ジョゼと虎と魚たち

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ジョゼと虎と魚たちのレビュー・評価・感想

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ジョゼと虎と魚たち
10

劇場アニメ版『ジョゼと虎と魚たち』 笑って泣けて、勇気をもらえる恋愛サクセスストーリー

映像、音楽、ストーリー、すべてが最高のアニメーション映画でした。アニメーション制作はボンズ、コンセプトデザインには loundrawが携わっていることもあって、引き込まれるような映像美でした。特に主役の2人が海で親睦を深めるシーンの水滴の表現などは圧巻です!音楽は『呪術廻戦』のOPを担当したEveが主題歌を担当。透き通る綺麗な声が、淡く切ない世界観にとてもマッチしていて、自然と涙が出てくるほど感動しました。そして何といってもストーリーが最高です。主役の2人は、初めて出逢った当初はいがみ合うというお決まりの設定なのですが、それだけじゃないのがこの映画の魅力です。多くの登場人物が「夢」を持っていて、それを叶えるために奮闘する姿が見ていてすごく勇気がもらえます。物語でいろいろな苦悩や挫折を経験するキャラクターたちを見ていると胸が締めつけられますが、夢は諦められないから夢なんだと改めて痛感することができました。あとは物語を通じて繰り広げられるリアルな恋愛模様は多くの人の心に響くことだと思います。ダブル主演をした中川大志さん、清原果耶さんは本業が俳優だとは思えないほどアフレコが上手で、細かな感情表現に胸打たれました。夢を追う人の背中を強く押してくれる素敵な映画なので、ぜひ色んな人に見てほしいです。

ジョゼと虎と魚たち
9

「いつかあなたはあの男を愛さなくなるだろう。と、ベルナールは静かに言った。そしていつか僕もまたあなたを愛さなくなるだろう。我々は、またもや孤独になる。それでも同じことなのだ。そこに、また流れ去った一年の月日があるだけなのだ」(劇中で引用された、フランソワーズ・サガン『一年ののち』の一節)

ごく普通の大学生の恒夫と、偏屈で頑固者で足の不自由な女の子の話。
ジョセと名乗る自由奔放な彼女に惹かれていく様子に、恋愛に対して、性に対してのフットワークの軽さが表れていて、そしてそれは障害者に対してもなのだと、初めは恒夫のその無遠慮さに鼻白んだ。
けれど、恒夫は真っすぐな男だ。ジョゼに会いたいから会いに行くし、おいしいご飯を食べたいから行く。
好きになった女の子がたまたま障害者だったというより、障害者であるジョゼを好きになったのだという印象。
恒夫はいつもやさしい。そして少しだけ狡さもある。だから恒夫は気ままなジョゼに「ひるんで」しまい、2人は別れを選択する。
淡々と見送るジョゼは、恒夫と一緒に居た時、そこに約束も、束縛も、未来永劫も、求めなかったのだ。
「うち好きや。あんたのことも、あんたのすることも」
2人が初めて結ばれた時に口にしたジョゼの言葉が、あまりにもせつない。
ジョゼは恒夫が自分から離れるその時まで、恒夫を肯定していたのでしょう。

タイトルは、ジョゼの好きな小説の一節です。
2人にとってこの言葉の捉え方は、正反対なのかもしれないな、と思う。
「僕が逃げた」と言ってむせびなく恒夫を非難したいのか弁護したいのか分からない自分のように。

ジョゼと虎と魚たち
10

映画 アニメ ジョゼと虎と魚たち

主な主人公は2人いる。昔観賞魚ショップでみた魚が群れで泳いでいる所が見たくて、その魚を研究できる大学へ留学する事を夢見ている大学生の少年。もう1人が生まれつき足が不自由で絵を描く事が好きなジョゼと名乗る少女。2人の出会いは坂でジョゼの乗る車椅子が押され、坂をものすごい勢いで下って、投げ出された時、少年が受け止めて、ジョゼを助けた事がきっかけ。その後ジョゼの家でご飯をご馳走になり、ジョゼの世話をしているおばあちゃんに高時給のアルバイトを持ちかけられる。そのアルバイトの内容が、ジョゼの言うことを聞く事でした。最初はジョゼと少年の間には溝があり、「畳の目の数を数えろ」、「四葉のクローバーを集めてこい」など無理難題をいっていました。その後、「海が見たい」と言い出し、少年は初めてジョゼの心に触れた様に感じ、叶えようとします。海へ行く過程で、車椅子の大変さや周囲の人の反応に触れます。また、道中ジョゼの今まで自由に外出出来なかった為、好奇心旺盛で、コロコロ変わる表情が見所です。その後は一気に距離が縮まり、2人で外出する事が増えます。ですが、ジョゼのおばあちゃんが亡くなった事や少年の留学が決まった事などがあり、2人に溝が出来てしまいます。最後のお願いと言うことで2人は海に行く事になります。その帰り、2人は事故に遭い、少年は骨折により、ダイビングが二度と出来なくなるかもしれないと医師から言われてしまいます。ジョゼも事故は自分の責任だと思い詰めてしまいます。少年の友人がジョゼを立ち直らせ、ジョゼが少年を立ち直らせて物語は終わります。夢を追う気持ちやその大変さ、また友人達の大切さを知る事の出来る作品です。

