Re:ゼロから始める異世界生活 / リゼロ / Re:Zero

Re:ゼロから始める異世界生活 / リゼロ / Re:Zero

Re:ゼロから始める異世界生活は、長月達平(ながつきたっぺい)がWEBサイト「なろう小説」に投稿したライトノベル。およびそれを原作とした小説・アニメ・漫画作品。突如、異世界に召喚された引きこもりの少年・ナツキスバルが、唯一与えられた能力「死に戻り」の力を使って、終わりのない死の運命に抗い続ける物語。

Kaito8のレビュー・評価・感想

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9

挫折率16%のリゼロを絶対に18話まで観るべき理由

「Re:ゼロから始める異世界生活」(以降リゼロと呼ぶことにする)は賛否両論の激しすぎる作品だ。
Amazonで最高評価の5点をつけている人は約50%いるが、最低評価である1点の割合も16%と、極端に割れている。
何を隠そう僕自身も、第一印象では「1」どころか「0.1」を付けるくらいの勢いで酷い評価をしていたし、途中で何度見るのを止めようとしたかわからない。
それにしても、6人に1人が最低評価をつける理由は一体なんなんだろう。
なぜ途中で挫折してしまう人が多いのか?
やはりそれは主人公である『ナツキスバルの人間性』が一番の原因だろう。
まず何より、話し方がいちいち気持ち悪い。
さらに、空気を読まない行動がウザすぎる。
挙げ句の果てに、大事な約束を破り、周りに迷惑をかけまくる。
個人的には“最も共感できないタイプのキャラ”だ。
『主人公に共感できない』。
これはアニメに限らず、“作品を見るモチベーション”を下げる要因にもなる。
魅力的な主人公がいるからこそ、そこに自分自身を重ねて、作品の中の出来事をまるで自分が体験しているかのように感じ、手に汗握ることができる。
自己を投影するキャラクターが存在しなければ、うまく感情移入することなどできないだろう。
じゃあ、なぜ僕はストレスを抱えながらも、膨大なエルネギーを使って自らを奮い起こし、わざわざリゼロ見続けたのか?
その理由は“主人公のウザさ”をも吹き飛ばしてしまう程の、ストーリー展開の凄まじさだ。
和気あいあいと話していたかと思うと、いきなり腹を切り裂かれたり、心を許していた女の子に拷問されたあげく、鉄球で叩き潰されたり、かといって普通におとなしく寝ていても、そのままベッドで死んでしまったりなど、とにかく先が読めなさすぎて全く気が抜けない。
ナツキスバルのウザさは見ていて本当にキツいのだが、「これ、どうやったら話が先に進むの?」と、どうしても好奇心の方が勝ってしまうである。
とまあ、これは僕自身にしか当てはまらない理由で、あなたにとってはどうでもいい話かもしれない。
ただ、最後にどうしても語っておきたいことがある。
それは、ファンの間で神回と呼ばれている18話についてだ。
先に、リゼロの評価を下げている一番の原因は『ナツキスバルの人間性』といったが、18話のある出来事をきっかけにそのナツキスバルに革命的な変化が起こる。
見るに堪えなかったあの強烈なウザささえも、心地良く感じられるほどに。
そして、それまでの“悪夢のようなストーリー展開”が全て報われるような、強烈な逆転劇が繰り広げられていくことになる。
そう。
物語の前半から中盤にかけて作品の評価を最も下げていた『主人公の気持ち悪さ、ウザさ』こそが、起承転結の『転』の役割を果たす、物語中最大のトリガーだったのだ。
是非あなたにも、その衝撃の瞬間に立ち会ってもらいたい。
そこからはもう、この作品をどんどん好きにっていく気持ちをあなたは止められなくなるはずだ。