トランス・ワールド / Enter Nowhere

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トランス・ワールド / Enter Nowhere
8

古ぼけた小屋の謎…伏線回収も見事な佳作

パンクっぽいカップルのドライブ&強盗シーンから始まるので、これはクライム映画かな?と思ったのですが、オープニングが終わると、突然上品そうな女性(サマンサ)が不安そうに森をさまようシーンに変わります。彼女は何とか古ぼけた小屋にたどり着き、そこで自分と同じように車の故障で困っているという青年(トム)と遭遇。さらに冒頭の強盗犯カップルの一人(ジョディ)がどういうわけか小屋の前に倒れていて、三人はそれぞれの素性を怪しみながらも、協力して森から脱出しようとします。なぜ何度も小屋に戻ってきてしまうのか?三人の男女のどこかズレているような雰囲気はなぜか?これらの「答え」が後半に判明しますが、なかなか目からウロコのアイデアで、自分はわかったときに「そういうことか!」と膝を打ってしまいました。見直してみると会話などでちゃんと伏線を張っているのも見事。低予算ですが脚本次第で面白い映画が撮れる、ということを証明している作品だと思います。ちなみにトム役はクリント・イースウッドの息子さん。ちょっとした表情が似ています。個人的にはジョディ役の女優さん(サラ・パクストン)がキュートで好印象でした。この作品はネタバレを先に読んでしまうと面白味が損なわれてしまうので、何も頭に入れないで見ることをおススメします。