ジョゼと虎と魚たち
8

障碍者の社会参加の意義が解る映画

実写版の本作では、恒夫役は妻夫木聡、ジョゼ役は池脇千鶴になっています。現在よりもかなり豊かで余裕のあり、SNSなども無かった2003年に作られた映画なので、ジョゼの暮らす公営住宅の描写なども、何かと猥雑に描かれていて、大学生の恒夫やその周囲についても、余裕のある暮らしをしているのが時代の変化を感じさせました。
公営住宅に住むジョゼと祖母ですが、二人で貧しく暮らしているため、行政の補助で様々な物があることも知らず、恒夫が周囲の知人に頼んで暮らしやすくするための事を行政からしてもらえます。高齢者世帯や障碍者世帯とそれ以外との公的な扶助に関する情報格差というものの大きさについて考えさせられました。
ジョゼに関しては恒夫との関わりを偶然に持てたことにより、様々な変化がありますが、そういうものの無い方は、当然受けられる公的扶助の事もあまり知らずに過ごしていそうです。福祉関係者や医療関係者が、ノーマライゼーションというものをよく言っていますが、なぜそれが大切なのかが解る映画でした。
恒夫の元彼女(上野樹里)はジョゼに嫉妬して、心無いことを言ったりしますが、それなりに対等なところがないと、無関心で単なる気の毒な相手なままなのでしょう。そう考えると、様々な人の社会参加の意義が解りました。

ジョゼと虎と魚たち
9

映像美に感動し人物の感情の機敏がうまく表現されていて良かった

2020年冬に劇場公開された「ジョゼと虎と魚たち」。原作は、1985年に発表された同名の小説です。「おおかみこどもの雨と雪」で助監督を務めた、タムラコータローが「ジョゼ」の監督を務めています。劇場版の舞台は現代。主人公の恒夫は、ある日道を歩いていると、車いすに乗った女の子「ジョゼ」に突撃されてしまいます。急な坂道で、自分で止まることが出来なかったジョゼは、恒夫のお陰で止まることが出来ました。それをきっかけに、恒夫はジョゼとジョゼの祖母の住む家に度々おもむき、少しずつジョゼと距離をつめていきます。「外は怖い」と祖母から教わっていたジョゼは今まであまり外出したことがなく、恒夫と電車に乗った時には瞳を輝かせます。二人で砂浜に行きましたが、ジョゼの車いすは砂に埋もれて倒れてしまい、砂浜を這うジョゼを恒夫は抱きかかえ、そのまま海に入ります。水しぶきが舞うシーンはとても美しく、これぞまさに「青春」といった感じです。しかし、幸せなシーンは長く続かず、ある日ジョゼの祖母が心臓発作で亡くなります。自宅に民生委員や町内会の人間が来て、ジョゼと話をします。絵を描きたいと望むジョゼに町内会の人間は「夢は夢。現実を見なさい」と諭され、ジョゼは自立することを決め、恒夫に最後の依頼をします。二人で一緒に行った海に再度訪問し、砂浜で話をします。今まで、ジョゼの祖母が恒夫に時給を支払っていましたが「もう恒夫にお金を払えないから」と告げるジョゼ。恒夫から離れ、横断歩道を渡っている時に電動の車いすが動かなくなり、走ってきた車とぶつかりそうになります。恒夫は彼女を守ろうと駆け寄りますが、スピード超過の車が恒夫が跳ね飛ばし、恒夫は緊急搬送されます。命に別状はなかったものの、足を解放骨折した恒夫。3月に留学する予定だったがそれも取りやめになり、自暴自棄になってしまいます。そんな状況を打破したのは、ジョゼでした。祖母に頼り、恒夫に頼りきりだったジョゼはたった一人で、図書館で仲良くなった受付の女性や恒夫の友人に声をかけ、恒夫のために物語を描き、図書館で子供たちを含め読み聞かせを行いました。恒夫は希望を取り戻し、辛いリハビリを終え、松葉杖で歩けるようになったタイミングで退院となりました。しかし、約束していたジョゼは迎えに来てくれず、電話をかけてもジョゼにはつながりません。心配した恒夫はジョゼの自宅にも向かいますが、そこにも誰もいませんでした。雪が降っているにも関わらず恒夫はジョゼに会いたい一心で町中をかけ周っていた所、出会った時と同じように急な坂道を転がるジョゼと再会、今度はジョゼを受け止め二人はようやく再会することができました。恒夫は無事に怪我を直し、留学の夢を叶えてハッピーエンドとなりました。途中恒夫が心配になりましたが、とても心が温かくなる良いお話でした。

ジョゼと虎と魚たち
3

胸が痛い映画

新井氏が出ているので放送禁止になる前にあわててNETFLIX。妻夫木聡と池脇千鶴のちょっと変わったラブストーリー。障害者の彼女なのだが前半は悲壮感がなく強烈な大阪弁でむしろ憎々しさ全開。でも後半のシーンとエンディングにはしんみり。妻夫木さんらしい情けない男の涙と健気な彼女に切ない余韻が残る。消化不良のようなラストなのだがよく味わってみるとそれがリアルなんだと納得します。良い作品だと思うが、、、ちょっと辛くもある。
ハッピーエンドで終わってほしかった。
女側からの気持ちとしては…切なすぎる
結局男は度胸なく逃げていく

健常者でさえ感じるんだから、体不自由な人が観たら夢さえなくなりそうだなぁ
「あぁやっぱり…」て。
やることやって飽きたら捨てるのか…てなる

途中まで面白かったのにラストで落ちた映画
女は男にいかなる時も責任や度胸あってドンと構えていてほしい。根本的なところは昔も今も変わらない気がする
これじゃ妊娠したと聞いて逃げる中途半端な男と同じ。やることやったんでしょ?て

責任とれないなら初めから優しくしなきゃいいのになぁと何だか胸が痛い映画だわ。
体が不自由な人の気持ちをもう少し考える優しさがほしいな。