魔法使いの嫁 / The Ancient Magus' Bride / まほよめ

『魔法使いの嫁』とは、2014年1月号から『月刊コミックブレイド』(マッグガーデン)で連載を開始した、ヤマザキコレによるファンタジー漫画である。2014年9月からはオンライン雑誌『コミックブレイド』と『月刊コミックガーデン』で連載された。
物語は妖精や精霊、幽霊といった人が見えないものが見える目を持つ人間の羽鳥智世(はとりちせ)が、魔法使いであるエリアス・エインズワースにオークションで落札されてから、様々な人との出会いを経て成長していく姿が描かれる。
コミックスは18巻まで刊行され、2022年9月時点でシリーズ累計発行部数は1,000万部を超えた。2014年に「コミックナタリー大賞」で第2位、「これ読んで漫画ランキング」では第6位を獲得した。2015年には「このマンガがすごい!2015」でオトコ編2位、「全国書店員が選んだマンガランキング2015」で第1位を獲得した。
さらに2018年には「造本装幀コンクール」において、日本書籍出版協会理事長賞を受賞した。2017年に累計発行部数が450万部を突破した際には、出版社の親会社の株式に影響を与えた。

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魔法使いの嫁 / The Ancient Magus' Bride / まほよめ
8

イギリスに住む魔法使いのファンタジー作品です

特殊な能力を持って生れてしまったために、生きる場所や理由を持てずに彷徨う主人公が魔法使いと出会い、様々な事件や人と出会いながら居場所と自分自身を見出してゆくストーリーです。

身寄りもなく生きる希望も術もない、15歳の無口な少女羽鳥チセ。
彼女を闇の競売会で買ったのは、人為らざる魔法使いエリアスエインズワース。
魔法使いの弟子として将来の花嫁として、英国での生活が始まります。

オリジナル作品の「星待つひと」を超える本編でした。
エリアスのキャラ造形に適度な緩さがなく、堅物であまり好きになれませんでしたが、こちらではコメディ演出もあり面白味があります。

魔法使いとして大きな資質を持つチセは、それゆえ迫害を受け無気力に。
その中で自然と寄り添い、幻想世界の住人と交流することで、彼女が生きる活力を取り戻した時、世界は美しく見えるのかも知れません。

よくある魔法使いものとは違い、どこか文学的。とても静かで幻想的な作品構成となっています。
ストーリーからキャラクター、音楽等どこを取っても良質な作品だと思います。