をいやおうもなく盛り上げてくれ、壮絶な銃撃戦を経ての武術家同士の一騎打ちは「香港クンフー映画」の基本フォーマットをきちんと踏襲しており、マカロニファンは勿論の事、香港クンフー映画ファンも十分満足できるアクション巨編に仕上がっていたのだった。