球詠

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球詠
7

漫画「球詠」

女子高生が野球をする作品ですが、とにかく心理描写が緻密で、バッターとピッチャーが表情だけで互いの心理を読み合う描写はテレパシーで会話をしているみたいで秀逸です。キャラクターもみんな個性的で野球に対してひたむきな姿勢に好感が持てます。主人公の武田詠深は中学では魔球のようなカーブが投げられたものの、キャッチャーが捕ることができないために一回戦負けをしていました。その上、キャッチャーからは魔球を批判されてやる気をなくしてしまい、高校では野球をやらないつもりでした。しかし、高校の入学式で幼なじみの山崎珠姫と再会して、なりゆきでキャッチボールをしていたところ、珠姫が魔球を捕れることがわかり、野球部に入部することにしました。この場面では、詠深が珠姫との再会を心の底から喜んでいるのが印象的でした。また、魔球を珠姫が捕ったときの詠深の表情からは、「やっと私を理解してくれる人にめぐりあえた」というような安心感と信頼感が読み取れます。試合の描写では、最初の練習試合で相手のエースと詠深が対決したとき、相手のエースは全国レベルの速球を投げられるのにもかかわらず、詠深にスプリットを決め球として投げましたが、このときは三振した詠深も笑顔で相手に感謝して、選手として互いに称えあっているのが読み取れます。