Mr.Children / ミスター・チルドレン / ミスチル

Mr.Children(ミスターチルドレン)とは、4人組のロックバンドである。略称は「ミスチル」。
メンバーはヴォーカル・桜井和寿、ギター・田原健一、ベース・中川敬輔、ドラム・鈴木英哉。
バンド自体は高校時代に結成されており、メンバーの脱退やバンド名の改名を経て、現在の所属レコード会社であるトイズファクトリーと契約を交わし、1992年にメジャーデビューを果たす。
メジャーデビュー以降、2022年現在に至るまで、シングルでは10作品連続ミリオンセラー、アルバムでは14作品がミリオンセラーを達成するなど多くの記録を保持しており、特に2020年発売のアルバム『SOUNDTRACKS』がオリコン週間チャート一位を獲得したことにより1990年代、2000年代、2010年代に続いき2020年代でも1位を獲得。「名もなき詩」、「innocent world」など、1990年代にリリースされた楽曲の人気はもちろんのことながら、「HANABI」、「Starting Over」など、ドラマ、映画、企業等のタイアップや提供の効果もあり、幅広い年代からの支持を証明することとなった。

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Mr.Children / ミスター・チルドレン / ミスチル
10

《here comes my love》を聴いて。

木曜ドラマ『隣の家族は青く見える』の主題歌。《himawari》以来の新曲である。
周りのミスチルファンの初めて聴いた感想は意外にも冷めていた。「思ったほどインパクトがなかった。」「前作、himawariを超えるほどの名曲ではない。」コアなファンほど口をそろえてそう言った。個人的には、この曲はボーカルの桜井和寿がhimawariを意識して、あえて対照的な曲調にしたという風に感じている。暗闇に咲くひまわり。himawariの表現が陰ならば、今回のhere comes my loveは間違いなく陽だと思う。
初めて聴いた瞬間に僕は冬山を思い浮かべた。果てしなく続く雪道をたった一人で歩いている。何処を目指すというのではなく、最後まで自分をあきらめずに生きるということ。いつも人間は死と紙一重で存在している。普段の日常生活ではそんなこと考えたりはしない。しかし、死を全く意識することなく本当の自分を生きることなどできないのだ。それを端的にこの曲は歌っていると僕は感じた。
破り捨てようかな?いや、始めからなかったものって思おうかな?そんな脳裏の疑問から曲は始まっている。この歌の主人公は希望を捨て切れずに歩いていた。刻一刻と確実に死は近づいてくる。自分は死にたくないのではない。すべての人間は今を生きたいから呼吸するのだ。愛する家族の顔を思い浮かべながら、僕たちは雪山を延々と歩き続ける。生きて家族と再会することこそが希望。何度も、何度も僕にそう語りかける。この問いこそがMr.Childrenが歌うテーマの真骨頂であると感じた。そこに答えなどないのだ。だから、今日も歌い続ける。終わりなき旅の末、やがて希望とともに新しい生命が生まれるのかもしれない。その点でドラマと楽曲は見事に重なり合う。